柿上猿麻呂の「花、菜園、旅」の週刊フォトニュース

自宅や菜園で栽培している花や、植物園などで撮影した花の写真を週単位で紹介

862号 昭和生まれの老翁の面白話。第5話 「鍵かけが心配」 今週の一花 サラシナショウマ

2023年10月26日 13時57分06秒 | お知らせ

昭和生まれの老翁の面白話 第5話 「鍵かけたかな?」

山田(仮名)さんは京王線初台駅(新宿より一つ目に駅)近くの古い、アパートの一室を借り、小さな出版社を経営していました。いつも、夜、遅くまで仕事して、鍵を掛けて帰るのですが、経費節減のため京王線を利用せず、会社から新宿駅まで徒歩で帰ります。会社から山手線新宿駅まで徒歩約20分。新宿駅までの途中まで来ると会社の、鍵をちゃんと掛けたかな?と心配になり、会社に戻り、古いアパートのドアーをガタガタとゆすり、施錠を確認し帰ります。ところが途中で来るとまた、本当に、掛けたかなと心配になり、戻ってドアーをまた、ガタガタとゆすって確認します。いつも23度はそのようにしないと気が休まらなかったそうです。会社には盗られて困るような金目などは全くないのですが、その頃は、原稿を原稿用紙に書く時代でした。もし、筆者から預かっている原稿を盗られたらおおごとなので、掛けを鍵掛けを気にしていたそうです。そのようなことを毎日、毎日続けていたところ、ある日、いつものようにドアーをガタガタと揺すって鍵かけを確認していると、ドアーが突然壊れて、いきなり自分の方に倒れ掛かってきて暁天したということです。

今は何でもパソコンやメールで済ませる時代です。最近、ある出版社に入社した若い編集部員が年取った筆者から「原稿用紙をくれ」と言われて「原稿用紙ってなんですか?」と上司に聞いたそうです。以前は大手出版社では著名な作家などにはその作家専用の原稿用紙が用意されていましたが、今は普通の原稿用紙でさえもありません。鉛筆をペロペロなめ、頭を抱えながら原稿用紙に文章を書く時代はとっくの昔に終わりました。今は原稿を失っても筆者側のパソコンに残っているので安心です。出版社でもパソコンやメールができない人には仕事を出しません。パソコンやメールに対応できなくて仕事を失ったり、あきらめた人を多く知っています。

今週の一花 サラシナショウマ

 サラシナショウマ。花がビン洗いブラシのような形が特徴。薬用植物。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

861号 昭和生まれの老翁の面白話。第4話 「泥棒と間違われる」 今週の一花 秋咲き大輪白花モジズリ 

2023年10月19日 13時28分43秒 | お知らせ

昭和生まれの老翁の面白話 第4話 

知人の佐藤(仮名)さんは山手線目白駅近くの雑居ビルで小さな出版社を経営していました。社員はいなく、忙しいときは奥さんが原稿整理などを手伝っていました。返本などで部屋が手狭になったので、少し広い引っ越しすることにしました。池袋の豊島区役所あたりがまだ、雑居ビルや古いアパート、一杯飲み屋でごちゃごちゃしていたころの話です。新しく引越する所も池袋駅近くの古い雑居ビルの一室です。夜遅くまで仕事するので会社で寝泊まりをすることが多かったです。その夜具を新しく入る場所に運ぶことにしました。緑のカラクサ文様の大風呂敷に夜具を包んで、背中に背負っていくことにしました。奥さんが「タクシーを利用しなさい」と言うのを「なーに、すぐそこだから」と経費節減もあり、歩いていくことにしました。そしてちょうど池袋、西武百貨店前の広い交差点を渡っていたところ、急に荷物が重くなりました。何事かと思って振り返ると警察官が荷物にしがみついていました。泥棒と間違えられたようです。

今週の一花 秋咲き大輪白花モジズリ

 秋咲き大輪白花モジズリ。

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

860号 昭和生まれの老翁の面白話。第3話「ホームレス間違われる」。今週の一花「チカラシバ」。 

2023年10月12日 16時49分36秒 | お知らせ

昭和生まれの老翁の面白話 

第3話 「ホームレスに間違われる」

知人の山田(仮名)さん京王線の初台駅近くの古アパートの一室を借り、小さな出版社を経営していました。仕事にかまけて身なりに全く気にかけていませんでした。

京王プラザホテルが建ち、新宿西口の中央公園が整備され始めたころで、中央公園に多くのホームレスがいました。ホームレスの支援団体が、ホームレスに弁当を配っていました。

山田さんは所要があって会社から山手線新宿駅に向かう途中、中央公園付近を歩いていたところ「はい、コレ」と言って、弁当を渡されました。ホームレスと間違われたと思いオレはホームレスではないと言おうと思って、「あの~」と言ったところ、支援者は「味噌汁はアッチ」と指差ししたそうです。「俺はホームレスではない」と言ったところ、支援者「失礼しました、刑事さんですか?うまく変装しておられますね」と言われました。なんとも、自分の姿がホームレスに間違われたかと釈然としない、また、じくじたる思いをして、弁当を持って所要先に赴いたそうです。

今週の一花

「チカラシバ」

 チカラシバ。引き抜くのに力がいるのが名前の由来です。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

859号 昭和生まれの老翁の面白話。第2話「すなおな娘」。今週の一花「ヒダカミセバヤ」

2023年10月05日 14時55分11秒 | お知らせ

昭和生まれの老翁の面白話 

第2話 「素直な娘」

舞ちゃん(仮名)は友人の子供で、夏の河原で一糸まとわぬ真っ裸で羞恥心もなくはしゃいでいた、幼いころから知っている女の子です。

彼女は長じて背丈が170センチを超え、スラリとした体躯で、顔は中近東の東洋人と西洋人の血が混じったような目が大きく日本女性とは異なった雰囲気で、女優やコマーシャルのモデルになってもおかしくない眩しいような美人になりました。

その彼女が美術大に進学し、西武池袋線で通学していた時の話です。

ある朝、通勤、通学で混んだ電車に乗っていた時に、電車が急ブレーキをかけました。その時、吊皮を掴んでいた彼女はくるっと回転して前に座っていた男性の膝の上に座ってしまいました。彼女はびっくりし、立ち上がろうとしたのですが混んだ電車内、すぐには無理でした。男性が「このまま座っていてもいいよ」と冗談交じりで言ったそうです。彼女は素直に「はい」と言って、その男性の膝に座ったまま終点の池袋まで行ったそうです。男性の膝に座ったままの大きな女性。おかしな風景です。座られた男性の気持ちはどのようであったでしょう。嬉しいような、困惑したような。真央ちゃんはいまも素直な子です。彼女には全く男っけがなく、いまだに独身です。もったいない?話です。

今週の一花 ヒダカミセバヤ

 ヒダカミセバヤ ベンケイソウ科 自生地では絶滅危惧Ⅱ類。古くから観賞用に栽培されている。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする