わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

不動5 その3

2016年06月16日 | 能面

さて、作業は順調に進んでいる(らしい)。これは面倒な「毛髪」部分の作業を進めているところ。こうして正面から見れば、まあどんどん進んでいくようにも見えるが、実は横方向の形も考えつつ作業を進めている。これが難しいところだ。

1枚目の写真と比べても、頭頂部分に修正したところがみえる。これは何か?これは、前回彫った不動の同じ部分を眺めて、それに合わせて一気にのこぎりを使い、切り取った後、彫っていった結果である。実は失敗したのだ。

完成した実物を見ながら作業を進めていたはずだが、それでも「彫り過ぎ」「線引きの間違い」が起こったのだ。この頭頂部分の毛髪の形は、前例をまねしてのこぎりで一気に切るのではなく、今彫っているお面の全体の形を考えながら、しかも慎重に彫刻刀を入れる手段を選ぶ必要があったと言う事だろう。従って、「失敗した」のだ。

他の毛髪の形は概ね予想通りでもあり、まず一段落。で、この後は修正部分が乾燥して、きちんと固まったら「慎重に彫刻刀を入れる」事になる。うーん、実に残念だ。

この毛髪部分にはすでに1週間をかけている。それでもやっとここまで。これはさすがに時間がかかっているが、そのぐらいめんどくさい、難しい部分であるとの証拠でもあろう。

ここまで来れば全体的な完成度は6割ぐらいかな。今後は口の中の造作(これも歯や牙があって面倒)や裏彫りの第3段階に進める事になる。ただ、まだ作業開始から実質2週間程度でもあり、時間的な余裕は十分だ。今回は最低1ヶ月は作業をしなければ、せっかく「難しいお面」を選んだ意味はない。従って、最低は今月いっぱいの作業日程を予想している。