健康増進

カンボジアから   金森正臣(2005.12.5.)

健康増進

写真:朝公園で見かけた散歩をする、立派な体格に仕上がった仲の良さそうなご夫婦。肥満でも不満は無さそう。

 途上国は多かれ少なかれ、発展するに従って食料が満たされるようになる。収入も多くなると、まず十分に食べることから始まる。特にカンボジアでは、食糧の不足時代があり、それが徐々に充足されるようになってきている。但しカンボジアでは飢え死には非常に少なく、不味いものさえ我慢すれば、死ぬことは少ないようである。アフリカ諸国でも国の収入が増えると公務員に肥満が多くなる。特にポリスにその傾向があり、路上に立っているから目立つ。
 カンボジアでは公務員の給料が、十分ではないから、役所に行って肥満が目立つわけではない。国家の税収がほとんど無いから、援助関係頼りになる。私の勤めている国立教育研究所(NIE:National Institute of Educationの略、日本の昔の高等師範学校に相当する組織)においても、実際に給料の4分の1程度(25-35ドル)ぐらいしか貰えない。生活するには1家を持っていたら200ドルは必要だと言われている。足りない分は、アルバイトをするしかない。
 プノンペンでも経済状態が良くなるに従って、肥満が徐々に増えつつあるようだ。正確な統計は知らないが、町で見る限り肥満が増えている。大人も子どもも同じである。日本の戦後の復興時には、食糧の不足が長く、タンパク質や脂肪は、十年以上しても十分ではなかった。食料統制の配給が長いこと続いた。ところがカンボジアでは食材料としては十分に出回っている。お金がないと買えないだけである。勢い金持ちは肥満になる傾向がある。1999年に来た頃は、それほど目立たなかったが、ここ3年ぐらいは肥満が年々増加しているように観察される。お腹が出ている方が男は持てるとも聞く。金持ちと関係があるのだろうか。
 肥満が目立つようになるに従って、朝の散歩をする市民が増えている。さすがに健康も気になるようである。公園では100人を超える集団で踊りまくる。川沿いの公園だけで5つを超えるグループがある。だいたい誰かがラジカセなどを持ってきて、通りかかる人が勝手に参加する緩い集団である。その他にも、太極拳や演武の集団がある。
 リハビリしているヒトも数人居て、脳梗塞なども増えているだろうと思われる。おじいさんに若い男性が付いていたりして、若者が老人を大切にしているのが伺える。一般の散歩の人も、おじいさんからヨチヨチ歩きの孫まで、一家で出向いていると思われる光景も多く、家族が崩れていないことも伺える。
 外国人も結構目立ち、汗ビッショリになって走っている白人も何人もいる。単語帳を片手に歩いている外国人は、クメール語(カンボジアの標準語)を勉強しているのだろうか。私も体力の維持と健康の調整のために毎朝1時間ぐらいは歩いている。町の様子も分かり、帰りにマーケットによって、買い物をしたりする。ついでに朝食をすることもある。
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