河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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1410- ウェストブレーク&ファン・アーケン、エド・デ・ワールト&N響、ワルキューレ第1幕2012.11.10

2012-11-14 20:00:00 | インポート

2012-2013シーズン聴いたコンサート観たオペラはこちらから
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2012年11月10日(土)6:00pm
NHKホール
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武満徹 遠い呼び声の彼方へ!
 ヴァイオリン、堀正文
武満徹 ノスタルジア~アンドレイ・タルコフスキーの追憶に
 ヴァイオリン、堀正文
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ワーグナー ワルキューレ第1幕
ジークリンデ エヴァ・マリア・ウェストブレーク
ジークムント フランク・ファン・アーケン
フンディング エリック・ハルフヴァルソン
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エド・デ・ワールト 指揮 NHK交響楽団
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この日、いわゆるはしごの二つ目の方です。
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16型、超巨大編成、66分。
このアブノーマルなストーリーを夫婦で歌ってしまうとあぶなさも中庸なりというところだが、そこはプロ、ペットボトルの数は違えど、初日のワルキューレ合体大馬力で頑張りました。
ウェストブレークの名前の方って、ワーグナーのオペラの主役のいいとこどりしたような名前でうらやましいですね。20年ぐらい前に同じような名前のワーグナー歌い手を何度か聴きました。エヴァ・マリア・ブントシュー。
ちょっと細身ながらトリスタンとかぐいぐい前に出てくる。また奥歯の光り具合がきらびやかで印象にあります。
ウェストブレークもどちらかというとタイプですね。
昨年メトで自身のデビュー公演、レパージュのリング・サイクルで途中退場(2011.4.22)。ワルキューレの第1幕を終えたところで、幕間にピーター・ゲルブがあらわれ、どうも彼女の調子が悪いのですが第2幕も歌います、と言い訳予告を入れたものの、結局第2幕は代役が歌うことになったと。オペラは生き物ですからこのようなこともたまにある。昔、フィガロの結婚でスザンナ役がやはり調子が悪くなり、代役で出てきたのがなんとキャスリーン・バトル、メトのどよめきは生半可なものではなかったことを思い出しました。
メトデビューで途中退場という華々しいデビューを飾ったが彼女なわけですが、歌いきった第1幕はそれなりに良かったようです。三日後の公演ではきっちりと答えを出たようですね。
ウェストブレークはデュトワ&N響の演奏会形式のエレクトラで観たらしい。(記憶が彼女と認識していない)
あのときはたしかデュトワがN響の監督としての最終公演だったと記憶します。エレクトラ役は今年亡くなったエリザベス・コンネル、ゆっさゆっさとワーグナー歌い手の主みたいな雰囲気でステージにあらわれると、聴衆の無声音のどよめき。おおという感じだったのですが、この時の妹役が彼女だったらしい。たしか代役で発音はウェストブルック。
代役の妹役でお姉さんはコンネルですから、ほとんど注目しておりませんでしたけれど、終わった後の聴後感は個人的には完全に妹役の方にやられていたのを思い出します。エレクトラはサロメのようにちょっと聴衆迎合的なところがなく、シュトラウスにしては受けを狙わない非常に厳しくそびえたつ音楽だと思うのですが、峻烈にして鋭い歌唱はものの見事に決まっていて最終的にはコンネルの上をいったような気がした。
ということで完全脱線。
この日もワールトの巧みな棒のもと、徐々に山の頂上に登りつめました。
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ジークムントのファン・アーケンは生で聴いたことがあるのかどうかよくわかりません。
あの汗を拭く姿は演技なのか、ペットボトルを置いたりでコンサートスタイルならではのものですね。ヴェルゼ~~~~~のあたりから急激に盛り上がりを魅せました。
フンディングのエリック・ハルフヴァルソンはハルファーゾンと読んでませんでしたっけ。彼ならバレンボイムとのワーグナーで何度か観てると思います。
この日、左手をずぼんポッケに突っ込みぱなしの演技でしたが、連れの方は、胸の赤いハンカチはなに?って言ってましたね。たしかになんだろう。
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アーケンは明日のことを考えず、尻上がりに声を張り上げワーグナーの役どころにはいっていった。もっとヘルデンなサウンドだともっといいのかな。個人的にはあごをひいて歌えばどうなんだろうなどと思ったりするが、そうゆうことってペーター・ホフマンからのイメージというか残像をひきずっている自分を思う。
アーケンは全く弛緩するところがなく、ゆるみがない。非常に丁寧な歌いくちでいいと思いました。第2幕など役どころとしては尻つぼみ系なあたりでもたぶん、きっちり歌ってくれそうな気がしました。
この日、第1幕最後の一声では目玉剥き出しの熱唱となりました。それだけでなく全体に柔軟な歌い手だと思います。役どころのイメージ集中も素晴らしい。(ワーグナーの熱唱にここはだめだ、ああすればこうすればみたいなことを言う気にならないというのが本音ですよね)
オケとのピッチのずれが若干数か所あったような気がしますが、全てをなぎ倒して進む。
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ウェストブレーク、どちらかというと情熱よりも理性を感じる。個人的にはこのてに弱い。
歌としては急激にドラマチックになったりして激しいところは激しいのだが計算通りといった雰囲気もある。ドラマとしてのワーグナーの息の長い音楽的クレシェンドとしてはアーケンの方が自然で加熱感がありそうですね。
彼女はポイントをはずさないので音楽的効果、高揚感など今はオペラ歌いまくりでいいと思いますけれど、歌曲なんかも聴いてみたい。
アーケンとは息がものすごく合っていて、山・谷・平地、同じような波長でぴったり。納得ずくの愛なのだ。
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出番が少ししかないフンディング。この日のスタイルだけ見たら大御所キャラクター俳優といったおもむき。もしかしたらあのメガネも技かもしれない。
安定感抜群で役どころをつかんでおりました。
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ワールトの棒はどうだったのか。駆り立てたのは兄妹の歌が終わった後のエンディングのあたり。ほかはむしろ歌を聴いてそれから音を出す感じで、それが安定感抜群。うたいやすそうです。例えばヴェルゼ~~~~のあたりでも、歌い手は指揮者よりも前にいるのでどこらあたりで切ればいいのかと、指揮者の方が戸惑うかもしれないのですが、きっちり合っていました。練習の成果と言われればそれまでですが、アーケンの熱い熱唱はものさしで計れないところがあり、それにあわすワールトはやっぱりすごいということだと思います。
N響はワーグナーの脂を取り去り、清く正しく美しく、いつもはそうなんですが編成が異様に膨らんだせいなのかどうか、ブラスとウィンドのピッチ的なかい離を若干感じた個所がありました。ですので、極度にきれいに響いたかというともうちょっとだったかなと。
おわり


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2 コメント

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Kimonomamaさま (河童メソッド)
2012-11-14 20:57:01
Kimonomamaさま
コメントありがとうございます。
文字数でみていただけると力の入れ具合がやっぱりあるのかなと今あらためて思いました。
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ファン アーケンに寛容と言いますか大人のコメント... (Kimonomama)
2012-11-14 20:46:13
ファン アーケンに寛容と言いますか大人のコメントですね。ヨナス・カウフマンのジークムントを聴いてもペーター・ホフマンが最高よと昔の恋人を忘れられないフォロワーより。
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