わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

雷4 その3

2021年07月09日 | 能面

今回の大物だった「雷4」も、何とか素彫りが終わった。予想通りの作業結果ではあるものの、細かい部分では前作とは違っている箇所が多い。当然として「基準となる正面や側面の型紙がなかった」ことが最大の理由ではあるが、だからといって理由はそればかりではないと考える。結果、自作の型紙で彫り進めて行ったために、「こんなものかな」という程度の認識で作業を終えた・・・というあたりかな。もちろん、過去の作品を参考に寸法を決めていたが、「同じ形状、サイズの物が出来るとは限らない」という見本でもある。

言い分けはこの程度にして、素彫りの完成品を紹介しよう。

下は「裏彫りの3回目」かな。この時点ではかなり深く彫っているものの、まだ鼻の穴や黒目の部分は貫通していない。3日の写真だが、この後は4回目の裏彫りで目の部分と鼻の穴を貫通させている。

下は7日の結果だ。あごの部分の彫り込みも終わっているから、この段階では完成度は9割程度だろう。ただ、まだ眉の部分と頬の下の部分の飾りが出来ていないから、完成はもう少し後になる。なお、眼球が貫通しているから、最後の裏彫りも無事終わっている証拠でもある。

眉の部分と頬の下の部分に飾りを入れたところ。実はこの形は参考写真を見てもはっきりしていないので、大部分が自分の判断で形を整えた。そのため、過去の3個の雷は、全部違う形になっている。結果、今回もこの部分を創作したので、4個全部が違う模様になってしまった。9日の写真だ。

さて、上の写真で素彫りが完成したが、全体像は下の写真の通り。240番のサンドペーパを使って表面を滑らかにした後、乾いたタオルできれいにこすると、意外とつやが出て表面が滑らかになる。今日は9日だが、これで完成だ。

当初の予定では14日までに完成させ、能面塾で先生に評価して貰うつもりだったが、若干早めに出来上がった。それでも今回はほぼ予定通りの日程だったから、まあいいだろう。

で、今後は「真鍮製の眼球」をはめ込み、彩色を終えて完成となる。ただ、この時期は、今のところ不明だ。と言うのも、実は彩色の材料を使い切ってしまったために、手持ちがないのだ。裏側に塗る工芸漆はあるものの、胡粉や膠(にかわ)が不足しており、雷の彩色に使う事が出来ない。要補充かな。

更には、今年度(令和3年度)の能面教室の課題がすでに決まっており、材料も手元にある。とりあえずはこっちの課題が優先されるので、来週の「能面塾(14日)」が終わったなら、この課題を進める予定。ちなみに能面教室の今年度の課題は「弱法師(よろぼし)」だ。