わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

曲見 その1

2018年11月11日 | 能面

今月から新しいお面の製作が始まった。課題は「曲見(しゃくみ)」だ。初めて彫る女面だが、これまで彫ってきた多くの女面と同じに見える。

曲見とは「深井(ふかい)よりやや老けたシャクレた顔立ちの寂しい表情の面」と言うことになっている。従って、そのように彫る必要があろう。曲見の原型は「深井」ということだが、前に彫った深井は型紙もなく、写真だけだったので、余り参考にはならない。

今回の曲見の寸法を見たところ、詳しい型紙が残っていた「若女」に似ており、これを使えば輪切りになった3次元の型紙が使えそうだ。従ってそれを取り出し、今回は活用することにした。もっとも、曲見も女面だから、基本的には女面に共通する寸法、形になっているので、まあ、彫りやすいとも言える。

これが見本の写真。これを参考に彫り進めていくことになる。寸法も形も多くの女面に共通する部分が多く、どんどん進めていくことが出来そうだ。

上は作業開始から数時間が経ったころ。8日だ。顔の表面を切り取り、丸い形にしたところ。

上は9日だ。額部分や口の下などを残して、いくらか切り取った場面だ。

上は10日だが、9日から比べて見てもずいぶんと作業が進んでいるように見える。特に基準となる目の周りが出来ており、それに続いて鼻の形、頬部分もそれなりに判別出来る程度に彫り上がっている。全体的な顔立ちも判断できるというあたりだろう。

で、今日11日の出来具合だ。大筋では10日と比べても大きな変化はないように見えるが、実は別途用意した若女の3次元型紙と合わせつつ彫っているので、けっこう良いところに来ているのだ。従って、頭部(額(ひたい)部分の形や目の位置などは、ほぼこのままになる。

このあたりまでの造作では、小面、若女、増髪などを含む若い女面と、深井などの年増の女面との差はほとんどない。すでに女面は10数個以上も彫っているから要領も手順もお手のものなので、かなりの短期間で素掘りが終わりそうだ。

ということから、このまま行けば今月中には素彫りも終わる勢いである。

 

 


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