体重測定屋

カンボジアから   金森正臣(2005.12.6.)

体重測定屋

写真:公園に朝出現する体重測定屋。多くの人が足を止めて体重を量っている。一般の家庭には、ヘルスメータは普及していない。健康が気になりだして、体重が気になるのであろう。

 健康を気にする人が増えているのだろう。街角には体重測定屋がいる。以前には路上生活者のような子どもが、ヘルスメータ一つを持ち歩き、通りかかりの人に声をかけていた。体重計を差し出して、その上にお客さんが乗り、自分で体重を量る。1回100リエルくらいであろうか(1ドルは4000リエル)。値段は定かではない。
 最近は、身長と体重を両方量る測定屋さんが、朝の公園に登場している。少なくとも私の散歩コースに2カ所いる。体重計も持ち歩けるようなものではなく、200kgまで量れる大型のものもある。これで商売になるのかどうかは定かではないが、朝の一時だけで昼間はいないから、朝の散歩する人を目当てにしているであろう。
 カンボジア人は、日本人のように体重が人に知られることをあまり気にしない。私のいる研究室にも、体重計が置いてある。良く教官達が来て自分で体重を量っている。若い女性もいるが、あっけらかんと60kgなどと報告している。学生も同様で、教官に指導を受けに来た学生が、勝手に体重を量って笑い合っている。何ともおおらかで、本来はこれで良いのだと思う。日本の女性の様に人に知られないようにするのは、異常であろう。知られたから健康状態が悪くなるのでもないし、増えるわけでも減るわけでもない。人に知られて笑われると思うのが、自分を自分が認められない精神状態を現しているのでは無かろうか。もしそうだとすれば、たかが体重の問題であるが、自分を自分が認めることが出来ないでいる状態で、極めて不安定な状態である。
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