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柿上猿麻呂の「花、菜園、旅」の週刊フォトニュース

自宅や菜園で栽培している花や、植物園などで撮影した花の写真を週単位で紹介

892号 昭和生まれの老翁の面白話。第33話 「手のリウンコ」。今週の一花 ムラサキツユクサ。

2024年06月07日 08時50分18秒 | お知らせ

昭和生まれの老翁の面白話。第33話 「手のリウンコ」

以前、所沢市に住んでいた時に同じ市内に大手出版社の雑誌の編集長T氏と知り合いになりました。園芸と陶芸が趣味で、園芸関係の写真撮影の仕事をもらいました。彼は運転免許を持っていなかったので、園芸培養土、肥料などの買い物の手伝いをしました。陶芸では土、釉薬、焼成温度などのデーターをきめ細かくとっていました。鉄釉が得意でした。焼き上がると電話が来て、まだ冷めるときのピンピンと言う音がする窯出し直後の作品を一番先に買うことができました。

小生も手練りを教わりました。小生が湯飲みや猪口にランや幾何学模様の絵付けをしたところT氏は僕が器をつくるので、君は絵付けをしてくれないか?一緒に仕事をしようと誘われましたが、彼の子分にされそうなのと植物撮影での仕事が順調に伸び始めていたので断りました。

いつもつも昼には小僧すしの助六を御馳走してくれました。彼は手のリインコを飼っていました。助六を食べているとかならず食卓にインコが飛んできて、食べている目の前でブチとフンをします。あまりいい気はしません。それで小生はそのインコを「手のリウンコ」と呼ぶようにしました。彼はその後直腸癌に罹り亡くなってしまいました。生きていればそれなりの陶芸家になっていたと思われます。残念に思いました。

今週の一花 ムラサキツユクサ ‘ブルー アンド ゴールド’

 ムラサキツユクサ ‘ブルー アンド ゴールド’。黄金葉の品種。


891号 昭和生まれの老翁の面白話。第32話 「多すぎる犬、猫」。今週の一花  ペチュニア ‘ピスタチオクリームレイ’ 

2024年05月30日 10時34分17秒 | お知らせ

昭和生まれの老翁の面白話。第32話 「多すぎ宇犬、猫.」

A雄とB子は浦和市のおんぼろ一軒家を借り、共同で雑誌、単行本などの原稿書きや編集業務代行をしていました.B子は頭がよく、容姿端麗で夫がいましたがA雄はB子に惚れていて、頭が上がらず、B子の尻にひかれ何事もB子主導でした。B子が言うには「A雄は私の呪縛から逃れられないのよ」と言いました。A雄とB子は犬、猫が好きで、仕事場で猫23匹、犬1匹を飼っていました。いずれも、散歩道で拾った捨て猫や犬で目や手足などに障害があるものが多かったです。散歩をすると捨て猫や犬、巣から落ちた小鳥などが目につくそうで、かわいそうと言って見境なく、拾ってくるそうです。ところがA雄はひどい犬、猫アレルギーでいつも鼻をずるずるし、目をショボショボしていました。

これらの犬、猫が仕事場の狭い所に飼われていました。仕事をしているとこの犬や猫が遊んでくれとちょっかいを出してきて膝に乗ったり、パソコンのキーを踏んだりして、仕事にならないのです。そこで仕方がなく、大きな犬用のサークルを買ってきて、その中に座卓を置きそこで仕事しました。犬、猫はサークルの外にいて、中に人がいるという、逆転現象が起きた状態で仕事していました。「こんなに犬、猫を拾っては餌代や病院の治療代が大変だろう」と聞いたところ「1匹拾うと不思議に餌代や治療費分に似あった仕事が増えるの」と言っていました。遊びに来るように呼ばれてもあまり行きたくない職場でした。

今週の一花  ペチュニア ‘ピスタチオクリームレイ’

 ペチュニア ‘ピスタチオクリームレイ’ 緑花のペチュニア。


890号 昭和生まれの老翁の面白話。第31話 「自信過剰の女」。今週の一花  ロベリア ‘カリブアイス’

2024年05月23日 12時01分45秒 | お知らせ

昭和生まれの老翁の面白話。第31話 「自信過剰の女」

B子は背が高く男気を引く風貌でなかなかの美人でした。「私は東大なんか簡単に入れるので大学なんか馬鹿らしくていかなかったの」と言う、大変な自信家でした。このセリフは東大に受かってから「授業が面白くないのでやめたと言え」と言いたくなります。確かに、彼女の書く文章は機知に富んだ頭の良さを感じさせるものでした。

初対面の時、小生が電話番号を教えると「はい」と言っただけで手帳に電話番号を書きません。小生が「電話番号をメモしないの?」と聞くと「覚えたからもういいの」と言うのでした。

「忘れないの」と聞くと「忘れない」と言います。「どうしてかな?」と聞くと「文字や数字、音に色がついているの、文字と色の組み合わせで覚えているから」と言いました。確かに土曜日の土は「青」、日曜日の「日」や祝日の「祝」は赤と言うことはわかるとしても文字、数字、音に色の付いた状態で見える感覚はにわかには信じられませんでした。このような感覚を共感覚(→検索)というそうです。そのような人は人口の数パーセントいるそうです。低気圧、高気圧にも敏感で、明日は低気圧で雨、気分が悪いなどと言います。

こうすれば男はこうすると読み切って男心を弄ぶようなところありました。彼女と話している時突然「あなた、今、私と寝たいと思ったでしょう」と言われたことがあります。なんとなくそのように思っていたので、図星で言われ赤面したことがあります。小憎らしい女でした。その後、彼女は体調を崩して千葉の実家に帰り、音信不通になってしまいました。頭も大事だが健康も大事です。

今週の一花

 ロベリア ‘カリブアイス’ 


889号 昭和生まれの老翁の面白話。第30話 「友人の祖母」。今週の一花  デロスペルマ

2024年05月16日 13時50分53秒 | お知らせ

昭和生まれの老翁の面白話。第30話「友人の祖母」

友人の家系は代々名主(関西では庄屋、北陸、東北では肝煎)の家系でした。祖母は一人娘でした。何事も使用人や小作人がやり「蝶よ花よ」と何不自由なく育てられ、やや我がまま所がありました。

長じて婿を迎えましたが両親も亡くなり、自分が世帯を受け継ぎ家事をやらなければならなくなりました。毎日、朝夕、仏壇のご先祖様にお参りして、ご飯やお茶をささげなければならなくなりました。それを大変面倒がりました。「こんなものがあるから毎日、面倒な事をしなければならない」と言って、仏壇のご先祖様の位牌を大雨の降った日に近くの川に捨ててしまいました。これですっきりしたと思っていたところ、数日後、近所の人が「お宅の大事なものが川岸にありました」と届けてくれたそうです。祖母はガッカリしたそうです。また、町医者に行った時子猫がいたので「かわいいね」と言ったところ、その子猫を飼ってと押し付けられたそうです。祖母はこんなもの面倒だと言って帰りに川に捨てたそうです。無慈悲です。しかし、「海の幸」で有名な洋画家青木繁が放浪の旅で、栃木県に来た時面倒を看てお礼に肖像画を描いてもらったそうです。あわれな放浪画家の面倒見る慈悲の面もあったようです。肖像画の価値はいくらくらいになるのか?ゲスの心配です。

今週の一花 デロスペルマ ‘ルビー’

 デロスペルマ ‘ルビー’ 多肉植物。

 


888号 昭和生まれの老翁の面白話。第29話 「義妹」。今週の一花  ネメシア

2024年05月09日 08時58分30秒 | お知らせ

昭和生まれの老翁の面白話。第29話「祖母」

祖母 祖母は大津市膳所(ぜぜ)地区では膳所小町と呼ばれるほど品の良い美人でした。祖父は細身で背が高く、病院の薬剤師をしていました。八字ひげを蓄え、病院の職員の記念写真では後ろの一段高い所に立つ人より顔が高くあり、美男でした。残念ながら小生は矮躯で美男美女のDNAはカケラもつながっていないのが残念です。

祖父は大正時代でしたが日本赤十字社滋賀支部病院の薬剤師と共に大津市丸の内町で薬局を経営していました。以後、公務と薬局の併営はいけないとのことで病院を止めました。薬局の経営は美人の叔母の人気ではやりましたが暗転、祖父が肺結核にかかってしまいました。店主が肺病にかかるような店では薬は買わないと客足が遠のきました。その後祖父は肺結核で死亡。貧困家庭に転落。子供、3男2女の内、次女と三男が相次いで肺結核で失いました。祖父の死後。祖母は薬局の免許がないので薬店を開業しました。未亡人で美貌、社交的な祖母には沢山の男友達ができ、好意の援助を受けたそうです。思想家の杉浦重剛(すぎうらじゅうごう)(思想家、明治、大正時代の国粋主義教育者。昭和天皇、秩父宮親王、高松宮親王に帝王学を進講する。小生は写真を持っている)。京都北野にあった精神病院の院長、大金持ちの中小企業の社長などです。祖母は事のほか小生を愛してくれ、祖母が遊びに行く時はどこに行くにも連れて行ってくれました。特に国鉄塚本駅近くにあった記憶する大衆劇場にドサ周りの劇団が来ると見に行きました。演劇のほか綱渡りのようなサーカスまがいのこともやっていました。祖母は我が母とはうまくいきませんでしたが事のほか小生を可愛がってくれました

今週の一花 ネメシア

 ネメシア ‘チョコバナナ’


887号 昭和生まれの老翁の面白話。第28話 「義妹」。今週の一花  ヤマシャクヤク。 

2024年04月25日 12時01分38秒 | お知らせ

昭和生まれの老翁の面白話。第28話「従妹」

先述の叔父、叔母の一人娘で小生の従妹で7歳下です。小生は小学校から高校卒業まで春休み、夏休み、正月休みには叔父、叔母の所で過ごし、本当の兄妹のようにしていました。彼女が中学の時「夏休みの英語の宿題をやって」というので全部標準語でなく大阪弁で訳してやりました。彼女は「これ、なんや?もう頼まんわ」と怒っていました。長じると共にだんだん口喧嘩相手になってきました。この喧嘩が楽しいのです。ツッコミとボケで何時間でも言い合いをします。従妹は口が悪いのは天下一品でどうしてこんなセリフを考え付くのか感心します。上沼恵美子もビックリです。小生のことを「天敵」と言います。電話をかけると「ああ、洋ちゃん。どこから電話してるの、地獄からか?まだ生きているの?元気か? コロナウイルスも洋ちゃんを嫌って近寄らんわな」。小生が「今度、大阪に行くので泊めてくれないかな?」というと彼女は「いやや、淀川の土手に青いシートで囲われた小屋に住んでいる人の所で泊めてもらい」と言います。冗談としてもムカっとします。身体の調子はどうだ」と聞くと彼女は「歳をとって足腰が痛くてよう歩けへんのや。それでもな、美貌は昔のまんまや」と言います。ハガキに「花の命は長すぎて苦しき事のみ大かりき」とあった。最後には「洋ちゃん、もう仕事を止めてゆっくりしいや」と優しい事も言ってくれます。

 

今週の一花 ヤマシャクヤク

 ヤマシャクヤク。

ブログ連休中は休みます。あしからず。

 


886号 臨時ニュース「成瀬は天下を取りに行く」滋賀県立膳所高等学校」 今週の一花 バイモ

2024年04月18日 18時21分19秒 | お知らせ

臨時ニュース

今年の「2024年本屋大賞」が新潮社刊、宮島未奈著「成瀬が天下を取りに行く」に決まりました。「本屋大賞」は全国書店員が一番売りたい本として選ばれた作品です。題名を見ると戦国時代の国盗り物語のようですがそれとはまったく異なり、滋賀県大津市の膳所(ぜぜ)地区という狭い地区に住む天才女性の物語です。成瀬あかりの中学から高校の奇想天外、破天荒なことをする物語で読み進むうち彼女のファンになります。続編の大学受験から大学生活の「成瀬は信じた道を行く」も面白いです。

さて、この本を読んでびっくり、この本の主人公、成瀬あかりが通った高校、滋賀県立膳所高校は小生が卒業した高校ではありませんか。膳所高校は滋賀県大津市にあり、田舎の高校ではありますが全国全日制高校が4,700余りの中では偏差値が普通科で72、理数で76の全国ランキングで6~11位(データ管理会社により異なる)の難関進学校です。私立ではなく、田舎の公立校でこのランキングに驚き、不思議がる人もいます。SSH(スーパーサイエンスハイスクール)指定校でもあります。

今週の一花 バイモ「アミガサユリ」

 バイモ「アミガサユリ」

 

 ガサユリ」


885号 昭和生まれの老翁の面白話。第27話 「叔母」。今週の一花  スノーフレイク「スズランスイセン」

2024年04月11日 13時53分52秒 | お知らせ

昭和生まれの老翁の面白話。第27話 「叔母」

叔母は敗戦後、あばら家が立ち並ぶ、まだ混とんとした大阪駅の裏育ちで芯からの浪速女でした。風貌が往年の大女優山田五十鈴に似ていて、少々のことでは動じない、近所の厄介なもめごとでも、頼まれもしないのに乗り込んでいき、采配は全てやり解決しました。経営する会社も全てを切り盛りして、泥は自分が全てかぶりました。気っぷがよく、女次郎長のようで、彼女に歯向かうものは一人としていませんでした。従業員などは叔母の一喝に震え上がっていました。しかし、叔母は事のほか小生を可愛がってくれました。年下の一人娘の従妹は「お母ちゃんは本当の娘の私より洋ちゃんばっかりかわいがって、私ばかりを怒る、私は淀川で拾われた捨て子だったに違いない」とひがんでいました。

今週の1花 スノーフレイク「スズランスイセン、オオマツユキソウ」

 スノーフレイク「スズランスイセン、オオマツユキソウ」

 

 


884号 昭和生まれの老翁の面白話。第26話 「叔父」。今週の一花 ムスカリ 

2024年04月04日 17時21分23秒 | お知らせ

 

昭和生まれの老翁の面白話。第26話「叔父」

叔父(父の弟)と叔母は夫婦で小さな電気部品を作る町工場を経営していました。経営は妻任せで順調でした。叔父は中々の男前で、人が好いだけでいつもニコニコして、敵をつくることはありませんでした。世の中がどう変わろうと知ったことではない。大邸宅に住みたいと思わない。高級車に乗りたいとも思わない。必要なものは妻がさっさと用意をしてくれて何の欲もないから苦労も憂いもなく、毎日が充実?した日でした。「仏の様な人」と言われていました。競争会社の社長もわしの会社がつぶれても叔父の会社がつぶしてはいけないと言われるほど好々爺でした。従業員からも「大将、大将」と呼ばれ、親しまれ、人気がありました。しかし、叔父は「お化けなどの怖いものが大嫌いで、死ぬのが一番いやだ」と言っていました。仕事は朝起きると、家の中の四方八方にいると信じている神様に「ありがとうございます」と言いながらパンパンと手をたたき、三拝九拝することだけでした。会社では10分に1回指を突っ込む血圧計で血圧を測ること以外仕事はなく、従業員からは「ヒマな社長だな」と言われていました。夜は来客があろうとなかろうと、妻の作る手料理と1合の酒を飲むとさっさと寝室に行き、コテチンと寝るだけです。他所に飲みに行くとかバー、キャバレーなどで女の子にちょっかいを出すなど夜遊びは妻が恐ろしくて端から考えませんでした。妻のやることに口を出さない。女に手を出さない。博打に手を出さない。いつもニコニコ。これが家内安全の秘訣です。

今週の一花 ムスカリ

 ムスカリ アルメニアカム ‘タッチ オブ スノー’ 

 


883号 昭和生まれの老翁の面白話。第25話 「脱税王」。今週の一花 シレネ ‘桃の妖精’。

2024年03月28日 16時44分19秒 | お知らせ

昭和生まれの老翁の面白話。第25話 「脱税王」

叔母の弟は小さな町工場を一人でやっていました。仕事は電気製品の部品の試作品の制作をしておりました。ロットは少ないのですが、単価が高く、かなり儲けていました。私が見て驚いたのは彼が他人名義の預金通帳を十数冊持っていたことです。積むと78cmくらいありました。今は他人名義の通帳を持つことはほとんど無理ですが、その頃はいたって簡単に他人名義の通帳をつくることが出来た時代でした。それで、儲けた金を他人名義に分散して、かなりの財産を持っていましたが納税を逃れていました。それを知る人からは「脱税王」と言われていました。ところが叔母の弟のその息子は関西の有名私立大学を出て、大阪国税局に勤めました。父親を知る人たちは息子に「他人の脱税を取り締まるのではなく、お前の親父を捕まえろ」と言っていました。親父は息子に「脱税のやり方を教えろ、教えろ」と迫ったのですが、さすが、国税局の職員、親父に脱税の仕方は決して教えませんでした。

今週の一花 シレネ ‘桃の妖精’

 シレネ ‘桃の妖精’