平成18年に60歳を迎える。六十と縦に書くと傘に鍋蓋(亠)を載せた形である。で、「かさぶた(六十)日録」
かさぶた日録
「徳川記 巻八」の解読 7
午前中、金谷宿大学の運営費を納めにミンクルに行く。2講座で、10,000円である。合わせて9月から始まる公民館の主催講座、「歴史的建造物を学んでみよう」の三回講座の申し込みをして来た。すでに一グループ10人の申し込みが入っていた。
午後、吉田の古本屋T氏に会いに行く。どうやら約束の日は明日だったようで、二時から一時間ほどお話をし、古文書をどっさり借りて帰った。どの程度テキストに使えるか、分らないが、ともかくデーター化をしようと思う。
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「徳川記 巻八」の解読を続ける。
氏真大兵を失い、為方(しかた)なく和を請う。これに依り、翌日八日、家康公より浅原を、小倉内蔵介方へ遣わして、我れ義元の恩顧(おんこ)を深く、その上数通の誓紙(せいし)在り。今川に対して、敵すべからずといえども、讒人(ざんにん)の妨げに依り、義絶(ぎぜつ)に及ぶ。向後、遠州を賜わるに於いて、疎意(そい)在るべからず。御同心(どうしん)無くば、信玄に取られ給うべし。予に賜うに於いては、氏康(北条氏康)に談じて、信玄を追い払い、氏真再び駿城に還(かえ)り入るべき、と云々。小倉、この旨を氏真に伝う。氏真、是非に及ばず、了簡(りょうけん)し、これを領掌(りょうしょう)す。小倉、家康公の陣に来たり、誓紙を得、和睦を調(ととの)え、掛川を家康に亘(わた)す。
※ 恩顧(おんこ)➜ 情けをかけること。よくめんどうをみること。。
※ 誓紙(せいし)➜ 誓いの言葉を記した紙。
※ 讒人(ざんにん)➜ 讒言をかまえる人のこと。他人をおとしめるために偽りをいう人。
※ 義絶(ぎぜつ)➜ 近世で、親族の縁を切ること。
※ 疎意(そい)➜ うとんずるこころ。疎外する意思。隔意。
※ 同心(どうしん)➜ ともに事にあたること。協力すること。また、味方すること。
※ 了簡(りょうけん)➜ よく考えて判断すること。
※ 領掌(りょうしょう)➜ 承諾すること。了承。
公曰く、この上は吾れ、氏康、両旗を以って、駿州の甲兵を追い討つべし。則ち、小倉を氏康の陣に遣わす。これに依り、相府(小田原)より氏真の迎えとして、士十余輩来たらしむ。五月廿六日、懸塚(掛塚)より舩に乗り海に浮かぶ。家康公、松平若狭守をして、豆州土倉に送らしむ。氏康、約の如く相州より出勢、信玄と百日、薩埵山に対陣して、日々に軽卒を出し攻め合わしむ。家康公、軍を発し駿州を窺う。山縣三郎兵衛を追い散らさんとす。
(「徳川記 巻八」の解読つづく)
読書:「真夏の凶刃 武者とゆく3」 稲葉稔 著
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