大黒天の素彫りは、6月に終わっている。で、7月に入ってから「彩色」に入る予定だったこともあり、素彫りのままだった「小町老女」2個を含めて、計画通りに作業は進んでいるところだ。
上は4日。裏側には黒と茶色の工芸漆を混ぜて色を作り、それを塗った状態だ。今回は久しぶりに「との粉」を使った。これは、前に使っていた「との粉」を使い切った後に補充をせず、素彫りの裏側に直接、色を塗っていた。その場合、色が木肌にしみこんでしまい、色もざらざらのままになってきれいに色が乗らない状態になる。そのため、きれいな裏の色が出来ずに、汚いまま「これで完成」としていた。いわゆる「手抜き」のまま、作業を終えていたという状態である。
で、今回はその「汚いお面の裏側」を解消するために、砥の粉を買ってきて使ったという具合。その結果は上の写真の通り、つやのある裏塗りを終えたという状態。まあ、これが手順としては正正しい方法なのだが、元の手順に戻ったというあたりだろう。これでも3回塗りだ。
上は6日。裏塗りが終わったところで、表面の彩色に入る。今回は、いずれも肌色に近づけて同じ色を使ったが、これで十分だろう。大黒の他の色は、余っていた色を利用して「余った色の活用」の精神を継続している。これも3度塗りだ。
で、これは完成品だ。9日に撮った写真だが、前の写真から見ても数日がかかっている。これも手間のかかる彩色なので、やむを得ないことだろう。無理をしないで焦らず、手間を惜しまず時間を掛けて作業を行っているし、3個同時の作業だから、まあこんなものだろう。
で、「小町老女」はどうしたと言えば、下の写真の通りだ。
同じく9日に完成している。2個を作っていたはずなので、その姿は下の写真の通り。
というところで、今回の3個のお面は完成したところを紹介した。
次のお面は「大黒天」だ。これは次の機会に紹介することにしよう。
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