二元対立の世界観

二元対立の世界観

 

日本の昔からの価値観は、いろいろを総合的に見ることであった。理論的には成り立たないことも、排除することなく、全体像を捉えようとしてきた。しかし西洋的科学が入ると、二元対立的思考が浸透し、総合的思考が衰退した。そのことについて関心を持っていない人が多い。

 

二元対立は、分かりやすく理解しやすいが、色々合わせても全体には到達しない。私は研究を始めた頃に、植物の遷移についていろいろ調べたことがある。千葉大学の沼田眞先生と一緒に、「ギャップ」理論を組み立てた。かなり複雑な種間の関係を見ながら、森を見ることはなかなか面白かった。それから15年ほどして愛知教育大で美術の先生と話している時に、測定や計測に寄らない認識の在り様を知った。かなりの衝撃であって、振り返ってみると自分の研究も最初は、直観によって始まっていたことを確認した。

 

そのころ仏教の修行に入って、全く別の感覚があることを知った。仏教の仏さまの教えは、仏典を読んで理解して信じることではなく、自分を見つめることであることを知った。

 

自分を真に理解するのは、二元対立ではなく、全体像でとらえることが重要である。ストレスが多い時代と言われているが、自分のストレスは自分で作っていることが多い。自分を理解することこそが、解決の近道である。

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子ども家庭庁

子ども家庭庁

 

最近また「子ども家庭庁」のニュースが賑やかになってきた。

いくら省庁を増やしても、子どもの成長に良い影響があるとは思われない。現代の子どもに最も必要なことは、子どもの成長の過程をしっかりと見つめることである。

 

どの様な場面で、どのように成長して行くのかを、確かに明らかにすることである。現在は文部科学省をはじめ、子どもの成長の正確な認識がない。生活力だ、学力だと言うが、実際に生活する力は得られていない。そのための自信の無さが、多くの子どもを苦しめていることを認識しなくてはならない。

 

知識は、太田堯氏が言うように、「身体にめり込んだ知識」(なぜ学校に行くのか)にならないと生きる力にはならない。

 

見当はずれの省庁では、子どもの危機は救えない。

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季節を楽しむ

季節を楽しむ

 

今年は春先によく野山を歩いた。そのおかげで季節の山を楽しむことが出来た。小学校から高等学校までは、八ヶ岳の北の蓼科山のふもとで育ち、いつも季節を感じていた。愛知県と異なり、冬は雪が積もって、畑には作物がなくなるので冬の準備は大変であった。秋には、クマと争ってクリやブドウを取り、春にはタラの芽や山菜を競走した。相手は24時間体制で準備しているから、週末などに出かけるだけの私はいつも悔しい思いをしていた。

 

春先は、花の季節で楽しいことも多い。寒い地方では、春が短く早足で過ぎて行く。スイセンからさくらまで2週間ぐらいのこともある。フキノトウが出て、ヨモギが延び、サクラ(ヤマザクラ)が咲き始めると、ツツジが次々と咲く。ミツバツツジ、ヤマツツジ、ドウダンなど次々に移り変わる。愛知県に来てから、垣根のヒラトツツジやミヤマキリシマはよく見るが、今年は山にあるモチツツジも楽しめた。何よりもヤマザクラが楽しかった。山の斜面に転々と咲く様は、ソメイヨシノとは異なった趣がある。変異も多く、白からピンクまでいろいろな色が楽しめる。

「春ははな 夏ほととぎす 秋はつき 冬ゆきさえて すずしかりけり」 

と歌ったのは道元禅師である。若い修業僧に、座禅は何時の季節が良いかと問われての返答である。しかし冬は寒くて足が痛い。

これはフジの花

春の山々は楽しみで、早春から晩春までいろいろな風景が楽しめた。

 

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持ち主と持ち物

持ち主と持ち物

 

持ち主が古くなると、持ち物も当然古くなる。最近我が家のいろいろが良く崩れる。最初はふろ場の脱衣所の電気スイッチ。更に1ケ月程前には、ワクチン接種のために体温計を使ったら、1回で電池が終わった。次いで電気湯沸かし器が壊れて、設定温度が定まらない。次は洗濯機。脱水が十分ではなくなった。次にはトイレがおかしくなり、修理しようとしたら、家への止水栓が壊れていて、水が止められず、これの修理からする羽目に。

 

私は長らく家に居なかったから、色々壊れてもおかしくは無い。脱衣所のスイッチを買ってきたが、配線をつなぐ方法が分からない。ちょうど来た洗濯機屋さんが、いとも簡単に直してくれた。我々の頃は、配線は螺子で線を絞める方法だったが、現在は線をばねで挟むようになっていて、マイナスドライバーでいとも簡単。カンボジアに長いこと居て、今浦島になっていることを痛感。いろいろ忙しく、結構楽しめる。

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一日の温度差

一日の温度差

 

最近は毎日かなり温度が上がる。4月としては異例の27℃にもなった。

アフリカで調査していた時には、朝は10度以下、午後は40度を超える暑さで、格差は30℃程度もあった。

だから日本の格差は、あまり問題ではなかった。

 

しかしあれから、がんを患い、心臓の手術を2回もした。従ってかなり体力が無くなり、温度差も、実感するようになった。まず食欲がなくなり、あまり食べられなくなる。少し太り気味だから丁度良いのだが。しかしあまりやる気が出ず、ごろごろしているのは問題だ。夏はまだこれからなので、何とか気力を取り戻しておきたい。

 

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大阪公立大学

大阪公立大学

 

新年度になり昔勤めていた大学が、また一つ消えた。でも今回は、統合されて大きくなり、その全容は変わったが、以前の姿も残っている。

私が勤めていたのは、天王寺駅のすぐ近くのキャンパスの医学部。隣は釜ヶ崎あいりん地区。よく昼飯を食べにあいりん地区に出かけていた。なかなか親しみやゆいところで、私には合っていた。今回本部が置かれたところは、理学部などがあった杉本地区で、理学部の仲間と一緒にゼミをしていた。ゼミが終わると近くの安くてうまいすし屋で、飲みながら議論が沸騰した。他に府立大学が一緒になったから、かなり大きくなった。府立大には、水生昆虫の研究をしていた谷田さんが居た。彼が大学院生だったころに、京都大の芦生の演習林で一緒に調査をしたことがある。

 

 

卒業した長野県の高等学校も、学校名が変わって親しみが無くなった。大学は、筑波大学になってしまったので、名実ともに無くなった。筑波への移転に際して、教授会も自治会も無くなり、現在の法人化の先駆けとなった。それに反対したので、当然職は無くなり、大阪市大の医学部に拾って頂いた。

 

人生長くなると、いろいろあるものである。

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難民の受け入れ

難民の受け入れ

 

今回外務大臣がポーランドに行って、ウクライナな難民を受け入れてくると言う。今までの日本の対応の遅さにイライラしていた私としては、やっと日本も少しは並の国になったかと思っている。

 

島国の日本は、いろいろの点で島国根性が抜けていない。特に外国人の移動については、陸続きの国々と異なり、かなりハードルが高い。また自国の常識が世界の常識のように思っているところがある。この機会に多くの外国人を受け入れ、日本で暮らしてもらって国際感覚を磨くのが良い。日本人の贅沢を少し倹約すれば、多くの外国人の分が捻出できる。

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