昭和生まれの老翁の面白話。第75話「京都のババア」学生時代、毎日のように京都に出かけました。今は外国観光客でごった返している大覚寺、竜安寺、落柿舎、嵐山、金閣寺、銀閣寺、哲学の道、深泥池などはまだ山野や田園が残りのどかでした。学生でしたからあまり高価なものは買えませんでしたがあちらこちらの土産店を冷やかしていました。ある店でババアの店守が「どこからおのぼりやした?」と聞きました。小生は少々、ム、としました。「おのぼりやした」とは「どこの田舎から来たの」との意味です。小生は「東京から」と答えました。ババアは何も言いませんでした。違う店で京焼きを買ったときに、小生が店のババアに「少しまけて」と言ったところ、ババアは「京都で買い物をするときに値切ることをしてはいけまへん」と怒られました。小生は大阪の下町で叔父、叔母に育てられたようなもので、大阪では買い物で「まけて」と値切るのは一種の決まり事のようなものです。京都人はやや上から目線でものを言うところがあります。「京の着倒れ、大阪の食い倒れ」と京都人と大阪人では隣通しの土地でも気性はかなり違います。
今種の一花 ヤマシャクヤク
ヤマシャクヤク
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