書籍之海 漂流記

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宮崎市定 「中国古代における天と命と天命の思想 孔子から孟子に至る革命思想の発展」

2016年09月15日 | 東洋史
 『史林』46-1、1963年1月掲載、同誌81-104頁。使用したテキストは『宮崎市定全集』3(岩波書店 1991年12月)所収のもの。

 孔子から孟子への思想的発展は、中間に墨子の存在を考慮しなければ、正しい理解に到達できない。 (冒頭言)

 それ迄の、動もすれば孟子と孔子の思想とを同一視し、前者の思想をもって後者を見るという弊を指摘したという点において、「結語」でもご自身で明確に断っておられるとおり、この論文の目的と意義は其処にある。ただ、それは必ず墨子でなければならないかという疑念は残る。