昭和生まれの老翁の面白話。第30話「友人の祖母」
友人の家系は代々名主(関西では庄屋、北陸、東北では肝煎)の家系でした。祖母は一人娘でした。何事も使用人や小作人がやり「蝶よ花よ」と何不自由なく育てられ、やや我がまま所がありました。
長じて婿を迎えましたが両親も亡くなり、自分が世帯を受け継ぎ家事をやらなければならなくなりました。毎日、朝夕、仏壇のご先祖様にお参りして、ご飯やお茶をささげなければならなくなりました。それを大変面倒がりました。「こんなものがあるから毎日、面倒な事をしなければならない」と言って、仏壇のご先祖様の位牌を大雨の降った日に近くの川に捨ててしまいました。これですっきりしたと思っていたところ、数日後、近所の人が「お宅の大事なものが川岸にありました」と届けてくれたそうです。祖母はガッカリしたそうです。また、町医者に行った時子猫がいたので「かわいいね」と言ったところ、その子猫を飼ってと押し付けられたそうです。祖母はこんなもの面倒だと言って帰りに川に捨てたそうです。無慈悲です。しかし、「海の幸」で有名な洋画家青木繁が放浪の旅で、栃木県に来た時面倒を看てお礼に肖像画を描いてもらったそうです。あわれな放浪画家の面倒見る慈悲の面もあったようです。肖像画の価値はいくらくらいになるのか?ゲスの心配です。
今週の一花 デロスペルマ ‘ルビー’
デロスペルマ ‘ルビー’ 多肉植物。
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