わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

黒式尉 その6

2012年08月02日 | 日記・エッセイ・コラム

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いよいよ最後の工程に入って、髭の類を作っていたところ。短いものは眉毛や鼻ひげで、長いものは口の下に生えている髭、そしてあごひげのものだ。もともと、右側の長い方が本来の長さ(約25cmほど)で、馬のしっぽの細い毛を10数本束ねて太さの直径約2.5mmほどにしたものが一本の髭になる。これをあらかじめあけておいた穴に差し込んで、髭とするのだ。短い方も同じ作りだが、長さを2~3cm程度で作っておく。これらを組み合わせて、眉毛や髭のたぐいを完成させていくという手順である。

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これで完成だ。切り離したあごの部分は、たこ糸で仮止めしているからきれいではない。もっと良い紐で結んできれいに仕上げるつもりだから、今のところはこんな状態でよいのだ。このまま来週の教室に持って行き、他の生徒の進み具合を見たり先生から指導を受けることになろう。これでも恐らくは早く完成した部類に入るはず。

面の出来具合は注意されても今更直しようがないが、頂点の冠(かんむり)部分を黒く色づけした方が良いとか、毛の部分の仕上げをきれいにした方が良いなどと言われるだろう。これはしょうがないと自分でも思っているから素直に聞くつもり。

ということで、今年度最初の課題である「黒式尉」が完成したという話。で、もう一つの黒式尉の髭のたぐいも一緒に作っていたから、ついでにそれも紹介すると・・・。

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これだ。三井記念美術館所蔵の黒式尉をまねて作ったもので、髭のたぐいを完成させないまま2月末から放置していた。これもやっと完成したことになり、随分と時間がかかった能面である。実はもう一つ「獅子口」も完成させないまま彩色途中で中断しているのがあって、これはまだ完成時期は分からない。別に慌てる必要もないから、時期が来たら彩色を進めることになる。

このように、これまでは一個が完成するまで別の作業はしなかったが、ここ最近は作業途中で別の能面と並行に作業を進めていたりしている。これ自体は別に悪くはないものの、未完成の面が増えてくれば何か中途半端な気もしないでもないが・・・