13日の段階だ。9日以降は用事があり、まったく作業はしていなかったから、12日からの作業開始と翌日作業した分の結果である。だいぶ形も見えるようになり、どんな感じの能面を彫っているのかも見当がついてきたはず。それでもまだ、粗彫りがちょっと進んだ状態であろう。このあたりまで行けば、ちょっとの変更で「若女」「十六」などにも移行が可能なあたりである。
更に進めた状態。今日15日の結果であるが、この2日でだいぶ進んだ感じもする。2日前の状態から寸法を細かく見て行き、それに合わせて微調整をしながら彫り進む作業を行っているところだ。顔全体を整えながら彫刻刀の跡を消すためにサンドペーパーなどを使って表面を滑らかにしているところ。こうすることで各部分の高さがはっきりしてくるので、更に寸法を確認しながら彫っていくことになる。
最初の見本と比べると、まだだいぶ違いがあるのが分かるが、今後はその見本(写真だが)を参考に形作っていく作業を進める事になる。本当は手元に見本の面を置いて、各位置の寸法やかたちを参照しながら彫るのが良い。だが、それがかなわないときには、写真を参考に、想像しながら彫っていくしかないから、そうするのだ。
一番最初に紹介したカラーコピーと、先生が彫った見本を比較した場合、同じではないことに気がつく。これは手作業で美術工芸品などの「もの」を作る場合には大いにあり得ることで、なかなか同じものは作れない。同じ型紙、同じ道具、同じ材料でも出来上がりはそれぞれの作者で違ってくる。もっとも、陶磁器などを大量に作る場合は、手作業でもけっこう形が揃ってくるだろう。が、単品を少数作る場合はまた条件が変わってくると思うから、個人で楽しみながらものづくりをする場合は、見本と違っても何ら不都合はない。かえって個性的だ・・などと評価される(場合もある)。
ということで、見本に似せながら作業を進めている毎日である。