書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

「凡語 『BBC謝罪』」 を読んで

2011年01月31日 | 思考の断片
▲「京都新聞」2011年01月27日。(部分)
 〈http://www.kyoto-np.co.jp/info/bongo/20110127.html

 ▼BBCの番組に毒があるのは、政府や民間会社から独立した立場にあることを示すために、「有名人たちの尊大さをチクリと刺す」必要があるからだという▼「アホレース」のクリーズ氏は近年の傑作選で、上流階級をからかったせいで爵位を得られなかったと嘆いてみせた。賛否はあろうが風刺を効かせ、またもや笑いを取っている。チクリもなく弱きをくじけば嫌みが残るだけだ。世界で笑いの劣化が進んでいるような気がする。

 BBCの毒は、人間存在あるいは人間社会の現状すべてに対するものではないかと思うが如何。風刺も、笑いも。というより、ある種のイギリス人の皮肉やユーモアはもとからそのようなものではないかとも思える。笑うときも、皮肉るときも、自分も勘定に入っているような。
 だからといって、個別にその毒のある笑いや風刺を向けられた当人が怒るのは当然であるし、怒られれば謝るべきであるのもまた当然であるのだが。