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トヨタ カローラ 50周年記念祭 PART5

2017年02月28日 | クルマネタ

カローラ50周年記念祭、本当なら3回くらいで終了するつもりでしたが、バリエーションが多彩なクルマゆえにどうしても長文になってしまうのが避けられないところであります。まだダラダラ続きます。8代目と9代目です。

8代目 EE/AE/CE110系 1995年5月~2000年8月


(セダン1500SEサルーン、1995年~96年頃)


(セダン1500SEサルーン Lセレクション、1997年~)


(レビン1600BZ-G?、1997年~)

モデルチェンジ毎に高級化を進めていったカローラですが、バブル崩壊による経済の冷え込みにより、上級志向を目指した思想が残念ながら通用しなくなり、また、環境問題や安全性など自動車をとりまく課題が一段と厳しくなってきました。不況で自動車そのものの需要が冷え込む中、メーカーとしても採算性改善の要求が強まってきました。そのような状況下で登場した8代目は、徹底的にコストダウンが図られ、経済性や実用性を重点にしたコンセプトで登場、常に上級志向を目指していたカローラにとっては大きな路線変更となりました。モデルチェンジされたのはセダンとレビンのみで、バン/ワゴン、セレスは先代を継続(セレスは後年廃止)、FXは廃止されました(海外向けのハッチバックは存続)。

【セダン】
基本構造やメカニズムは先代を概ね踏襲してましたが、コストダウンのため豪華装備は割愛され、バンパー上半分やサイドプロテクトモールの無塗装ブラック化、ダッシュボードのソフトパッドをプラスチックに変更など、内外装は至ってシンプルになりました。車体は衝突安全性を高めながらも軽量化が進んだのが特徴でした。
エンジンはガソリンがハイメカツインカムの1.3リッター(4E-FE)、1.5リッター(5A-FE)、1.6リッター(4A-FE)。ディーゼルの2リッター(2C)。スメ[ツツインカムの1.6リッター(4A-GE)は廃止されました。
しかしながら、コストダウンの影響による質感の低下は市場では受け入れがたかったようでした。先代からの変化が乏しくて新鮮味が欠けていたのも否めないところでした。
そのため1996年5月の改良で、無塗装ブラックだったバンパー上半分とサイドプロテクトモールの着色化、フロントグリルのメッキ化などで見た目の質感を改善。助手席側を含めたエアバッグの全車標準装備化ならびにABSの全車標準装備化など安全装備の充実を図りました。同年秋には生誕30周年を記念してSEサルーン30thアニバーサリーリミテッドを発売。
1997年5月、大規模なマイナーチェンジを実施。フルカラードバンパーやソフトパッドを用いたダッシュボードなど内外装を大きく変更、再び高級感を強めた装いへ一新されました。車体骨格の見直しで進化した衝突安全ボディ『GOA』を採用、当時の世界の基準よりも上をいくトヨタ独自の安全基準を満たしました。1.6リッターのスポーツツインカム(4A-GE)を搭載したGTが復活、カローラ初の6速MTも新たに採用されました。このマイナーチェンジで初期型の不評を払拭することが出来ました。
1998年5月、1.3リッターのMTを4速から5速に変更、ディーゼルを2.2リッター(3C-E)へアップする改良を実施。1999年、モデル末期の販売テコ入れで特別仕様車XEサルーンリミテッドとSEサルーンリビエールを発売。
そして、次世代でカローラは大きく変化することになります。

【レビン】
大きく重くなってしまった先代の反省から、セダン系同様にダイエットが行われ、大幅な軽量化を実現、ライトウエイスポーツ志向を再び高めました。こちらもコストダウンの影響で内外装の印象はシンプルになりました。エンジンはハイメカツインカムの1.5リッター(5A-FE)と1.6リッター(4A-FE)、スポーツツインカム1.6リッター(4A-GE)で、スーパーチャージャーは廃止されました。スーパーストラットサスは引き継がれましたが、電子制御サスのTEMSは廃止。しかし、セダン系同様に質感の低下が課題となってしまいました。
1996年5月にはエアバッグとABSの標準装備化を実施。1997年5月のマイナーチェンジで内外装デザインの見直し、衝突安全ボディ『GOA』の採用、4A-GE搭載のBZ系グレードに6速MT採用など大幅に一新されました。
やがてスペシャリティカー/クーペの市場が縮小していき、レビンも販売の低下が避けられなくなりました。2000年を以ってレビンはこの代で終了となりました。


先代モデルが継続されたバン/ワゴン系のその後の経歴も触れておきます。

【ツーリングワゴン】
1995年5月のセダン/レビンのモデルチェンジ時に同時にマイナーチェンジ、新たに1.6リッター(4A-FE)を搭載した4WDが新設されました。また、2リッタディーゼル(2C)も仲間入りしました。
1996年8月、エアバッグやABSの標準化、さらにスメ[ツツインカムの1.6リッター(4A-GE)を搭載したBZツーリングを追加し、スポーツワゴン色を強めました。
1997年5月、マイナーチェンジでデザインを一新し、助手席エアバッグを装備など安全性を向上、ただし、旧ボディのため『GOA』ボディの採用は叶わずでした。そのほか、BZツーリングに6速MTを採用。
1998年4月、ディーゼルを2.2リッター(3C-E)にするなどの改良を実施。
もともとコンパクトで使い勝手がいいことから根強い人気があったのですが、ワゴンブームの中、さらに注目度が高まり、カローラシリーズの一角を占めるに至りました。『カロゴン』の愛称で親しまれました。そして、カローラフィールダーへ発展されるわけです。

【バン/ビジネスワゴン】
1995年5月、マイナーチェンジでバンの4WDにガソリン車を追加、1.6リッター(4A-FE)を搭載。翌1996年にはエアバッグの標準装備化を実施。
1998年4月にはディーゼルを2.2リッター化(3C-E)。2000年8月、ビジネスワゴンを『アシスタワゴン』へ名称を変更すると共に、MTのミッションを全車5速化、12年排ガス規制に適合。この頃までには全車に助手席エアバッグとABSの標準装備化が完了しました。
10年以上に渡るロングセラーでしたが2002年7月で生産終了となりました。商用モデルは乗用モデルとは異なる独自の道を歩むことになり、商用に特化されたプロボックスにその役割をバトンタッチされました。


9代目 NZE/ZZE/CE120系 2000年8月~2006年10月


(セダン1.3X? 1.5X?、2002年~04年頃)


(セダン1.8ラグゼール、2004年~)


(フィールダー1.5Xエアロツアラー?1.8Sエアロツアラー?、2004年~)


(ランクス1.5X?X Gエディション?、2004年~)

21世紀を迎えるにあたって、ユーザーの高齢化やセダン市場の縮小などの嗜好の大きな変化があり、将来への不安が見え始めてきました。カローラがカローラであり続けるために、すべてをリセットし『ニューセンチュリーバリュー』をコンセプトに抜本的に生まれ変わりました。セダンと『カローラフィールダー』の名称となったワゴンの2種のボディをラインナップしました。なお、それまで運命を共にしてきた姉妹車のスプリンターは終了となりました。これも改革のためには避けて通れなかった事案だったのでしょうか。
外観は今までのカローラから大きく変化し、空力的かつボリューム感たっぷりの造形は機能的ながらも先進的で革新的に映りました。室内空間も大きく広がりました。また、先代の反省もあり、品質感や高級感も大いにこだわりました。
パッケージングの変化に対応するためプラットフォームも全面的に刷新、新たに採用された『MCプラットフォーム』ではロングホイールベース化に加えてリヤサスペンションを軽量化とスペース効率の観点からトーションビームに変更されました(4WDはダブルウィッシュボーン)。一部モデルのパワーステアリングは油圧式からカローラ初の電動式を新たに採用。
パワートレーンも全面的に刷新され、エンジンは高効率ツインカムの1.3リッター(2NZ-FE)、1.5リッター(1NZ-FE)、1.8リッター(1ZZ-FE)、スポーツツインカムの1.8リッター(2ZZ-GE)、いずれもVVT-i(可変バルブタイミング機構)を採用すると共に12年排ガス規制に対応。ディーゼルは先代同様に2.2リッターOHC(3C-E)を搭載。ミッションは5速MT、6速MT、4速AT(電子制御スーパーECT)。安全対策も盛り込まれ、サイドエアバッグ、VSC(横滑り防止装置)など当時考えられるものは取り入れられました。
こうしてイメージを一新されたカローラは、市場ではそのチャレンジが評価され概ね好評でした。
2001年1月、セダンとフィールダーに加えて新たなバリエーションとなる『カローラランクス』が登場しました。これは欧州市場をターゲットにした5ドアハッチバックで、かつてのFXが名を変えて日本国内にカムバックしたといえるでしょう。なお、ランクスには姉妹車として『アレックス』も同時に登場(カローラの名はつかない)、これはネッツ系のディーラで販売され、同じカローラ派生ということで実質的にスプリンターの後継車となりました。
2002年10月にマイナーチェンジを実施し、排ガスのクリーン化を実施。2004年4月にもマイナーチェンジ、内外装デザインをリニューアルし、エンジンの改良、ディーゼル車の廃止、排ガスクリーン化、カーテンエアバッグの採用など実施。
2005年12月、生誕40周年記念の特別仕様車『1.5X HID 40thアニバーサリーリミテッド』を発売。
なお、海外向けの一部地域(アメリカや東南アジアなど)では、ワイドボディ化されるなど日本仕様との差異が大きくなってきました。そのことが次世代モデルへの商品企画に大きく影響を与える事になりました。

次回で最終章となります。相変わらず長文ですが、もう少しご辛抱願います。


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トヨタ カローラ 50周年記念祭 PART4

2017年02月26日 | クルマネタ

カローラ50周年記念祭、長々と続いてますが、6代目と7代目です。

6代目 EE/AE/CE90系 1987年5月(バン/ワゴンは10月)~1991年6月(バン/ワゴンは9月、FXは1992年5月)


(セダン1500SE?SEリミテッド?、1987年~1989年頃)


(セダン1500SEスーパーリミテッド、1990年~)


(レビン1500ZS、1989年~)


(FX3ドア、1500FX-ZS、1989年~)


(バンDX)


(ワゴン1500Lツーリング、1989年~)

この世代で全シリーズがFF化され、初代より続いたFRから決別となりました。バリエーションはセダン、レビン、FXに加え、モデルチェンジが見送られていたバン/ワゴン系もようやく一新されました。
クラウンやマークⅡなどのハイソカーブームに影響されるかたちで上級車種を思わせる雰囲気に変身、もともと廉価な実用車で幅広い需要に支えられてたカローラですが、特にこの世代は好景気の時期だったこともあり、大いにヒットしました。

【セダン】
FFになってからの初の世代交代では、5ドアは消滅し4ドアのみとなりました。先代のキープコンセプトながら、クラウンやマークⅡを意識したような内外装デザインでコンパクトカーながら堂々とした佇まいに変身されました。
基本構造は先代の発展版でしたが、エンジンではメインの1.5リッターにハイメカツインカムと呼ばれた実用型のDOHC16バルブエンジン(5A-F)を新たに採用したのが注目でした。当初はキャブ仕様でしたが、翌年にはEFI仕様(5A-FE)も追加。他は1.3リッターOHC(2E)、スポーツツインカムの1.6リッターDOHC EFI(4A-GE)、ディーゼルの1.8リッターOHC(1C-L)を搭載。ミッションは従来同様に4速MT、5速MT、3速AT、4速AT。一部モデルに電子制御サスのTEMSや4輪ABS(当時はECSの名称)が設定されました。
少し遅れて、カローラ史上初となる4WD(4輪駆動)モデルが登場、フルタイム4WDでエンジンはハイメカツインカムの1.6リッターDOHC(4A-F)を搭載、降雪地域などで重宝されました。
1989年5月のマイナーチェンジではDOHCエンジンはすべてEFI仕様に統一、さらに1.5リッターには高出力版のEFI-S仕様(5A-FHE)を積んだ最上級モデル、SEリミテッドGを新設。4WDにはディーゼル2リッター(2C)を追加。
モデル末期の1990年には特別仕様車のSEスーパーリミテッドを発売、サイドプロテクトモールやドアハンドルがボディ同色でエンブレムがゴールドになるなど、小さな高級車といった雰囲気で、好評を博しました。

【レビン】
FRの駆動方式は惜しまれつつ終焉を迎え、ここからレビンもFFに切り替わりました。3ドアは廃止され、2ドアのみに。上級車種のソアラを思わせる端正な雰囲気が当モデルならではの特徴でした。
エンジンは全車DOHC化され、ハイメカツインカムの1.5リッター(5A-F)、1.5リッターEFI(5A-FE)、スポーツツインカムの1.6リッターEFI(4A-GE)、さらにハイパワーなスーパーチャージャー仕様(4A-GZE)が新たにラインナップされたのが目玉となりました。
1989年5月のマイナーチェンジでエンジンは全車EFIに統一、1.5リッターには高出力のEFI-S(5A-FHE)も追加。
どうしても、FRだった先代80系の影に隠れてしまうのが痛いところでしたが、それでもファッショナブルなデートカーやスポーツモデルとして重宝され、販売台数自体は歴代のレビンの中でもトップクラスだったそうです。

【FX】
先代同様、セダンモデルをベースに車体後半を2ボックス状のハッチバックに仕立てた成り立ちで、3ドアと5ドアのふたつのボディを設定しました。引き続き上級志向の強いコンセプトのハッチバックでした。エンジンはセダン系と同じ1.3リッター(2E)、1.5リッター(5A-F/5A-FE)、1.6リッター(4A-GE)。
1989年のマイナーチェンジで1.3リッターは廃止、全車DOHCのEFI化、他のシリーズ同様、1.5リッターのEFI-S(5A-FHE)も新設されました。

【バン】
商用モデルのバンも久しぶりに世代交代され、ここからようやくFF化されました。セダンをベースにルーフを伸ばした車体構造ですが、ヘッドライトが規格品になるなど外観は簡素でした。足周りも乗用系とは異なり、リヤサスは独立懸架ではなく、リーフリジット(板バネ+車軸懸架)を踏襲しました。エンジンはDOHCは採用されず、すべてOHCで1.3リッター(2E)、1.5リッター(3E)、ディーゼル1.8リッター(1C-L)。コスト、耐久性、信頼性が重視される商用車ならではのシンプルな設計でした。

【ワゴン】
バンと同時にモデルチェンジされました。ビジネスワゴンとツーリングワゴンに大別され、前者がバンと同じエンジンと足回りを採用した廉価版、後者が乗用系と同じ足回り(4輪ストラットの独立懸架)とエンジン(1.5リッターハイメカツインカムの5A-F)を採用した乗用ユース向けの仕様でした。1989年のマイナーチェンジでツーリングワゴンのエンジンがEFI化(5A-FE)されました。


7代目 EE/AE/CE100系 1991年6月~1995年5月(セダン、レビン)、1991年9月~2000年8月(ツーリングワゴン)、1991年9月~2002年7月(バン、ビジネスワゴン)、1992年5月~1995年5月(FX)、1992年5月~1998年6月(セレス)


(セダン1600SEリミテッド4WD、1993年~)


(FX1600GT、1994年~)


(セレス1600X、1992年~94年頃)


(バン1300?1500?DX、1994年~98年頃?)
※公の機関の車両ゆえ、ナンバープレートの画像処理はしていません。


(ワゴン1500Gツーリング、1997年~)

すんません、レビンの画像はありません。いかんせん、なかなか姿を見ないので…(汗)

バブル経済の絶頂期に開発された事もあり、一段とクオリティを高めたのが当モデルの特徴でした。単に豪華になっただけでなく、電気配線などの目に見えない箇所の作りこみも徹底された他、CIASと呼ばれた衝撃吸収ボディ、サイドドアビームや後席用の3点式シートベルト、SRSエアバックの新設定など、安全面の配慮も重視され、信頼性や安全性を高めた、小さな高級車といえる小型車へ一新されました。セルシオの開発と発売もカローラクラスのクオリティアップに繋がったのもしれません。
セダン、レビン、FX、バン、ワゴンという相変わらずのワイドバリエーションでしたが、この世代では4ドアハードトップにセレスも仲間入りされました。なお、バンとワゴン系は2000年代初頭まで継続され、ロングセラーとなりました。

【セダン】
水平基調のフォルムは踏襲しながらも、張りのある曲面で構成された外観は見るからに上級感が高くなりました。シャーシなどの基本構造は踏襲されてるものの、ホイールベースが延長されるなど、着実に改良されていきました。
エンジンはDOHC16バルブとなる1.3リッター(4E-FE)、1.5リッター(5A-FE)、1.6リッター(4A-FE)の各ハイメカツインカム、スポーツインカムの1.6リッターDOHC(4A-GE)はVVT化(可変バルブタイミング)と20バルブ化を果たしました。一方でディーゼルは2リッター(2C)に1本化されました。ミッションは前例同様、MTが4速と5速、ATが3速と4速。当初はFFのみでしたが、遅れて4WDモデルも追加されました。
オートライトやパワーシートのなどの豪華装備が盛り込まれた他、冒頭に書いたように安全性も高められました。
しかしながら、バブル経済が崩壊して世の中は不況に、先代よりも高価になったため、高い完成度を誇りながらも世間では批判も少なくありませんでした。ただ、高価になったとはいっても、先代ではオプションだったエアコンが上級グレードでは標準化されたりしてるので、一概には高すぎるとはいえない面もあったとは思いますが。
そういう流れを受け、1992年5月に特別仕様車LXリミテッドを発売、低価格ながら高級感が高く好評を博しました。1993年5月のマイナーチェンジではエアコンの冷媒を新ガスに変更したり改良されましたが、一方でコスト削減の影響でパワーシートなどの豪華装備が廃止されました。LXリミテッドは好評のためカタログモデルへ昇格。
その後、特別仕様車としてSEリミテッドサルーンとLXリミテッドサルーンを発売、モデル末期に備えていきました。


【レビン】
ダイナミックな曲線を採用した外観はライトウエイスポーツというよりは、本格的なスポーツモデルがスケールダウンしたような、重厚感ある雰囲気に一新されました。
エンジンは先代の改良型ですべてDOHC、ハイメカツインカムが1.5リッター(5A-FE)と1.6リッター(4A-FE)。スポーツツインカムが1.6リッター(4A-GE)と同スーパーチャージャー(4A-GZE)ですが、前者は新たにVVT化(可変バルブタイミング)と20バルブ化されました。
足回りでは従来のストラットをベースにリンク構造を改良したスーパーストラットサスペンションの採用が注目でした。また、先代同様にTEMS(電子制御サス)も設定されてました。
大幅な進化を遂げ、クオリティを高め、完成度も増しましたが、それゆえに車重が増加してしまったのが唯一の難点でした。
1993年5月にマイナーチェンジされ、後期型へ移行されました。

【FX】
他のシリーズより遅れてモデルチェンジ。海外向けのハッチバックモデルは5ドアや小排気量エンジンの設定は継続されましたが、国内向けは3ドアのみとなり、エンジンも1.6リッターのみに整理(4A-FEと4A-GE)されました。レビン同様にスーパーストラットサスペンションも採用。完全にスポーツハッチバックへ割り切られました。
しかし、その割り切りは販路を狭くしてしまい、販売は低迷。FXシリーズはこの代で終了。その後、日本国内でのハッチバックモデルはカローラランクス登場までおあずけとなりました。ただし、海外市場、特に欧州ではでは引き続きハッチバックは主力モデルとして君臨されていました。

【セレス】
1992年5月、カローラシリーズに新たな仲間が加わりました。4ドアハードトップのカローラセレスです。これは4ドアといってもスタイリングを重視したスペシャリティ志向のモデルで、4ドアスペシャリティとして成功していたカリーナEDの弟分といったコンセプトでした。キャビンを絞り込み、豊かな曲線と曲面で構成された滑らかなスタイリングでオシャレに装いました。室内は狭く、実用性は低かったですが、ファッショナブルなパーソナルカーとして注目されました。
エンジンは1.5リッター(5A-FE)、1.6リッター(4A-FE、4A-GE)の2サイズ3チューンを用意。
1994年にマイナーチェンジ、1995年にカローラシリーズはモデルチェンジされますが、セレスは継続。ただ、エンジンなどコンポーネントの改良は実施。1997年には他のシリーズに併せて6速MTの採用なども行いますが、4ドアスペシャリティ市場の縮小で1998年に終了となりました。

【バン】
セダン同様に丸みを帯たシルエットへ変化し、車体サイズもやや拡大されました。足回りは商用車専用設計で、先代同様にリヤサスはリーフリジットを継承されました。エンジンは引き続きOHCでガソリンは1.3リッター(2E)、1.5リッター(3E)、ディーゼルは2リッターへ(2C)拡大。なお、ディーゼルには4WDも設定されました。
1994年1月のマイナーチェンジでは、ガソリンエンジンをハイメカツインカムの1.3リッター(4E-FE)、1.5リッター(5E-FE)へ換装、これでカローラシリーズのガソリンエンジンは全DOHC化を果たしました。
1995年、8代目モデルが登場しますが、バン/ワゴンは当モデルを継続、それ以降の経歴は次回に。

【ワゴン】
バンと同時に一新されました。先代同様にバンと同じ足回りとメカニズムを採用した廉価版のビジネスワゴン、乗用系と同じ足回りとエンジンを採用したツーリングワゴンを設定。ツーリングワゴンは当初は1.5リッター(5A-FE)のみの設定。スバルレガシィのヒットで火のついたステーションワゴン市場の拡大の影響でツーリングワゴンが注目され、地味ながらも人気を博しました。
1993年5月、ツーリングワゴンをマイナーチェンジ。続いて1994年1月にビジネスワゴンをマイナーチェンジ、バン同様にガソリンエンジンをDOHC化されました。
次世代の8代目登場以降もバン/ワゴンは継続されていますが、その後の経歴は次回へ。


まだ続く…。


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こちらは3周年記念

2017年02月24日 | Live(ジャズ/インスト系)
50周年に9周年にアニバーサリーネタが多くなってる我がブログですが、次はめでたく3周年を迎えられたカルテットのお話を…。


2月21日、Live Jukeで森川泰介Amazing Quartet(以下、MAQ)の公演がありました。久しくこの編成を拝見できてなかったのですが、久しぶりに…。

MAQはドラマーの森川泰介さん率いるジャズのカルテットで、3年前に結成されました。ちょうど3年ということで記念ライブが開催されたのでした。

メンバーは下記4名。今回はゲストヴォーカルをフィーチャーされました。
森川泰介(Dr)、太田和孝(Fl)、鳥岡香里(Pf)、山本優一郎(B)
ゲスト:AYACO(Vo)

というわけで開始!


ドラムがリーダーというこのカルテット、選曲はジャズスタンダードからピックアップされました。クールでスタイリッシュといえるような演奏は夜景が見渡せる光景と相まって、とても洗練されたムードに包まれてました。各メンバー個々の演奏は存在感がありながらも、ひとつの音として調和する様はとても心地よかったデス。演奏回数と経験を重ねるたび、どんどんクオリティが上がっていくようにも感じました。

ドラマーでリーダーの森川さん。リーダーゆえMCも担当されますが、ゆるやかな(?)長話が炸裂するという!


フルートの太田さん。


ピアニスト鳥岡さん。


ベーシスト山本さん。



それと…。今回は山口在住のAYACOさんをゲストに迎えられました!




ジャズヴォーカリストとして活躍されてるAYACOさん、セクシーでダイナミックな魅惑のヴォーカルで華を添えられました。MAQの演奏との相性も抜群で、演奏に身を委ねながら歌う姿はゴキゲンでした!

そんなこんなで、ライブは好評を博しました。見てる方も楽しませていただきました。何はともあれ3周年おめでとうございます。

なお、MAQは5月に開催されるひろしまフラワーフェスティバルにて、ジャズ専門のロータスブロッサムステージで今年も出演されるそうですよ!






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トヨタ カローラ 50周年記念祭 PART3

2017年02月22日 | クルマネタ

カローラ50周年記念の3回目です。思ったより長文になってるうえに、違うネタを挟んだりしてて、なかなか前に進んでませんが、1980年代に入っていきます。

4代目 KE/AE/TE/CE70系 1979年3月~1983年5月(バン、ワゴンは1987年9月まで)


(4ドアセダン1500SE、1979年~81年頃)


(4ドアセダン1300DXエクストラ、1982年?83年?)


(2ドアハードトップ1600GT、1979年~81年頃)


(3ドアクーペ1500SR、1979年~81年頃)


(バンGL、1983年~)


(ワゴンGL、1985年~)

1970年代の終わりにカローラは4代目へ移行しました。排ガス規制が一段落したこともあり、中身の充実を図り、攻めの姿勢に転じていきました。
先代同様に2/4ドアセダン、2ドアハードトップ、3ドアクーペ、3ドアリフトバック、バンの各ボディタイプを設定。いずれも直線基調のシャープなイメージに一新され、空力の向上も追及されました。セダンとバンは歴代唯一の丸型4灯ヘッドライトで高級感をアピール、他は角型2灯ヘッドライトでした。
フロントにエンジンを搭載してリヤを駆動するレイアウトは踏襲しながら、乗用モデルのリヤサスのスプリングをようやくリーフ(板バネ)からコイルの5リンクに変更、また、1.3リッターにはラック&ピニオン式のステアリングを新たに採用されました(他はボールナット)。パワーステアリングの採用もたしかこの代からでした。ブレーキは前輪は全車ディスクに、一部モデルは4輪ディスク化されました。
エンジンは1.5リッターOHC(3A-U)が搭載されたのが目玉といえました。意外にもOHCはカローラ初でした。他は先代と同じ1.3リッターOHV(4K-U)、1.6リッターDOHC EFI(2T-GEU)、バン用の1.6リッターOHV(12T-J)などを用意。スポーツ系の2T-GEUはクーペがレビン、他ボディがGTのグレード名でしたが、この代からセダンにも搭載されました。遅れて1979年8月には1.8リッターOHV(13T-U)も仲間入りしました。
1981年8月にはマイナーチェンジが行われ、セダン/バンのヘッドライトを角型2灯に変更して表情を一新、1.5リッターモデルにも新たにラック&ピニオン式ステアリングを採用するなど機構面の変化もありました。ただし、せっかく追加設定された1.8リッターモデルは販売が振るわず、ラインナップから落とされました。
1982年になるとカローラ初のディーゼルエンジンが追加設定されました。1.8リッターOHC(1C)でした。また、このディーゼルには同じくカローラ初となった4速ATが採用されました。
それと、新たなバリエーションとして、バンをベースにした乗用車登録のワゴンが登場、機構面はバンそのものでしたが、後のカローラフィールダーの始祖となりました。エンジンは1.3リッターのみでした。
モデル末期にはカローラ生産累計1000万台を突破されました。それを記念して特別仕様車『テンミリオンエディション』が発売されました。
1983年5月、5代目へバトンタッチされますが、バンとワゴンは引き続き当モデルが継続されました。


5代目 EE/AE/CE80系 1983年5月~1987年5月


(4ドアセダン1600GT、1985年~)


(4ドアセダン1500SEサルーン、1985年~)※公の機関の車両なので、ナンバーの画像処理はしていません。


(レビン3ドア1600GTV、1985年~)


(FX3ドア、1600FX-GT)


1970年代以降、小型車の世界では、軽量化や室内スペース確保の観点で、FR(後輪駆動)からFF(前輪駆動)化の流れが加速していました。トヨタはFF化は慎重な立場をとっていましたが、1978年に遅ればせながら同社初のFF車、ターセル/コルサを発売しました。ただ、ターセル系はFR車と同じエンジン縦置きででした。FFで一般的なエンジン横置きは1982年発売のカムリ/ビスタが初となりました。トヨタにとってもカローラのFF化は避けては通れない大きな課題でしたが、この5代目で一部モデルがFF方式を取り入れ、カローラの歴史上のひとつの転換期となりました。
バリエーションはセダン(4ドアと5ドア)、レビンの名称に統一されたクーペ(2ドアと3ドア)、新登場となるハッチバックのFX(3ドアと5ドア)で構成、バン/ワゴンは先代モデルを継続されました。当モデルから8代目までは各ボディタイプ別に解説をしていきます。

【セダン】
基本形となる4ドア、先代のリフトバックの発展系といえる5ドアを設定、セダン系はカローラとしては初めてのエンジン横置きFFを採用されました。
FF化で従来よりもフロントノーズが短くなり、キャビンのボリュームが増して、スタイリングは大きく変化されました。フルカラードバンパーも新たに採用されました。若々しく生まれ変わった姿は市場では賛否両論あったようですが、FF化による新しいパッケージングを巧みに表現されました。FF化の恩恵で室内空間も広がりました。
FF化に伴い、機構面は大きく一新され、サスペンションが4輪ストラット、すなわち、4輪独立懸架となった他、ステアリング機構も全車ラック&ピニオンに統一されました。
横置きに搭載されるエンジンは、1.3リッターOHC(2A-LU)、1.5リッターOHC(3A-LU)、1.6リッターOHC EFI(4A-ELU)、ディーゼル1.8リッターOHC(1C-L)、ミッションは4速MT、5速MT、3速ATに加えて4速AT(一部モデルは電子制御のECT-S)が幅広く採用されるようになりました。
快適装備も、パワーウインドウやパワードアロック、オートエアコン、オートドライブ、間欠ワイパーの時間調整機能、デジタルメーターなど大きく充実されました。
1984年になるとスメ[ツツインカムの1.6リッターDOHC EFI(4A-GELU)を搭載したGTをラインナップされた他、4速ATを1.5リッターにも拡大採用実施。
1985年5月のマイナーチェンジでは1.3リッターを12バルブの2E-LUに換装。1986年、生誕20周年を迎え、特別仕様車『1500SEサルーンリミテッド』を発売されました。

【レビン】
もともとはクーペのスポーツグレードだったレビンの名称はこの世代から搭載エンジンに関わらずクーペ系の総称となりました。2ドアと3ドアの2種のボディを設定。
上に書いたように、カローラもFF化の波が押しよせてきたわけですが、生産台数の多いカローラを全シリーズFF化にするのはコストや生産設備の問題で困難だったこともあり、まずはFF化のメリットの恩恵を受けやすいセダンをFFに切り替え、さほど実用性が求められないレビンは先代と同じFRを継続されました。
シャーシは先代70系の改良型でしたが、ステアリングギヤボックスはすべてラック&ピニオンへ変更、エンジンはスメ[ツツインカムの1.6リッターDOHC EFIが2T-G系から新開発の4A-GEUへ変更、カローラシリーズ初の16バルブを採用(今までは8バルブ)。他は1.5リッターOHC(3A-U)を用意。
一部エンジンこそは新しくなったものの、機構面は当時としても古風でした。しかし、FF化の波で、軽量小型のFRライトウエイスポーツが当時でも少数派になりつつあったこと、チューニングカーとしても最適だったこと、モータースポーツでも活躍した事などでスメ[ティ派のユーザーから注目されました。新車で販売されてた当時でも人気が高かったですが、生産終了後も現在に至るまで支持を集め、歴史に残る快挙になった事は言うまでもないでしょう。

【FX】
1970年代以降、ホンダシビックやフォルクスワーゲンゴルフの登場で、小型車の新たなスタンダードとして2ボックスのハッチバックが欧州を中心に普及しました。そのため、欧州や豪州などの海外市場をターゲットにしたハッチバックモデルをカローラのラインナップに加えることになりました。日本国内でもFFファミリアをきっかけにハッチバックの市場が拡大されており、1984年10月、カローラシリーズに2ボックスのハッチバック『カローラFX』が登場しました。
FFのセダン系をベースにボディ後半をハッチバックに仕立てたという成り立ちで3ドアと5ドアの2種ボディをラインナッップ。エンジンはセダン系同様に1.5リッターOHC(3A-LU)、1.6リッターOHC EFI(4A-ELU)、1.6リッターDOHC EFI(4A-GELU)を搭載。スポーティさを重視した上級志向のハッチバックとして位置づけられました。


先代モデルを継続されてたバン/ワゴンのその後の経歴も触れておきます。

【バン/ワゴン】
世代交代は見送られ、先代の70系を継続されました。FF化はレビンの項で書いたように生産設備の都合、さらには耐久性、信頼性が重視される商用車に採用するのは機が熟してないという判断もあったのでしょう。
乗用モデルが世代交代された後の1983年8月、マイナーチェンジを実施され、屋根をハイルーフ化するなど、リニューアルされました。エンジンもラインナップも見直され、バンには新たに1.5リッターOHV(5K-U)を搭載、ワゴンには1.8リッターディーゼル(1C)を追加しました。その後も1985年に再度マイナーチェンジを実施、1987年の世代交代でようやくFF化されるに至ります。

さらに続く…。




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9周年記念祭!

2017年02月20日 | Live(ジャズ/インスト系)

アコースティックインストデュオのさらさ、2008年の結成以来、9周年を迎えられました!
というわけで2月19日、広島市西区民文化センターのスタジオにて9周年コンサートが開催されました。



さらさはギターとハープ、ふたつの弦楽器のデュオで、以下のおふたりで構成されます。
森川敏行(Gt)、Machiko(Hp)


今回は演奏に集中したいという思いもあり、演奏中は撮影禁止でした。下の画像は演奏してないとき(MC中)に撮影したものです。せめて雰囲気が伝わればと思い、掲載しています。


今回はサメ[トなしで純粋のおふたりだけでの演奏でした。
横糸のギター、縦糸のハープ、ふたつの弦楽器が織りなすインストゥルメンタルをじっくりと拝見、拝聴することに。
今回はオリジナルで固められた選曲で、『さらさと!』をはじめ、『夜咲く花』『月兎』『雨』『ガベン』などなど、よく取り上げるナンバーから、最近御無沙汰なナンバーまで幅広くチョイス。使用楽器はふたつだけですが、音色はとても繊細かつ彩り豊かで、シンプルな中にも洗練さや情熱さなどが伝わってくるようでした。たとえ同じ楽曲でも、その場所、その風景、その空気感でいろんな表情を見せてくださいます。今回も、この日ならではの演奏をお届けされました。

最近は海外での演奏旅行(武者修行ともいう?)も積極的に行われ、昨年6月はヨーロッパへ、年明けすぐにオーストラリアへ出かけられました。その演奏旅行の一部始終も話されたり、写真を見せて紹介してくださいました。異国の地でも演奏を堪能されたようで、そのインスピレーションから生まれた新曲も披露してくださいました!異国の地での出会いや体験、すべてが縁あってつながっためぐりあわせによって新たな音楽を創造される、とても素敵なことだと思います。

終盤では両者ともスタンディング気合い入れてで『7(Seven)』『Flower Parade』など演奏、アンコールでは『秋色』『デュオローグ』を演奏。
約1時間半に渡る今回のコンサート、これまでの歩みが凝縮されたような内容でありました。

当の本人たちはお客さんが集まるか心配されてたようでもありましたが、それは杞憂に終わり、多くのお客さんが集まりました。そのお客さんの中には音楽仲間の方々も多くいらっしゃいました。音楽を通じて生まれた出会いに感謝されてました。

9周年を迎えるにあたって祝福の花束も!




9周年おめでとうございます。次は10周年を迎え、末永い活躍が続くといいですね。


最後にオマケで…。
9年前、つまり、2008年当時の画像を掲載してみる。
撮影は2008年9月、さらさ結成の数ヶ月後になりますが、縁あって存在を知った玉城ちはるさんのミニライブを見に行った際に、サポートでおふたりが演奏されてるのを拝見しました。ワタシ個人としてはそれが始まりでした。以下2態掲載。





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