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書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

スベトラーナ・アレクシェービッチ著 松本妙子訳 『チェルノブイリの祈り 未来の物語』

2016年09月14日 | 現代史
 ぼくは歴史学者です。以前、言語学や言語哲学を数多く研究しました。ぼくたちがことばを使って考えているだけではなく、ことばもまたぼくらを使って考えています。 (「第3章 悲しみをのりこえて」、アレクサンドル・レワルスキー「ロシア人はいつも信じるものを欲している」 同書193頁)

 レワルスキー氏はそれだけではないことをこの発言にこめているのだが、同じ歴史の研究者あるいは言語に注意する歴史学者として、この面にかぎって引用部の後半を平易に言いなおすと、以下になる。

「ことば(=言語)は、そのことばで語れることを語れるようにしか語れない」

(岩波現代文庫版 2011年6月)