オニサヨリ?

オニサヨリ?     2009.5.17.  金森正臣

 海辺の町シアヌークビルの魚の市場で見かけた魚。名前は分からないが、口の形からすれば、サヨリの仲間?日本のサヨリよりは、上顎がやや長い。体長は1メートル近くある大物が山積み。プラスチックのバケツは、普通の20リットルぐらい。その手前にあるのは、やや小型であるがカツオ。他の店にもやはり山積みされていた。結構この時期には普通の魚の様だ。しかし、オニサヨリと言う魚は見当たらず、ホシザヨリ(Hemiramphus far Forsskål, 1775 全長60cmほどに達する。下あごが長く、和名のとおり体側に黒い斑点が数個点在する。インド洋・西太平洋・地中海東部まで分布し、日本では西日本の太平洋側に分布する。ウキペディア)に近いようにも思われる。

 売り手のおばさんは、ウナギをさばくように、背割で裂いて背骨を抜く。裂いたものが、バケツの右手に積み上げてあるのが見える。どの様にして食べるのだろうか。蒲焼の文化は無いから、塩焼きであろうか。それとも干してからか。カンボジアでは良く干してから、焼いて食べる。水分が少なくなり、味が締まる。 
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金色のナマズ                   

金色のナマズ                   2008.11.8. 金森正臣

 カンボジアのレストランには、よく水槽が作られている。あるレストランで食事中にトイレに立った。普段通らない階段下の水槽に、金色の変な魚がいる。よくよくのぞいてみると、なんとナマズの白化突然変異らしい。証拠には立派な口髭を持っているし、口の形もナマズ。カンボジア人は、金色が好きある。金色のナマズは、突然変異であると思われるのにもかかわらず数匹いたので、既に相当繁殖されていると思われる。

 日本でもニジマスの突然変異の白化個体が、60年ぐらい前に見つかり、繁殖もできるようになって相当普及している。でもあまり食用としては飼われていない。自家用の食用の群れの中に数匹入れて、楽しんでいる程度である。

 日本で以前に子どもたちと川で遊んでいた時、ナマズの稚魚がたくさんとれ、2-3の白化個体がいたことを覚えている。カンボジアでは日本よりナマズの種類も量も多いので、白化個体が出る確率も高いのであろう。
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メコンのナマズ 2 メコンオオナマズ?

カンボジアから   金森正臣(2005.12.18.)

メコンのナマズ 2 メコンオオナマズ?

写真:水揚げされたメコンオオナマズ?これでも子どもサイズ。大きなものも解体されて、全て食用にされている。このサイズでいくらかは不明。
 
 今までに、メコンオオナマズ(Pangasianodon gigas 英名 Mekong giant catfish)の写真は、2回手に入れた。いずれもコンポンチャムであったので、メコンの上流にしかいないのかと思っていた。一匹は、体長2メートルを超す大物で、重さは250kg程度のものだった。このナマズは、ワイヤーで釣り上げたと聞いている。仕掛けがどの様なものであったかは、明らかではない。
最近ではメコンの中国流域で(メコン川は、海から上流に向かって、ベトナム、カンボジア、ラオス、タイ中国になる)、大きな土木工事が行われ、爆破などをしたためにメコンオオナマズは著しく減ったと言う新聞記事を読んだ覚えがある。

 今回、12月14日の朝の散歩の折りに、メコンの川岸に揚がってくる魚を見物していたら、メコンオオナマズらしいのが混じっていた。種名がはっきりしないが、いずれ鹿児島大の本村浩之さんにでも、写真を見て同定して貰おう。彼は、金沢大学の塚脇先生のメコンとトンレサップの生物多様性を研究するグループで、魚を担当している若手の魚類分類学者である。オーストラリアの博物館にいた経験もある。写真のナマズは、まだ幼魚と思われるが、それでも目測で、体長130cm、重さ十数キロはあるだろう。メコンオオナマズとすれば、まだ子どもサイズである。生きており、時折動いていたから、この付近で捕れたものであろう。

 どの様にして捕獲したのかは明らかではない。この付近では流し針はあまりされていない様なので、巻き網、流し網、建網、投網などが使われているが、いずれにしても網で持ち上げるのはかなりの経験と工夫が要る。最も丈夫に出来ているのが投網であろうと思われるが、この大きさを単純に引き上げるとほとんど網が破れる。何枚かを重ねて巻き込み、動けなくして抱え上げる方法を取ったのであろうか。尾ひれの付け根に、太いロープが巻き付けてあるから、網で包みこんでからロープを巻いたのかも知れない。いずれにしても、捕獲の時の興奮が伝わってくる様な魚だった。

 東アフリカのタンザニアでのナマズ漁は、ほとんどが流し針或いは仕掛け針である。タンガニーカ湖では、独自の漁法が発達しており、ナマズ専用の漁法がある。木の小枝を束ねた浮きを作り、その下に長い道糸を付けた仕掛け針である。一般の川では流し針が主体で、見回りを頻繁にしないとワニやカワウソに盗られることもある。また増水期には、梁漁も一部で行われている。この方法は元々タンザニアには少なく、主にザイール(現コンゴ)難民が持ち込んだものと思われる。私が見た川では、仕掛け針の方法で、3種類ほどのナマズが捕獲されていた。いずれも60-70cmであるが、2-6kg程度の成体であった。

 カンボジアのプノンペン付近の場合には、先日のナマズの写真のサイズからもお分かりの様に、網漁が主体のために、かなり小型のものまで捕獲される。これで資源の枯渇を招かないか、やや心配である。特にナイロン製の網になってからまだ日が浅く、その影響は十分に検証されていないであろう。漁網がナイロン製になって、資源が枯渇し始めている地域は多い。
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