東郷町議会議員 かどはら武志(日本共産党)

連絡先090-1835-5649
kadohara@joy.ocn.ne.jp
白鳥4丁目押草団地

せっかく窓口に来た人を怒らせてどうする?

2010年01月05日 | 東郷町政

 今日、ある町民(Aさん)の生活相談に応じる中で、その家族に健康保険証がないことが明らかになりました。その家族は、みな失業中(少し前から期間限定のアルバイトでかろうじて現金収入あり)のため、国保の加入者です。

 Aさんの話では、去年、国保の保険証を受け取るために役場の窓口に行ったとき、職員から国保税の滞納額を示され「いくらだったら払えるか?」と聞かれたので、払えそうな額を言ったら、職員から「それじゃ保険証は渡せない」と言われたとのこと。

 さらに、いつの間にか、国民年金の保険料の滞納という、国保とは関係ない話に持っていかれたので、Aさんは怒って保険証を受け取らずに帰ったそうです。帰った後、家族に持病がある人もいるので、また役場に行こうかとも考えたそうですが、二度と嫌な思いをしたくないという考えの方が大きかったようで、それから家族に保険証が無い状態が続いているそうです。

 これまで東郷町の国民健康保険では、滞納者には機械的に資格証明書(医療機関にかかったとき、医療機関の窓口で10割払わなければならない)を発行せずに、短期保険証で対応している、という説明が議会などでされてきました。役場の窓口に保険証を取りに来たり、納税相談に来た人には、分納や減免について説明し、分納の約束をした人には必ず保険証(短期ですが)を渡している、という説明です。

 せっかく役場に来た町民に、保険証を渡さなかったという対応は納得できないし、改善させなければなりません。保険証が無い状態は命に関わるからです。また、国保税を集めるという立場から考えても、住民に「二度と役場なんか行くものか」と思わせるのは得策ではないはずです。

 私はなんとか保険証を発行させたいと思い、あまり気が乗らない風のAさんと一緒に、役場で担当者に改善を求めました。

 その結果、去年からAさんの収入がほとんどなく分納も困難という状況が役場側に伝わり、短期保険証が発行され、今後については短期保険証の更新時に改めて相談することが決まりました。また、Aさんが社会保険に加入していた期間も国保税の滞納が加算されていたことも明らかになり、その分、余分に滞納額の請求がされていたこともわかりました。

 この結果を得るまでにもかなりの時間を要しました。

「職務上、言いにくいことも言わなければならない」と言いますが

 担当職員は「滞納者の収入の状況などを聞かないと、減免の対象者かどうかもわからない。分納計画も立てられない。だから職務上、言いにくいことも言わなければならない」と説明しました。

 しかしAさんは、「払えるわけもないような額を示され、それを払わないと保険証を渡せないと言われたし、減免の話も出なかった。その上、国民年金の保険料の滞納という関係ない話まで出されたから、怒った」と言います。

 私はその場にいたわけではないので、職員がどの程度の説明をしたかとか、Aさんがもっと耐えるべきだったのかとかはわかりませんが、保険証を持たない生活を余儀なくされた町民が生まれたのは事実です。最悪、Aさんが職を得て納税能力を回復したとしても「誰が払ってやるものか」と思って国保税の滞納が解消されないままになってしまう可能性もありました。

(差し押さえは最悪ですよ。手間がかかる。最後の手段です。最後の手段を使わなくて済むように、実行可能な分納計画を立てるのです。)

 住民を怒らせて帰らせた時点で役場の負けだと私は思います。9月議会の一般質問では、町民税の納税相談に来た人を怒らせてしまったという問題を取り上げましたが、国保の窓口でも同様に、せっかく来た人を怒らせる対応があったことがわかり、残念です。役場には、窓口対応の重要性を再認識してもらいたい。

 もちろん言うまでもないことですが、個々の職員の資質の問題ではないことは、町税の担当部署と国保の担当部署という複数の部署で同様なことが問題になったことから明らかです。議会でも税の収納率の向上を求める議員が増えてきましたが、こうしたことも「収納第一主義」ともいうべき風潮を広げる一因になっていると思われます。(滞納者に対して行政サービスを制限することを提案した議員までいますが、これに至っては、何をかいわんや、です。当然、当局はこうしたことの実施を否定しました。(平成20年第4回定例会(第2号)の400番目の発言http://asp.db-search.com/togo-t/dsweb.cgi/documentframe!1!guest03!!5089!0!1!1,-1,1!511!42560!1,-1,1!511!42560!21,20,19!1!1!37541!!1?Template=DocOneFrame))

 住民の生活実態や気持ちに寄り添った対応がなによりも必要です。

それでも私は言う。「役場に行くべきだ」と

 Aさんから話を聞いたおかげで、保険証を持っていない町民が少なからず存在するという現状を再認識できました。

 私が過去、いろんな相談に乗る中で、「役所はイヤだ」「行きたくない」というお話を何回となく聞きました。本当に嫌な思いをされたのでしょうね。でも役場に行かないと、問題がさらに深刻になる可能性が大きいので「私が一緒に行くから」と役場に行ってもらいます。

 議員がついて行こうが、住民だけで行こうが、役場の窓口対応が変わることがないはずなので、私が行ったところで有利になることはないと思います。しかし、1人ではどうしても行きにくい、という不安を解消するために私でもお役に立てれば、と思います。 (それでも「どうせお役所は」と言って動かない人もいます。こうなったら私もどうしようもありません。)

 「議員に相談しよう」とか「役場までついて来てもらおう」とか思った人はまだ良いです。でもそういう人は少ないと思います。役場に行って解決すべき問題があるのに、ひとりで抱え込んでいる人々が多いのではないでしょうか。そういった人を見つけ出すのは至難のわざです。

 このブログを読んでいる人で、町民税や国保で困りごとがある人は、あきらめずに役場に相談してほしいと思います。1人で役場に行きにくいという人は、私に連絡ください。役場関係だけでなく労働相談も受け付けています。いろいろなつながりを生かして一緒に解決しましょう。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 本年もよろしくお願いいたし... | トップ | 議会だよりの編集について委... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。