イヌ事情 3

カンボジアから   金森正臣(2005.12.11.)

イヌ事情 3

写真:ゲストハウスの入り口で、後ろ足を投げ出して休んでいるイヌ。そんなところにいたら踏みつけられるよ。

 またまたイヌですが、このイヌ邪魔!
 これは6月27日に、タケオという町で有った地方教員養成校(RTTC:中学校の先生の養成校)の先生達に、私の勤めている教員養成校(NIE)の先生達が、ベルギーの支援団体から依頼があって、ワークショップを行った時に泊まったゲストハウスの入り口である。
 タケオと言う町は、日本が初めて国外にPKOを派遣した時、活動の拠点の有った町である。この時はカンボジアにおける初めての選挙の監視のために、様々な国から選挙監視団が派遣された。各国の選挙監視団は、町から数キロ離れた丘に監視拠点のキャンプを置き、活動していた。現在は何も残っていない。
 タケオは、カンボジアの南の方の町で、ベトナムに国境を接している。州都に当たる町であるが、大きな町ではなくゲストハウスばかりで、大きなホテル(どこが違うか良く分からないが)などはない。観光客も少なく静かな町である。ベトナムから近く、水路がつながっているため、良く船が行き来しているらしい。ベトナム人は賢く、肥料などを貸し付け、米の青田買いをし、端境期に米を売りに来るという。結局何時も儲けられているから、タケオの人はベトナム人が嫌いだと教育長さんに聞いたことがある。多かれ少なかれ、カンボジア人は何時もベトナム人に負かされている印象があり、嫌っている様だ。
 (注:青田刈り。まだ米が出来上がらず、田んぼにある時期から買い取ってしまうこと。昔百姓が困っていた頃、商人達が肥料代などを、収穫した時の米代で貸したのをこの様に呼んだ。実際に金を借りて売ってしまう場合もあった。現在でもカンボジアではこの様なことが起こっている。場合によっては、蒔く種籾が無くなって、播種前から売っている場合もある。)
 写真のイヌは、泊まっているゲストハウスの入り口で、後ろ足を投げ出して堂々の休息中である。このくつろぎ様は、いかがなものか。お客さんは絶対に踏みつけたりしないで、避けてくれると信じ込んでいる。このイヌと人との関係は全く対等。シッポぐらい踏みつけてやろうかと思ったが、咬まれてもヤバイので、止めておいた。
 ここまで人を信用できると、イヌも幸せ。
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