近況報告

近況報告                   2008.10.21. 金森正臣

 皆様ご無沙汰しております。
 先日、9月19日から10月19日までの予定で帰国いたしました。しかしいろいろ用事があり、ほとんどどこにも顔を出さずに10月12日にカンボジアに再び戻りました。今回は杖を使わずに歩くことができるようになり、不安でしたが大きな事故もなく無事に済みました。

 帰国後、毎朝・夕散歩をし、リハビリに励みました。やはり左足はまだ筋肉が少なく、弾力が無いので右足に負担がかかり、歩き過ぎると右ひざが痛くなるので、一休みしなければならない状態でした。右ひざは、10年ほど前にアフリカで痛めており、古傷が出た感じもあります。カンボジアに帰って1週間になりますが、毎朝散歩をしてリハビリを続けています。日曜日に1回休みましたら、驚くほど快調になり、バランスも良くなって速さもかなり回復しました。今月中には、ほとんど以前の状態に戻るのではないかと楽しみにしています。一方、年々歳はとりますので、体力的には下降をたどることは当たり前で、少しずつ老化に適応して行きたいと思っています。

 今回予定を早めてカンボジアに戻ったのは、8月にカンボジアに見えた「カンボジア国際教育支援基金」の皆さんと組んで、新しい仕事を始めるためです。10月15日には、カンボジアの新政府(9月14日に発足した)の教育大臣や長官二人との話し合いが組まれていました。大臣も長官も以前から親しい人がなりましたので、私もジョイントした方が話がスムースだろうと思い、急きょカンボジアに戻りました。思い通りに話は進み、来年の後半から大きな仕事に取り掛かる予定です。

 以前のプロジェクトが2004年に終了してから、個人的に支援を続けておりましたが、労力や資金には限界がありました。日本には「鉄は熱いうちに打て」という格言があります。あまり次のプロジェクトまで時間が空きますと、せっかくやる気になったメンバーも、意欲を持ち続けることは難しくなります。そこで、日本の友人の皆さんにお願いして、勤め先のメンバーを毎年2-3人ずつ留学させて頂きました。この効果は大きく、以前に少し書いた通りです。現在も日本で、8人がお世話になっています。留学の効果も、意欲を持ち続ける効果もともに大きなものがありました。2004年に個人的に始めた時点では、来年の10月ぐらいには終了して日本に戻る予定でした。資金や体力の点で、そろそろ終わりだろうと思っていました。また目的が、カンボジア人たちが中心になって進歩を続ける人材を作れば、私の仕事は終わりであろうと思っていました。それ以上は、個人の力では無理があるからです。

 ところが、8月の下旬に突然訪ねて見えた「カンボジア国際教育支援基金」の皆さんの話は、以前から私が考えていたカンボジアの教育の問題点の解決法そのままであり、資金や人材が無いので不可能と思っていたことでした。私もカンボジアに係わって10年目になり、ようやく問題点が明らかになって来たところでした。ところが資金や人脈に限りがある個人支援では考えられない方法が出現しました。シニアコミュニケーションと言う人材を持っている会社と基金が組み、カンボジアに24校ある教員養成校に人材を派遣しようとする計画です。主に日本で長年経験のある先生たちに、カンボジアの教員養成校の先生たちに教えていただこうというわけです。

 現在のところ、2-3年間に60人程度の先生に来て頂き、1-3年ぐらいを目安に滞在して頂き、カンボジアの教育の基礎を立て直す計画です。資金も安全管理もビックプロジェクトですが、数年で確実に先生たちが良くなるでしょう。

 昨年までであれば、まだ準備が整っておらず、このプロジェクトを立ち上げることは難しかったように思います。現在、日本への留学組が、6人帰っておりさらに来年3月には、4人が帰って来ます。彼らは強力な協力者で、地方の教員養成校の環境や人材をよく知っています。日本の先生たちを派遣するときには、手伝ってもらわないと進みません。
 またタイミングが来年であれば、既に帰るつもりになっており、多分プロジェクトに参加することはなかったと思います。
 さらに今年9月の新内閣で、昔からよく知っている人たちが、大臣や長官になったことです。話はスムースで、とても楽です。彼らも新しい気持ちで、教育の改善に取り組むつもりだったようで、歓迎されました。今までのミニッツにはなかった雰囲気でした。

 人生の転機は、いつも突然やってきます。もう帰る準備を始めていたところですが、今回も不思議なタイミングで、突然やる気になりました。今後も体力を気にしながら、ボツボツと行きたいと思っていますので、よろしくご支援ください。


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