ご無沙汰しています

ご無沙汰しています

今年も終わりになりました。
10月に受けた市の健康診断から、検査が続き12月26日になってやっと終了しました。このため12月に入ってから、すっかり疲れがたまり休んでいることが多くなりました。
最終的には、貧血の原因はつかめず、鉄剤を処方いただくことで決着でした。

無事に今年も終わり、来年に入りそうです。また宜しくおつきあいください。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

ヒトの家畜化  10 味の退化

ヒトの家畜化  10 味の退化

 

ヒトは毎日食事をとる。しかしその取り方はいろいろで、11食もあれば3食、あるいは5食もある。

日本では通常13食が多いが、現在ではおやつや飲酒が盛んになりかなり変形している。食材も豊富で、調理法も大きく変化し、世界の各国料理が食べられる。

最近の話題は、フランスのタイヤメーカ、ミッシュランが発行するグルメガイドブックである。星がいくつあるかとレストランの格付けが行われ、多くの日本人がそれに追随している。テレビなどでも取り上げられ話題になるが、その内容が果たして味の決め手になるかは疑問である。

 

そもそも食事の味は、材料や調理法による部分もあるが、半分は自分自身の体調によるところが大きい。現代の日本人は、この経験が少なく自分の味に対する判断が十分に発達していない。戦中から戦後にかけては、食糧が不足し十分な食事が得られなかった。このため空腹を経験し、食事の味が体調によることは経験している。しかしながらヒトは忘れやすく、十分な食料の時代になると美味しいものを求めて暴走を始める。十分な食事の時間が長くなると、より食欲がそそられるものを求めて、激辛や刺激的な外国料理が流行する。自主独立の精神が弱い日本人は、流行を追うことや刺激的なことに流れやすい。移動のできない日本の農耕の文化は、集落の中での協調性が求められた歴史があり、遊牧民の様にすべてを自分で判断することを基準とする自主独立の判断とはかなり異なっている。この様な文化的背景もあり、流行を追うことに抵抗が少ない。

この様な結果、食の味もヒトの評価に頼る傾向があり、マスコミによる流行も生みやすい。勢い有名レストランがもてはやされ、どこそこのラーメン、有名寿司店などが美味しいと思いこみ、マスコミなどに流されて追い求める所となる。

これも現代社会における食環境による、家畜化の結果であろう。

飲み水が無い状態で23日すると、水を飲んだ瞬間に全身の皮膚が汗ばむことを感じる。数日間食べないでいて、最初に口にしたお粥は、コメ一粒一粒が体の隅までしみわたるように感じる。この様な味は、なににもまして美味である。

 

本当においしいものは、自分の体調に合った食事である。カンボジアに住んでいたころに、集まった日本人の間で、自分が死ぬ前に最後の食事として何が食べたいか話題になったことが何回かある。カンボジアは各国レストランが揃っており、なにでも食べられるところである。しかし多くの人が挙げるのは、特別のものでは無く、お粥に梅干しや蕎麦などの昔からの質素な食事であった。むかし、宇野重吉と言う有名な俳優がいた(今の寺尾聰の父親)。晩年のテレビのインタビューに、最後に何が食べたいかと言われて、たくあんの古漬けの炒めた物が食べたいと言っていた。彼の貧しい時代の故郷の味だったと覚えている。

 

最近の日本社会は、ストレスが多くその影響を受けている。その結果、食や飲み物に依存する傾向があり、肥満や糖尿病などを引き起こす例が多い。動物でもそうであるが、一般には満腹すると、ストレスによる興奮は減少し、休む態勢に入る。ライオンなども満腹すると後はしばらく休むだけである。ストレスにさらされると自然にこの流れに沿い、色々食べたり飲んだりする。この結果の肥満や糖尿病は意外に多いが、多くの人は気付くこともなく生活が進む。これもヒトが作った環境に順化(家畜化)した結果であろう。テレビなどでも極端に肥満体型のタレントがもてはやされ、どこかの国の指導者はまるで肥満の見本のような体型をしている。本人たちは、自分が現代の環境に家畜化されていることを意識しているのであろうか。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )