書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

米盛裕二 『アブダクション 仮説と発見の論理』

2018年06月28日 | 人文科学
 出版社による紹介

 アブダクションとは所謂“アイデア”もしくは“インスピレーション”というものを、「なんでそれを思いついたんかはわからへんけど、それで目の前のこれを説明できるやからそれでええやないか」を、「理屈は通らへんけどそれでええやんありにしよ」と認めることであるということが、ようやく理解できた。「ちゃんと説明できてることについてはきっちり検証して確かめてな」という但し書き付きで。

 付けたり。アブダクションというものは想像力、ひいてはその人の創造力に係わるものでもあると私は考えているが、結局、ある人にオリジナリティがあると認められる場合、そのオリジナリティのメカニズムは分からない、分からないから措いて触れないということかというふうにも、この論旨は理解しようと思えばできる。

(勁草書房 2007年9月)