クマとヒトの衝突

クマとヒトの衝突

 

最近人里で、クマに襲われる人が増えているようで、連日報道がある。

愛知県にきた40年ぐらい前には、愛知県でもほとんど記録がなく、10年以上前に通過したクマが記録されている程度であった。

一時本州全体でクマは著しく減少し、絶滅の心配がされていた。

 

私は約70年前小学校から高等学校まで、八ヶ岳の北の蓼科山の北の山麓で過ごした。山奥の小さな集落で、毎年40-70頭のクマが捕獲されていた。小学校に通う途中で、川を挟んだ向かいの斜面にクマがいて、白い犬が追っていたので、皆で見学していて始業に遅れたが、あまり怒られた印象はなかった。隣の集落から来る子どもたちも、時々クマと出会っていた。早朝の栗拾いなどでも良くであったが事故はあまりなく、皆当然のことのようにクマと共生していた。

小学校の時だと思うが、山でブドウを取っていたら、木の上にクマがいて驚いたことがあった。また山でも時々あっていたが恐怖感はなく、とくに襲われた記憶はない。その後いろいろ研究するうちに、里に出てきているクマは、緊張していて危険であることに気が付いた。山では自分の領域で安心しているが、里に出る時には極度に緊張していて、突然出会うとすぐに攻撃してくる状態である。現在各地でクマとの事故が発生しているが、この様なクマの状態も理解しておく必要がある。

 

今年は山のエサが不作で、里に出てきているようだ。最近は、山の集落や畑が消失しつつあり、エサが不足するとすぐに里に出て来る。猟師さんもクマを捕獲する技術が伝承されなくなり、狩猟が十分にできなくなってきている。クマは猟犬などを使わない場合も多いが、イノシシやシカは、猟犬が重要になる。ところが猟犬を仕込める猟師さんがいなくなっている。罠猟が主体で捕獲は増えているが、農作物などの被害は増加していると思われる。

 

野生動物との関係は、今後どのようになって行くのであろうか。

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アンデスの土喰い

アンデスの土喰い

 

土喰いはいろいろな動物で知られているが、ヒトではそれほど多くない。写真の左端の器が土を溶いた泥で、これを中央のジャガイモに付けて食べる。泥は決まった場所があって、そこから取って来る。右端の白いのは、チーズ。いろいろなナッツもあって、栄養も考えられている。彼らが意識しているかは疑問であるが。動物の土喰いは、各種の栄養分を補うとされている。しかし、ジャガイモを主食としてきたアンデスの土喰いは、もしかしたらイモの毒消しの意味があったのかもしれない。

彼らは、石の多い4000メートルを超える高地で、アルパカを放牧して暮らしている。見守っている時にも、アルパカの毛を使って糸にしたり、編み物をしたりして過ごしている。

アルパカを放牧しているおばさんは、アルパカの毛を紡いだり、写真のように編み物をしたりして働きながら見ている。やはり女性は働き者だ。アンデスでは、男性も良く働いているが、これはそれだけ環境が厳しいからであろう。熱帯アフリカの男性は、あまり働かない。

 

この写真は、アルパカを飼っているおばさんの家。標高は4000メートルを超え、いつでも寒いのでかなりの厚着である。どこにもコカの葉が置いてあり、熱い湯を注いで飲んでいる。しかし標高が高いので、湯は沸騰しても90度には達しない。町に出るとコカのアメを売っていて、舐めていると息切れなどに一定の効果はある。

 

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