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トヨタ カローラ 50周年記念祭 PART5

2017年02月28日 | クルマネタ

カローラ50周年記念祭、本当なら3回くらいで終了するつもりでしたが、バリエーションが多彩なクルマゆえにどうしても長文になってしまうのが避けられないところであります。まだダラダラ続きます。8代目と9代目です。

8代目 EE/AE/CE110系 1995年5月~2000年8月


(セダン1500SEサルーン、1995年~96年頃)


(セダン1500SEサルーン Lセレクション、1997年~)


(レビン1600BZ-G?、1997年~)

モデルチェンジ毎に高級化を進めていったカローラですが、バブル崩壊による経済の冷え込みにより、上級志向を目指した思想が残念ながら通用しなくなり、また、環境問題や安全性など自動車をとりまく課題が一段と厳しくなってきました。不況で自動車そのものの需要が冷え込む中、メーカーとしても採算性改善の要求が強まってきました。そのような状況下で登場した8代目は、徹底的にコストダウンが図られ、経済性や実用性を重点にしたコンセプトで登場、常に上級志向を目指していたカローラにとっては大きな路線変更となりました。モデルチェンジされたのはセダンとレビンのみで、バン/ワゴン、セレスは先代を継続(セレスは後年廃止)、FXは廃止されました(海外向けのハッチバックは存続)。

【セダン】
基本構造やメカニズムは先代を概ね踏襲してましたが、コストダウンのため豪華装備は割愛され、バンパー上半分やサイドプロテクトモールの無塗装ブラック化、ダッシュボードのソフトパッドをプラスチックに変更など、内外装は至ってシンプルになりました。車体は衝突安全性を高めながらも軽量化が進んだのが特徴でした。
エンジンはガソリンがハイメカツインカムの1.3リッター(4E-FE)、1.5リッター(5A-FE)、1.6リッター(4A-FE)。ディーゼルの2リッター(2C)。スメ[ツツインカムの1.6リッター(4A-GE)は廃止されました。
しかしながら、コストダウンの影響による質感の低下は市場では受け入れがたかったようでした。先代からの変化が乏しくて新鮮味が欠けていたのも否めないところでした。
そのため1996年5月の改良で、無塗装ブラックだったバンパー上半分とサイドプロテクトモールの着色化、フロントグリルのメッキ化などで見た目の質感を改善。助手席側を含めたエアバッグの全車標準装備化ならびにABSの全車標準装備化など安全装備の充実を図りました。同年秋には生誕30周年を記念してSEサルーン30thアニバーサリーリミテッドを発売。
1997年5月、大規模なマイナーチェンジを実施。フルカラードバンパーやソフトパッドを用いたダッシュボードなど内外装を大きく変更、再び高級感を強めた装いへ一新されました。車体骨格の見直しで進化した衝突安全ボディ『GOA』を採用、当時の世界の基準よりも上をいくトヨタ独自の安全基準を満たしました。1.6リッターのスポーツツインカム(4A-GE)を搭載したGTが復活、カローラ初の6速MTも新たに採用されました。このマイナーチェンジで初期型の不評を払拭することが出来ました。
1998年5月、1.3リッターのMTを4速から5速に変更、ディーゼルを2.2リッター(3C-E)へアップする改良を実施。1999年、モデル末期の販売テコ入れで特別仕様車XEサルーンリミテッドとSEサルーンリビエールを発売。
そして、次世代でカローラは大きく変化することになります。

【レビン】
大きく重くなってしまった先代の反省から、セダン系同様にダイエットが行われ、大幅な軽量化を実現、ライトウエイスポーツ志向を再び高めました。こちらもコストダウンの影響で内外装の印象はシンプルになりました。エンジンはハイメカツインカムの1.5リッター(5A-FE)と1.6リッター(4A-FE)、スポーツツインカム1.6リッター(4A-GE)で、スーパーチャージャーは廃止されました。スーパーストラットサスは引き継がれましたが、電子制御サスのTEMSは廃止。しかし、セダン系同様に質感の低下が課題となってしまいました。
1996年5月にはエアバッグとABSの標準装備化を実施。1997年5月のマイナーチェンジで内外装デザインの見直し、衝突安全ボディ『GOA』の採用、4A-GE搭載のBZ系グレードに6速MT採用など大幅に一新されました。
やがてスペシャリティカー/クーペの市場が縮小していき、レビンも販売の低下が避けられなくなりました。2000年を以ってレビンはこの代で終了となりました。


先代モデルが継続されたバン/ワゴン系のその後の経歴も触れておきます。

【ツーリングワゴン】
1995年5月のセダン/レビンのモデルチェンジ時に同時にマイナーチェンジ、新たに1.6リッター(4A-FE)を搭載した4WDが新設されました。また、2リッタディーゼル(2C)も仲間入りしました。
1996年8月、エアバッグやABSの標準化、さらにスメ[ツツインカムの1.6リッター(4A-GE)を搭載したBZツーリングを追加し、スポーツワゴン色を強めました。
1997年5月、マイナーチェンジでデザインを一新し、助手席エアバッグを装備など安全性を向上、ただし、旧ボディのため『GOA』ボディの採用は叶わずでした。そのほか、BZツーリングに6速MTを採用。
1998年4月、ディーゼルを2.2リッター(3C-E)にするなどの改良を実施。
もともとコンパクトで使い勝手がいいことから根強い人気があったのですが、ワゴンブームの中、さらに注目度が高まり、カローラシリーズの一角を占めるに至りました。『カロゴン』の愛称で親しまれました。そして、カローラフィールダーへ発展されるわけです。

【バン/ビジネスワゴン】
1995年5月、マイナーチェンジでバンの4WDにガソリン車を追加、1.6リッター(4A-FE)を搭載。翌1996年にはエアバッグの標準装備化を実施。
1998年4月にはディーゼルを2.2リッター化(3C-E)。2000年8月、ビジネスワゴンを『アシスタワゴン』へ名称を変更すると共に、MTのミッションを全車5速化、12年排ガス規制に適合。この頃までには全車に助手席エアバッグとABSの標準装備化が完了しました。
10年以上に渡るロングセラーでしたが2002年7月で生産終了となりました。商用モデルは乗用モデルとは異なる独自の道を歩むことになり、商用に特化されたプロボックスにその役割をバトンタッチされました。


9代目 NZE/ZZE/CE120系 2000年8月~2006年10月


(セダン1.3X? 1.5X?、2002年~04年頃)


(セダン1.8ラグゼール、2004年~)


(フィールダー1.5Xエアロツアラー?1.8Sエアロツアラー?、2004年~)


(ランクス1.5X?X Gエディション?、2004年~)

21世紀を迎えるにあたって、ユーザーの高齢化やセダン市場の縮小などの嗜好の大きな変化があり、将来への不安が見え始めてきました。カローラがカローラであり続けるために、すべてをリセットし『ニューセンチュリーバリュー』をコンセプトに抜本的に生まれ変わりました。セダンと『カローラフィールダー』の名称となったワゴンの2種のボディをラインナップしました。なお、それまで運命を共にしてきた姉妹車のスプリンターは終了となりました。これも改革のためには避けて通れなかった事案だったのでしょうか。
外観は今までのカローラから大きく変化し、空力的かつボリューム感たっぷりの造形は機能的ながらも先進的で革新的に映りました。室内空間も大きく広がりました。また、先代の反省もあり、品質感や高級感も大いにこだわりました。
パッケージングの変化に対応するためプラットフォームも全面的に刷新、新たに採用された『MCプラットフォーム』ではロングホイールベース化に加えてリヤサスペンションを軽量化とスペース効率の観点からトーションビームに変更されました(4WDはダブルウィッシュボーン)。一部モデルのパワーステアリングは油圧式からカローラ初の電動式を新たに採用。
パワートレーンも全面的に刷新され、エンジンは高効率ツインカムの1.3リッター(2NZ-FE)、1.5リッター(1NZ-FE)、1.8リッター(1ZZ-FE)、スポーツツインカムの1.8リッター(2ZZ-GE)、いずれもVVT-i(可変バルブタイミング機構)を採用すると共に12年排ガス規制に対応。ディーゼルは先代同様に2.2リッターOHC(3C-E)を搭載。ミッションは5速MT、6速MT、4速AT(電子制御スーパーECT)。安全対策も盛り込まれ、サイドエアバッグ、VSC(横滑り防止装置)など当時考えられるものは取り入れられました。
こうしてイメージを一新されたカローラは、市場ではそのチャレンジが評価され概ね好評でした。
2001年1月、セダンとフィールダーに加えて新たなバリエーションとなる『カローラランクス』が登場しました。これは欧州市場をターゲットにした5ドアハッチバックで、かつてのFXが名を変えて日本国内にカムバックしたといえるでしょう。なお、ランクスには姉妹車として『アレックス』も同時に登場(カローラの名はつかない)、これはネッツ系のディーラで販売され、同じカローラ派生ということで実質的にスプリンターの後継車となりました。
2002年10月にマイナーチェンジを実施し、排ガスのクリーン化を実施。2004年4月にもマイナーチェンジ、内外装デザインをリニューアルし、エンジンの改良、ディーゼル車の廃止、排ガスクリーン化、カーテンエアバッグの採用など実施。
2005年12月、生誕40周年記念の特別仕様車『1.5X HID 40thアニバーサリーリミテッド』を発売。
なお、海外向けの一部地域(アメリカや東南アジアなど)では、ワイドボディ化されるなど日本仕様との差異が大きくなってきました。そのことが次世代モデルへの商品企画に大きく影響を与える事になりました。

次回で最終章となります。相変わらず長文ですが、もう少しご辛抱願います。


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