わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

小面7 その1

2018年04月01日 | 能面

すでに4月だ。もっとも今回の作業は3月から始まってはいるが、「別当2」が終わって一段落していたものの、ちょっと暇になっていた。従って次の課題を考えていたところ、先生のところに用があり、行ったついでに一個だけ大きめの材料を仕入れてきたと言う具合。

すでに女面用の材料は2個確保している。そのほかに、大きめの材料を別途手に入れておけば、今後の作業に都合が良い・・と考えて入手したものだが、この時になぜか先生が、余っていた材料をタダでくれたのだ。従ってその日に都合2個の材料を手に入れる事が出来たと言うところ。

さて、このタダの材料には理由がある。いわゆる「売り物にならない材料」なのだ。従って放置されていたと言った方が良い。それが下の写真だ。本来はいびつな形だったが、うまく切り取ってなんとか「能面材」に仕立て上げたところ。

長いこと能面を彫っていた自分なら、上手に利用出来るだろうという先生の考えもあって、無料で提供してくれたのかな・・と勝手に考えている。あるいは、能面塾のお手伝いをしているので、その「ご褒美」かな・・とも。

 

で、今回は材料の都合で「小面」を彫ることにした。ただ、小面に合わせて余分なところを切り取ったのだが、鋸で切り込みを入れてしまった後に「あ、高さが充分あったから「生成り」の方が良かったかな?」と思ったものの、すでに後の祭り。うーん残念。小面なら、手持ちの材料が2個あるのだから、それを使っても良かったな。

ちなみに小面の厚さは70mmでOKだが、生成りなら85mmは必要なのだ。うまく切り取れば、生成りの鼻のてっぺんの83mmの厚さが確保できていたのだが・・・

下がその材料だ。この段階では正面左下側がすでに欠けている。また、高さ(厚さ)は80mmちょっとは確保されているから「生成り」でも充分の材料。

上は3月28日、下は3月29日だ。正面左側は丸太の表皮部分。一般的な材料なら全体が四角形だが、これはちょっと欠けている。ただ、この部分を顎の方に向けて彫っていけば、どうせ削り取られる部分だから最初から無くてもOKなのだ。そういう木取りをするところで無駄を省く事が出来る。

下も29日だ。頑張っているのが見えるが、相変わらず肩が痛い事には変化なし。無理をしないように注意しよう。

下は30日だが、こうしてみると左側の表皮部分は、気にならない程度になっている。最初からこうなると予想して彫っていたので、まあ、当然だろう・・というところかな。

下は31日。作業は順調というあたりでしょう。

で、4月1日になり、下の写真でも分かるようにやっと目の部分、口元部分を幾らか彫り進んでいったところ。ここまで来ればだいぶ形も見えてきたので、この後の作業は容易だろう。さすがベテラン?

 

さてさて、タダで貰った材料を使っているから文句は言えないが、実はこの材料はちょっと彫りにくいのだ。と言うのも面取りの都合で裏と表を逆にして彫っている。本来なら裏面にしなければならない部分を表面にして彫っている。そうしなければ、うまい材料の切り取りが出来なかったのだ。また、木の種類も一般的なヒバや檜ではなく、別の材料の気配がある。従って、彫刻刀がスパスパと切れない。そのために作業も苦労をしているところだ。

 

という具合で、平成30年度が始まり、新規に彫り始めた最初の課題が、能面を始めた平成12年に初めて彫った「小面」となった。これも何かの縁であろうから、気を引き締めて元気に作業が出来るよう、健康にも留意しよう。

 

 

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