わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

般若その後

2008年01月21日 | 日記・エッセイ・コラム

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12月に完成した般若は、それなりの出来上がりだったので、ひとまず安心しているところだ。だが、3月の学習成果発表会まで、まったく次なる作業がなく、他の生徒が完成させるのをぼーっと待っているだけである。それではあまりにも退屈なので、先生から材料を購入して、更に般若を作ることにした。

材料は1月8日の日に手に入れたので、それから暇に任せて毎日のように彫り進めている。したがって作業は早く進んでいるし、他の生徒に合わせる必要もないから、マイペースで良い具合だ。

Blog152_2 これは作業開始から数日後。目鼻が見えてきているから何となく「般若」だと言えばそう見えるだろう。まあ見えなくても良いが、どんどん進めているのでイメージが沸いてくる・・・・と思っていても、実はそうではなく、初めて作るときと同じように、細心の注意を払って寸法を決めて、それに従って作業を進めているつもりである。

このあたりでは、まだ、うまくいっていたと思っていたのだが、本当はそうではなくすでに寸法が狂っていたようだ。

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さて、上から更に二日ぐらい経ったもの。目を深くしたり鼻をはっきりさせたり口の部分を細工して、より「それらしく」見えるようになってきた。牙が2本あるので、その部分も慎重に寸法を測り、うまい具合に彫り込んでいるつもりだ。とにかく平面図しかないので、立体部分の寸法は正面から見た寸法と横から見た寸法を見て立体を想像し、合わせていくしかない。だが、これがなかなかうまくいかず、どうしても狂ってしまう。

今まで5個の般若を作っているが、同じ型紙を使っているにもかかわらず、いずれも完成品では各部の寸法が一致しない。

Blog154 だいぶ形が見えてきた頃だが、それでも作業を始めてから1週間ほどしか経っていないのだ。そのぐらい早めに作業は進んでいる。前回の作業進捗状態から比べたら、いかに早いかわかる。

ここまで来ると、表面を一度磨いて見やすくして、彫りのムラや形の悪い部分を修正することになる。作用も中盤に入っている状態だから、見本の写真や前に作った般若を観察しながら細かく直していく作業にはいることになる。

Blog156 目に黒目部分の穴を空け、整形した口には、裏まで穴を空けていくと、どうも前に作った面と違うことに気が付く。第一に牙の間隔が狭い。と言うことは、あごの部分が図面より小さくなっていると言うことだ。たしか、厳しく寸法を決めて彫っていったはずだが、どこかで間違っていたようだ。平面を立体に成型したときに若干の狂いが生じても、それが修正出来ないままに彫っていくしかないのだ。

一旦削った場所は元には戻らない。それが分かってるから厳密に寸法をとっているのだ。それでもいざ彫る段階では、予定の場所に決められた寸法通りに彫刻刀がいかない。彫っては定規を当て、高さを計る「トースカン」でその都度寸法を確認しているのにだ。だから難しいと言えば難しいのであって、簡単ではないところが、まあ面白いと言えば面白いのか。

Blog157_2 21日に撮ったもの。もうほとんど出来上がった状態で、これから細部の仕上げにはいるところだ。作業開始から12日目の姿である。前回この状態になるまでは1ヶ月以上もかかっている。それが1/3程度の日数で彫り上げているので、毎日作業をすれば、まあこのぐらいで出来てしまうと言うことか。

次の作業は「つの」をつくる予定だが、これも1日か2日あれば完成するだろう。と言うことは、素彫りの姿は今月で終わり、うまくいけば彩色を入れても今月中には完成するかも知れない。余裕を見てもこの手の能面であれば、1ヶ月で完成することになる。

ということで、次は角を取り付けた姿を紹介することになる。