第16話 高校の後輩の女医の話。以前は癌、イコール、死という時代があった。知人で昨年まで笑って会話をしていた元気な人が次の年にはスキルス性癌で亡くなったこともあるが、今は、治療法や治療薬の進化で、癌と宣告されても5年、10年と通常生活を送っている人も数多く知っています。
弟が癌にかかってしまいました。大阪の大病院で治療を受けることになりました。担当医は若い女医だったそうです。弟が言うのには「女医は兄貴と同じ高校卒だ」と言うことでした。女医に「癌だから死にますよね」と聞いたところ女医は「人はいずれ死にます。帰りにこの病院の前の交差点で交通事故に会って死ぬこともあるから」と言ったそうです。なんの励ましや、いたわりにもならない台詞です。普通なら「最近は治療法や治療薬が良くなっているので、私も頑張って治療しますので、あなたも頑張ってね」と嘘でも言うのが医者の患者へのいたわりというもだと思うだが。私が卒業した高校生は。精神的なケアまでは心が行き届かない人の情には疎いように思われます。
小生が細菌性骨髄炎で入院した時。病院の医師、看護師などのスタッフへの教育は行き届いており、居心地の良い病院でした。食事以外は。若い男子医者は「僕は治療に頑張るから大丈夫だ、あなたも頑張ってリハビリして下さい」と励ましてくれ、随分と気は楽になったことがあります。医療は手術や投薬だけではなく、患者に寄り添った心のケアも大事だと思います。
弟は癌が全身7か所に移転して治療の甲斐もなく亡くなりました。ガンが脳に移転したので何故か痛みが感じられなかったのが救われたと弟の妻は言っていました。
今週の一花 ロウバイ ‘満月’。
ロウバイ ‘満月’。