プノンペンの街路樹 4 果物がなる 4 タマリンドの続き

日本にて   金森正臣(2006.02.28.)

プノンペンの街路樹 4 果物がなる 4 タマリンドの続き

写真:タマリンドの実のなっている様子。タマリンドはこの様にかなり大量の実を付ける。褐色になるとそろそろ食べ頃で、子ども達が叩き落としている。葉は複葉でマメ科の特徴を示しているが、日本では、やや馴染みがないタイプである。

 カンボジアでは、タマリンドを料理に沢山使う。生食するよりも料理に使う量がはるかに多い。魚や肉の酸っぱいスープがあるが、ほとんどはタマリンドの果肉の部分を入れる。ライムの塩漬けを使う場合もあるが、タマリンドの方が多い。種子も一緒に入れてしまうので、食べ進むと下の方に種子がゴロゴロ。果肉が分離しにくいのは確かだが、日本の調理人だと食べられないものを入れておくのは、恥だと思うだろう。この辺がカンボジア(或いは熱帯)の大らかなところ。鳥の骨がスープの底にザラザラと貯まっていて参った先生もいたが。市場でもタマリンドの鞘をはずして、直ぐにスープに入れられるようになった物を売っている。最初見た時には、日本の味噌の様に見えて、少し摘んでみたら酸っぱくて何だか分からなかった。後になって、成熟したタマリンドをスープに入れるために、鞘をはずして売っていることが判明した。

 タマリンドの鞘がまだ若い時にも良く使う。鞘が緑色で種が若くて扁平なものがよい。柔らかい密毛が生えている。これを細かく刻んで、調味料をつぶす小さな臼に入れて、杵で突く。柔らかな酸味があって、様々な調理に使われる。細かくしてから、干魚の焼いて細かくしたものを混ぜる。熱いご飯には、結構な一品になる。きっと酒の魚にも合う。この臼で突いたものに、淡水のカニの塩漬け(大きさと形が異なる2種類がある)を混ぜて、一緒に突く。熱いご飯に乗せると非常に美味いが、淡水のカニの塩漬けだから、危険もあって、腹をこわしたことがある。
その他タマリンドの若い鞘は、突いて塩味を付け、青マンゴーサラダや青パパイヤサラダの調味料として使われる。トックトレー(魚醤)の味とも良く合う。若い鞘は生で使うことが多く、スープなどにはあまり使われない様だ。

 タマリンドは、若芽も調理に使われる。指先で千切れるくらい柔らかいところを採集し、スープなどに入れる。また生のまま刻んで、干魚などに混ぜていることもある。若い鞘よりも更に酸味は弱くまろやかである
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プノンペンの街路樹 4 果物がなる 4 タマリンド

日本にて   金森正臣(2006.02.27.)

プノンペンの街路樹 4 果物がなる 4 タマリンド

写真:レストランの前にあったタマリンドの木。比較的小さくて良く実がなっていたのでこの木の写真を撮った。プノンペンのSt.240に、タマリンド・バーと言われるレストランがあり、その前には大きなタマリンドの並木が有るが、木か高過ぎて写真にならない。St.240は、コジャレタ店が多く、外国人に人気がある。

 タマリンドは、マメ科の植物で大きな木になる。熱帯では、肥料の流失に適応したのか、マメ科の植物が多い。
英名:Tamarind   学名:Tamarindus indica 

 原産は、熱帯アフリカと言われており、タンザニアでも時々見かけた。原野の中で見つけると、トラッカー(ガイド兼ポーター兼動物の追跡などの仕事)達は、落ちている棒きれなどを投げつけて、採集した。褐色に稔った鞘をたたき割ると、中に黒褐色の飴状の部分がある。この部分が食べられる部分で、強い酸味とやや甘味があった。この飴状の中にかなり大きな豆の種子が入っている。

 アフリカで見かけたタマリンドの木は、この写真程度のもので、プノンペンのSt.240に有るような大きな木は見かけなかった。プノンペンのSt.240の木は、直径が1メートル近く、高さも25メートルくらいはあろうか。実に立派なもので、樹齢がどのくらいになるのか想像が付かない。

 タマリンドは、酸っぱいものと決めていたが、市場などでお土産物用に売っているネットに綺麗に並べて入っているものは、かなり甘く、おやつなどにそのまま食べることが出来る。暑い中ではなかなか美味い。私はかなり酸味が好きであるが、アフリカでは、喉が渇くので1つは食べても、脳みそが酢漬けになりそうで、それ以上は食べられなかった。カンボジアでは、酸味の強いタイプと甘いタイプの両者がある。見た目はあまり変わらないから、食べてみるまで分からない。調理用には、酸味の強いタイプが使われる。
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プノンペンの風景 8 こらローソク、しっかりしろ!

日本にて   金森正臣(2006.02.26.)

プノンペンの風景 8 こらローソク、しっかりしろ!

写真:暑さでぐったりしてしまった、ローソク。4月の終わりから6月にかけての暑さで、「すっかり参りました」と言う態で、お辞儀をしてしまった。アー、アツツ、暑、アチチ!

 プノンペンは、北緯12度付近にあり、標高も10メートル程度と低いため熱帯まっただ中。4月の終わりから6月の上旬は、最低気温が30度近くなり、朝起きて30度を切っていると涼しいと感じる。最高気温も40度を超すことがしばしばで、43度ぐらいにはなる。

 ローソクは、自分の重みで柔らかくなった本体が曲がり始め、だんだんお辞儀が深くなる。暑い時には1週間ぐらいでこの様になってしまう。こうなるとローソクとしては使えない。もっとも、少し直射日光で暖めて柔らかくしてから、平らな板の上でゴロゴロすると真っ直ぐに姿勢が戻る。

 写真のローソクは、カンボジアでは普通の照明用ローソク。昨年4月の始めから借りていた家の大家さんが、停電の時に持ってきてくれたもの。プラスチックのカップの底に貼り付けて、明かりとして使っていた。カンボジアではしばしば停電がある。1999年頃に比べると格段に少なくなったが、それでもたまにはある。この時は家のヒューズが切れて、停電。丁度シャワーを浴びている時で、突然暗くなって、ビックリ。窓がないシャワー室だから、全くの暗闇。何をしていたか分からなくなり、目を瞑ってしばらく考えてシャンプーの最中で、泡だらけなのを確認。突然タンザニアでシャンプー中に、水が止まったことを思い出した。タンガニーカ湖の脇の小さなホテルだったので、急いでタオルだけ持って裸でタンガニーカ湖に走った。湖に潜って石けんを落とし、部屋に戻った。やはり暗闇になると、目を瞑ると頭の中が整理されて色々確認できる。目を空いていても見えないのだが、目を閉じた方が色々思い出せるのは不思議だ。

 カンボジアでは沢山ローソクを使う。勿論明かりとしても使うが、お寺で仏様の前に供える。大小様々なサイズがあり、日本では見られない大きいのがある。日本では最大級で百目ローソクと言われた(百匁:約375グラム)もので、主に照明様に使われた。時代劇のお城の広間で、謀議などの折りに点けられているのが、百目ローソクである。カンボジアでは、大きなものは10kgを超えるものがあり、高さも1メートル以上有る。当然太さも超太い。下の方の直径は、15cm位上部でも10cm位はある。こうなるとローソク立ては必要なく、自分で勝手に立っている。お寺の仏様の前の両側に供えられているが、あまり燃された形跡はない。この様な大きなものは、根性があるのか曲がっていない。ローソク屋の看板にももっと大きいのもあるが、やはり自分で立っていて、曲がらない。やはりローソクの根性は太さか?
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プノンペンの風景 7 学校の脇の文房具屋さん

日本にて   金森正臣(2006.02.25.)

プノンペンの風景 7 学校の脇の文房具屋さん

写真:学校の脇にある文房具屋さん。プノンペンでは、だいたい何処の学校の脇にもある。大きさはだいたいこんな位で、あまり大差がないが、郊外に外れて行くともっと小規模になる。中心部の大きな学校の付近には、この様な店が数軒集まっている。周りに吊されているのは、1冊ずつナイロン袋に入れられた、雑誌などをクリップで吊している。店の中には、ノートや教科書も置いてある。

 カンボジアでも学校の近くには、必ずと言うほどこの様な文房具屋がある。しかも幾軒も並んでいるが、置いてあるものはさして変わらない。写真中央に見えるガラスのショーケースの中には、やや高価なボールペンや三角定規などの文房具が置いてある。店内には、沢山の種類のノートや教科書、クメール語の練習用のテキスト等が売られている。良くこんなに種類が置けるものだと感心するくらい、詰め込んである。
 毎日夜には全部中に詰め込んで、板で囲って鍵をする。毎朝、周囲にテントで拡張して、一つずつ取り出して周りに吊す。雨が降り始めると、周囲の吊してあるのは取り込む。雨が止むとまた取り出す。なかなか忙しい。

 新聞が置いてあったり、成人向けのビニ本(カンボジアではあまり過激なのはないようで、セミヌードぐらいか?)も置いてあったりして、生徒向けだけではないようだ。
 学校の周辺の風景だ。
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プノンペンの風景 6 学校の脇のパウチ屋さん

日本にて   金森正臣(2006.02.24.)

プノンペンの風景 6 学校の脇のパウチ屋さん

写真:学校の脇には必ずあるパウチ屋さん。カンボジアの生徒は、パウチするのが大好きだ。パウチには二通り有り、本物のパウチ用のフィルムを使うのと、もっと安くするために他のフィルムを使ってアイロンで温度を高くして接着するのとある。ノートや本などをカバーする場合には、後者を使う。


 プノンペンでは、小・中高等学校の脇には、必ずパウチ屋さんがある。雨が多いからなのか、雨でも濡れて歩くからなのか、生徒たちは色々なものをパウチする。勿論学用品だけでなく、写真などをパウチしている。自分の写真などはないから、雑誌の切り抜きや、吊している様なポスターなどをパウチする。ポスターなどは、家の壁に貼ってあるのを時々見かける。写真を飾るのは大好きで、家族の記念写真なども貼ってある。

 写真のパウチ屋さんは、左手前に、コンロが置いてあり、木の柄が付いたアイロンが2本差し込んである。濡れ布などを使い温度を調節しながら、ナイロンカバーを上手に接着して行く。机の奧に乗っているのが、パウチ用のナイロン。理屈なしに経験でこの技術を使う。お見事。
 机の上に電気を使ったパウチ機器も持っているから、写真などもきれいにパウチできる。でもコストが高くなるので、子ども達にはなかなか手が出ない。

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プノンペンの風景 5 パンクの修理屋さん

日本にて   金森正臣(2006.02.23.)

プノンペンの風景 5 パンクの修理屋さん

写真:何処の歩道上にも良く見かける、パンクの修理屋さん。モト(バイク)と自転車が主なるお客さん。空気の調整とパンク修理。道具は、パンク修理用の一式とこの目立つ高圧空気のタンク。小さなエンジンが付いていて、コンプレッサーを回して、タンクを高圧にする。

 カンボジアでは、庶民の足はモトであるから、モトの数は数えられないくらい多い。何処の街角にも、数台がたむろしているし、流しているモトもある。最近は新しいモトが増えているが、これは主に少しお金持ちの連中で、モトタクシーをしている貧しい階層は、中古のバイクを使っている。日本のホンダのカブが大人気であるが、より安い韓国製やマレーシアなどの生産のものが多い。

 貧しい層は、簡単に買い換えができないから、かなり古いモトを使っている。乗ってからエンジンの調子が悪く、なかなかスピードが上がらないことに気が付くこともある。明らかにピストンリングが減りすぎて、馬力も回転数も上がらないモトもある。でも乗っている。街角で良く自分で修理しているが、機械の理屈も何も知らないのがいじるから、しばしば変なこともしている。ライトがつかなかったり、エンジンがかからなかったり。当然タイヤは、つるつるになっても交換しないから、パンクも絶えず起こる。パンクしないのが不思議なくらいのタイヤも使われている。だから結構、パンク修理屋は成り立っている。でもその数は半端ではないから、これで商売になるのかと心配になる。
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プノンペンの風景 4 スコール

日本にて   金森正臣(2006.02.22.)

プノンペンの風景 4 スコール

写真:熱帯の雨は集中して降る。スコールと呼ばれる雨だ。だから雨期でも、20-40分ぐらいしか降らないのが普通。雨が降ると水が流れるのが間に合わないから、水溜まりになる。子ども達は喜んで走り回るが、危険でもある。しかし彼らはそんなことは気にしない。手前の自転車の2人乗りは、明らかに雨が降り出してから遊びに出てきた様だ。移動レストランのお姉さんは、商売道具を道に放り出して、どこかで雨宿り。 

 カンボジアの雨期は、5月から11月ぐらいと言われている。しかし毎年かなり時期がずれるから、あくまでも目安程度。この内本格的に降るのは、9・10月。それ以外にも1時間に50mm位の降りは有るが、あまり頻繁ではない。昨年の9月には18日ほどの雨があり、266mm。10月は14日の雨で、425mm。日本の年間降水量の4分の1程度が1ケ月で降る。年間の降水量に大差はない。しかしカンボジアは、12月から4月までほとんど降らないから、この様にまとまる。その上雨期でも多く降る9月で18日、10月は14日、11月が16日が雨で、後のほぼ半分の日は降らない。おまけに一日のうちでも降るのは、20-40分ぐらい、後は晴れたりする。10月には、50mm以上降った日が4日有る。日本では1時間に50mmも降ると最大の雨だが、カンボジアでは時々ある。最高は、40分ほどで75mm。大学の庭も水溜まり状態。

 カンボジアの人は、雨で濡れるのをあまり気にしない。濡れたまま歩いている。それでも土砂降りになると、チョット木陰や路上の仮説レストランで雨宿りしたりもする。でもしぶきが飛んでずぶ濡れ。雨が降ると女子大生が走り出して、遊び戯れていることもある。子どもは道路の水溜まりに転がって、大喜び。近くにネズミの姿スルメ状態が浮かんでいても平気。イヌの糞が浮いていても平気。シクロのオッチャンも、自転車を洗っていたりする。

 確かに寒くはないけど、ここまで慣れるのはなかなか大変。まだ慣れきっていない。
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プノンペンの街路樹 3 果物がなる 3 ジャックフルーツ続きの続き

プノンペンの街路樹 3 果物がなる 3 ジャックフルーツ続きの続き 2006.02.21

写真3:これがジャックフルーツの果実。表面のぶつぶつの部分を取り除くと、下にはソラマメ大の種子を包んだ果肉があり、この果肉を食べる。白い樹脂液が付いていることがあり、粘る。

 ジャックフルーツは、果実が大きい割りには食べるところは少なく、3分の1か、4分の1になる。しかし元が大きいので、食べるところは十分ある。写真の果実でも、200ぐらいの種子が入っている。果肉はやや弾力がある歯触りで、かなり甘い。10個ぐらい食べると、十分に腹が膨れるし、食事の代わりにもなる。少し臭いがあるので、ドリアンほどではないが、嫌いな人もいる。
 朝早くにどこかに出かけた折りに、朝食抜きだったので、市場が開いたところでこのジャックフルーツを買った。皆かなり腹が減っていたが、4人で4分の1程度を食べきれなかった。結構腹持ちが良く、昼にも響いた。1個で7ドル程度であったと思う。

ジャックフルーツ 英名:Jack fruit  学名:Artocarpus heterophyllus 
インド原産と言われている

 ジャックフルーツは、結構高く売れる果物である。庭に植えられていることも多いし、私が働いている大学の構内にも、数本の木がある。果実は、売られて、水熱光費等の経営費に充てられている。
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プノンペンの街路樹 3 果物がなる 3 ジャックフルーツ続き

プノンペンの街路樹 3 果物がなる 3 ジャックフルーツ続き 2006.02.21
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写真2:このジャックフルーツは、私が部屋を借りている家の庭にある木。沢山の果実が幹から直接なっているのが見える。これでも1個5―10kg程度はある。でもこれは小さい方の品種で、大きい方の品種はこの倍以上になる。通常市場に出るのは、改良の進んだ大きな方の品種である。しかし味はこの小さい方の品種が、美味い。多い木では、30個も取れることがあるが、あまり多いと途中で落果するものも多くなる。

 話はそれるが、木の脇に小さな祠が見える。カンボジアの土俗信仰で、大きな木や石には霊が宿ると考えられていて、祭られる。線香が焚かれたり、供え物がされたりする。
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プノンペンの街路樹 3 果物がなる 3 ジャックフルーツ

日本にて   金森正臣(2006.02.21.)

プノンペンの街路樹 3 果物がなる 3 ジャックフルーツ

写真1:クメール飯屋の前の歩道上にある、ジャックフルーツの木。この木はあまり大きくないが、高さも太さもこの倍ぐらいにはなる。一番下の枝に、果実が成っているのが見える。まだ大きくなりきっていないので、やや細長い。ジャックフルーツは、街路樹としてはあまり多い方ではない。しかしあちこちで、この迫力のある果実を見られる。

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