わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

蛇 その3

2012年11月10日 | 能面

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いよいよ大詰めに入った感じもする。ま、ほとんど完成している気がするのだが、材料が悪かったことからあちらこちらに修正部分が見える。前にも書いたように、彫刻刀で彫っていても木がスパッと切れないし、しかも部分的に空洞が出来てしまう。いわゆる切り口方が汚いのだ。

今回、桐の木で多くの面を作っている同僚に聞いたが、やはり桐材とは違うようだ。部分的には杉のようにも見えるのだが、木目や質感が杉とは違うのでは・・と言うことになって、結局は材料の素性は分からなかった。先生に聞いても分からないようだし、先生に材料を持ってきた人は「柔らかくて細工にはよい」という話をしたようだが、これは大間違いで能面や仏像、あるいは木彫などにはまったく向いていない「悪材」だった。

ということで、だましだまし彫ったものの、歯、目、口の中、更に細かい部分を彫るときには慎重に彫ってきたものの、材料が柔らかすぎて多くの場面で穴が空いたり欠けたりするなど、最悪の状況だった。そのために、一応完成したところで木工用パテを使って補修作業を行い、何とか形を作ったと言うところだ。

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上は角を作って取り付けたところ。はめ込んでいるだけで接着はしていない。見た感じではもっと細く削っても良いようだ。ま、そのあたりは今後の課題として、一応、木彫りの部分は出来上がったから、これを来週水曜日にある先生の教室に持って行き、評価をして貰う事にしたい。ただ、それまでは眼球部分を「真鍮製」にしてはめ込む作業があるから、明日以降はそれに突入することになる。

10月24日に材料を入手してからまだ3週間にも満たないが、毎日こつこつ(でもないが)作業をやってきた結果であり、過去と比べても随分と作業が早くなってきた。もっとも、上手くなってきたと言うよりは、飽きもせずに毎日作業場にこもって数時間も座り込みながら続けて行けば、誰でも早くに出来上がるだろう。