「おおべしみ」が完成した。前回の上塗りからそのままになっていたので、予告どうりに完成させることにした。
今日の午後から黒い部分と朱の部分を塗ったわけで、時間はそれほどかかってはいない。2時間ぐらいかな?見本の写真をよく見て彩色の位置を決め、鉛筆でマーキングした後、胡分を混ぜた墨(本当は硯でするのだが、墨汁で省略)を面相筆で描いていく。
べたーっと塗るのではなく、一筆一筆描いていくから手間がかかるが、それも趣味のうちだから良いとしよう。また、左右対称なのだが、そんなことは分かっている。うまくいくわけがない。と言うところで自己満足の段階で作業をやめてしまうことになる。
「ま、いいか」の世界で、それほどシビアではないのが趣味なのだ。まして、完成品でも自分の部屋に飾っておくだけだから、ほかに誰も見ることはないし、誰も文句は言わない。
ところで、前にも同じ面にペイントで色を塗ったという話をした。それが次の写真。
どうだろう。2年ほど前に作成したもので、今の面とはちょっと違う。額のしわが一本多いので分かるかも知れないが、実は間違って余計に彫ったもの。正解は今回彩色した形なのだ。
水性ペイントだから妙につやがある。てかてか光っており、あまり美しくはないと思ってみていたが、作った当時は満足していたはずである。だんだんと目が肥えてきたのか、気になるところが目に付いてくるのは「面打ち」が上達した証拠だろう。と、これまた自己満足をする。
さて、見本とは若干違う出来映えとはいえ、能面をよく知らない人が見たら感心するに違いない。事実、成果発表会や文化祭などで聞き及ぶと「ふーん、すごいね」なんて言われる。知っている人は「大したことはない」と言うだろうから、それはそれで構わない。
平成19年度の能面作成作業は今日で終わる。新年度は4月中旬から始まるので、それまでは作業がないから部屋をいくらか片づけておくと、少しは広くなった。いままで、道具を全部部屋の中に広げたままにしていたので、よけながら歩いていたのだ。