書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

板倉聖宣 『ぼくらはガリレオ』

2005年05月12日 | 自然科学
 ガリレオ・ガリレイの業績(正確には『新科学対話』)のやさしい解説というべき内容である。『新科学対話』は三人の会話(つまり鼎談)形式を取っている。この本も鼎談(もっとも子供の)形式で、この点また同様。
 ところでこの本には『科学並不神秘』という名の中国語版が存在する。何益漢という人の訳で北京の科学出版社から出ている。海賊版である。私が持っているのは1980年2月第2刷を仮説実験授業研究会が日本で写真製版したものだ。日本語版のほぼ忠実な翻訳であることが、このたび原書を読んでわかった。ちなみに第2刷の奥付によれば初版は1978年2月、つまり中国において改革開放の始まった年である。

(岩波書店 1981年11月第11刷)