金森正臣先生のカンボジアの文化・教育・食べ歩き体験記
金森先生のカンボジア日記
日本の食の事情
日本の食の事情
最近政府は、食糧の自給率を40%にすると言っている。本当であろうか?
これにはカラクリがあり、日本の食糧自給率はもっと少ない。
政府の発表している自給率は、牧草やトウモロコシなどを輸入して、日本で卵や牛乳を生産すると、日本で自給したことになっている。これらの外国産のエネルギーを輸入したものを除外すると、本来の自給率はほとんど20%以下である。以前に食のホーラムに参加していた時に、WFP(世界食糧計画)の日本人スタッフは、17%ぐらいと言っていた。それから改善された兆候はない。高速道路や過疎化によって、生産面積は減少している。水田などで生産調整している場合では無い。
世界では、不足するエネルギーを補うために、昆虫食などに目をつけている。これは牛や鶏は、自分の体温を保つためにエネルギーを使う。昆虫などは、変温動物であるから体温を保つ必要はない。牛などは食べたエネルギーの1%程度しか成長しないが、昆虫はその数十倍成長する。この差に着目して、昆虫食が注目されている。
カンボジアでは、昆虫食が普通で、コウロギ、タガメ、ゲンゴロウ、カイコのサナギなど普通に売っている。味もそれなりに旨い。
選挙運動と統一教会
選挙運動と統一教会
刈谷市では、市議会議員の選挙が始まった。まず新聞の折り込み広告に入ってきたのは、「国際共勝連合」のビラである。(自事務所は、東京都千代田区九段南3-8-14 2Fである)
これこそが岸信介首相が、統一教会と手を組んだ組織で、1960年代からの問題である。我々は、1960年安保世代、岸信介首相が統一教会と手を組み勝共連合としたことを記憶している。以来安倍晋三首相まで、統一教会と手を組んで選挙に向かってきたことは、先般の奈良での事件で明るみに出た。
現在でも、統一教会が活発に活動していることは、意識しなければならない。
家庭の崩壊 2
家庭の崩壊 2
また神戸で家庭の崩壊の結果の様な事件が起きている。
一緒に暮らしていても家族でも、平気で殺すような関係である。この様な家庭の崩壊は、人間関係の構築がない。
この様な傾向は、子どもたちの問題の中でも多くなっており、現在の傾向であろう。
先生たちの学校での対応は、ますます難しくなってきている。子ども家庭庁などは、この様な基本的な問題に、正面から向かってもらわなければ日本は崩壊する。異次元の対策では無く、正面から向き合うことが重要である。
苦と楽
苦と楽
皆さん生活の中で、楽を求めることは有っても苦を求めることは無いであろう。
仏教の教えでは、苦の無いのを楽と言うことになっている。即ち、楽だけでは存在しない。苦があって初めて楽が存在する。裏返せば、楽は苦と一つのものである。
我々はとかく楽を求めるが、苦が無ければ存在しない。即ち一つの物であることを理解し、いずれも厭うことがあってはならない。
原理原則が分からないと、なかなか本物にはたどり着けない。
家族の崩壊
家族の崩壊
最近相次いで若者が他人を殺す事件が起きている。長野県の中野市で市会議長の長男が付近の住民や警察官を殺害した。また岐阜県の自衛隊の訓練の中で、18歳の男が、同僚を銃撃し殺人を犯した。どちらも兄弟や両親がいた。
途上国の東アフリカのタンザニアや東南アジアのカンボジアで子どもたちを見ていると、家族との結びつきが強いことがうかがえる。犯罪に走るときに、抑止力の半分を担うのは家族との結びつきであろう。もちろん本人の心の問題があるが、家族がその後にどのように生活しなければならないかも抑止力であろう。自分で犯した罪のよって、家族が苦しむことに思いが至らないのが不思議である。
日本では親子兄弟姉妹がいても、家族関係が崩壊していて関係が薄くなっているように思われる。基本には家庭の崩壊がある様に思われる。
教員の不足
教員の不足
何処の県でも教員の不足が目立っているようだ、新聞やテレビで報道されている。
その原因として、就職後辞める先生が多いと言う。
私が愛知に来たのは、1980年頃で、就職した学生が学校を辞めることはほとんど無かった。その後1990年ごろになって、就職後辞める先生が気になりだした。さらに5年ほどのちには、辞める先生が一定数出るのが当たり前になった。
昨日書いた様に、子どもたちも仲間に対して、注意している傾向が少なくなった。即ち集団を作る能力が落ちてきている。その結果学校のような場所で、互いに助け合って生活することの能力が落ちてきている。自分の悩みを打ち明けることも下手であるし、相手の困っている状況を理解することも出来なくなっている。
今後もこの傾向は増すであろう。教育委員会や文科省はどの様に対処するのであろうか。この問題は少子化の問題ともリンクしている。異次元の対策などと問題からそれていると、ますます問題はこじれる。
子どもの生きる力
子どもの生きる力
アマゾンで遭難した飛行機から生き残った子どもが、40日間生き続けて生還したことが話題になっている。この地域の近くで調査したことがあり、軽飛行機(墜落したような飛行機)やヘリコプターで、森の上を飛行した。ニュースに出てきて様な森林景観で、熱帯のスーパーツリー(森林の上に突き出した大きな木)も経験した。飛行機の中から見て、森林に落ちたら探すのが難しいのだろうと思ったことを覚えている。私の調査地はオリノコ川地域で、アマゾン川地域を遠く眺めていた。いずれも海から3000キロ上流で、わずか標高300メートルと言う平たん地で、雨の降ってきた方向で、アマゾンにもオリノコにも流れると聞いて、世界には不思議なところもあることを実感した。多分子どもが遭難したアマゾン地一トは、100キロほどの距離のように思われる。
ところでこの子どもたちに生きる力は、現地ではある程度養われていると言う。探検家の関野さんが解説していた。振り返ってみると日本でも我々の子どもの頃は、10歳ぐらいになると、田植えや稲刈りもほとんどできる様になっていて、一人前とは行かなくても作業の手伝いは普通であった。それによって技術を習得していた。現在の子どもたちはどうであろうか。農作業にしても子ども間の人間関係にしても、ほとんど生きて行く力は養われていない。今日(2023,06,20.)も長良川で中学生が流されて、意識不明と言う。私たちの子どもの頃にはプールなどは無く、急流で泳いでいた。数人いれば互いに注意していて、流されていれば見逃すことは無かった。子どもたちの生き抜く力は、確実に落ちていると思われる。
奇遇と言えば直接会ったことは無いが、探検家で医師の関野吉晴さんである。私が助手をしていたころ横浜市立大学の先生から頼まれて、4年生の卒論を見ていた。ところが夏休みに関野さんと東南アジアに探検に出て、帰ってきたら流行性の病気で隔離されて3ケ月ほど出てこられなかった。とにかく必死で卒論を書いて、卒業させたことを覚えている。そのころ横浜市立大の探検部は、関野さんが部長をしていた。
これからの子どもたちが、ITなどだけではなく本当の生きる力を、どのように得て行くだろうかと心配になる。
藤井名人が七冠になった藤井壮
藤井名人が七冠になった藤井壮
将棋の名人戦で、長野県の高山村が一躍有名になった。50年ぐらい前に、隣の須坂市に住んでいた時期があって、懐かしく思い出した。高山村は、須坂市から志賀高原に抜ける裏道もあって、時々訪れたことがあった。志賀高原の奥から流れ出る渓流に沿った村で、確かに自然豊かである。藤井壮のすぐ脇も何回か通ったが、寄ったことは無かった。また古からいろいろな文人たちが、滞在したことも知らなかった。何しろ街並みのようなところは無い村であったから。
冬には山田牧場にスキー所ができ、子どもを連れて行った覚えがある。まだ小さくてもっぱらソリで遊んでいた。そこは藤井壮のすぐ上のあたりであった。山菜のネマガリダケも話題になっていたが、これはチシマザサの若芽である。よく採って食べていたが、主に志賀高原で採っていた。
その後すぐにベトナムに出かけてのタイトル戦。なかなか大変である。隣のカンボジアに住んでいたころに、何回かベトナムにも出かけた。首都ハノイは時々通るぐらいであったが、南のサイゴン(現ホーチミン)は、プノンペンから数時間で、定期バスもあるので何回か出かけた。今は、果物のマンゴーやロンガンが多い時期であろう。しかし藤井名人は、勝手に食べることも出来なくて、少し気の毒。ベトナムはエビも多く、茹でてくれるところも多い。
少し楽しむ時間もあればよいと勝手に思っている。
心の問題
心の問題
最近子どもの心の問題が気になっている。しかしながら、成長のどの段階でどの機能が成長するのか複雑で、なかなか取り組めない。
子どもの問題に関わっていると、成長のどこかで問題を抱えていることが多い。成長のどの段階であるか、またどの順番で問題が起きたのかが問題になる。しかしその程度や順番を知ることはほとんどできない。何故ならばほとんどの問題は、本人の意識の底にあり、意識の中には表れない。実際には子どもばかりでなく、多くの大人が同じような問題を抱えている。
スクールカウンセラーの皆さんの話を聞いていると、多くの子どもたちが生活に苦しんでいることが分かる。またその親御さんも同じ苦しみを持ってぃる。
最近NHKの教育の番組で、対人恐怖を持つ若者の問題が取り上げられていた。確かにコロナによって、対面が少なくはなったが、それが原因ではないように思われる。もっと心の問題を、成長に関連してゆっくりと観察し、原因の底の問題を解き明かさなければならない。自殺、ひきこもり、少子化全ての問題は同じ線上にある。いじめや殺人など無作為に起こるように見える問題も、同じ線上にある。
事例で学ぶ児童生徒支援
事例で学ぶ児童生徒支援 今年度の第3回目の、事例研究会
子どもたちの抱えている問題は、すぐに解決しませんが、少し視野を広げて支援の前進を試みてください。
開催は、6月11日 日曜日です。
今回は高校でスクールカウンセラーをしている臨床心理士の方の事例です。
2023年度 事例で学ぶ児童生徒支援
子どもたちの成長と楽しい学校生活のために日々のご尽力、ご苦労様です。
児童生徒支援の実際は多くの困難さを伴い、これでよいのだろうか、もっと他によい方法はないだろうか、自分は何ができるのだろうかなど、苦慮することばかりだと思います。児童生徒の問題行動を多面的なとらえ深く理解するためには、事例を通して学ぶことが大切だと思っています。2023年度は、下記のように計画しました。ご参加をお待ちしています。
記
1 参加者
・子どもの問題に関心のある方(守秘義務の守られる立場の方)
・生徒支援の力量を高めたいと思っている教師
・事例を抱えていて助言のほしい教師
2 開催日時(今年度の予定)
・第2日曜日 13時30分~15時30分 年8回
4/9(日) 5/14(日) 6/11(日) 9/10(日) 10/8 (日) 11/12(日) 1/14(日) 2/11(日)
*学期末の7月、12月、3月は休みます。
*夏休みの8月は、箱庭を作る会の予定です。詳細は後日お知らせします。
3 場所
・安城カウンセリングルーム
安城市御幸本町10-5 シャンボール安城1103号室
*JAあいち中央の西側マンションの11階です。駐車場はアンフォーレの駐車場(2時間無料)、又は、御幸本町市営駐車場を使ってください。徒歩1~2分です。
4 助言者
金森正臣先生 愛知教育大学名誉教授
5 会費
1回500円
6 会の進め方
・事例は口頭、またはレジメで発表し、児童生徒の絵、作文等があれば資料とします。
メールは、 <anjoco2006@ezweb.ne.jp>です。
(世話人:安城カウンセリングルーム主宰 杉浦ひろみ 080-5165-9824)
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