上坂 全体主義は嫌だけど、迷いなく一点に向かって前に進むのは快感でした。〔中略〕〔太平洋〕戦争を語る時に、あの時の快感をはずしたら戦時体制の真実を見誤る気がします。
鶴見 その快感は、私も感じた。 (「第二章 戦時体制下のくらし」 本書76頁)
この「快感」について、上坂女史は「一種の爽やかさ」とも言い換えている。それを読んで、たしか張承志氏もその自伝『紅衛兵の時代』(小島晋治/田所武彦訳、岩波書店、1992年4月)のなかで、爽やかという言葉こそ使ってはいないものの、文化大革命直前および初期の中国、自らの清華付中時代を、まさに爽やかさそのものの印象とともに描出していることを思い出した。
(PHP研究所 2009年5月)
鶴見 その快感は、私も感じた。 (「第二章 戦時体制下のくらし」 本書76頁)
この「快感」について、上坂女史は「一種の爽やかさ」とも言い換えている。それを読んで、たしか張承志氏もその自伝『紅衛兵の時代』(小島晋治/田所武彦訳、岩波書店、1992年4月)のなかで、爽やかという言葉こそ使ってはいないものの、文化大革命直前および初期の中国、自らの清華付中時代を、まさに爽やかさそのものの印象とともに描出していることを思い出した。
(PHP研究所 2009年5月)