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書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

水谷尚子 「ウイグル襲撃事件はテロか」

2008年09月17日 | 政治
 「Voice」平成20(2008)年10月号、164-171頁。

 この論文については、「真Silkroad?」や「梶ピエールの備忘録。」でも話題になっているが、私が感銘を受けたのは以下のくだりだった。

 なにはともあれ、ウイグル人が対峙すべきは日本人ではなく漢人で、自らの主張をできるだけ多くの「圧迫者側」の人々に理解させ、漢人の同情者や理解者を増やし、改善を迫っていくことこそ、ウイグル人にとって最優先すべき課題であろう。 (171頁)

 『「反日」解剖 歪んだ中国の「愛国」』(文藝春秋、2005年9月)から、この人のスタンスはまったくぶれていない。一対一の人間同士で向き合うこと、対話を諦めないこと。敬服する。