魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

アラハダカ

2017年03月16日 10時22分15秒 | 魚紹介

今日ご紹介する魚はハダカイワシ目・ハダカイワシ科・ススキハダカ属のアラハダカ。ハダカイワシ科の魚は日本に87種も生息しているのだが、このぶろぐではハダカイワシ科の魚をほとんど紹介してこなかった。マグロの胃内容物のどろどろになったハダカイワシ属の魚を紹介してきただけである。ということで同定すみのハダカイワシ科魚類としては、このぶろぐ初登場ということになる。

発見してすぐの写真

このアラハダカは昨年、某雑誌の磯遊びイベントで三浦半島へ行った際に、ちょと寄り道したところの磯で拾ったもの。採集、というわけではなく,もうすでにお亡くなりになっており、浅い潮だまりでぷかぷかとうかんでいたものだ。鳥に捕食されていないのは幸運であったが、残念ながら尾部が若干かけてしまっていた。写真は獲れてすぐの個体。大きな寄生虫がついている。なおトップ画像はこの個体を右頭にしたものを反転している。

アラハダカ櫛鱗のアップ

ハダカイワシという名前から鱗がはがれやすいと想像しやすいが、このアラハダカは強い櫛鱗で、はがれにくいという特徴をもっている。鱗は光っていて綺麗だ。ススキハダカ属の魚は日本には7種類がいるが、このアラハダカが一番ふつうにみられるのかもしれない。一応ある方に問い合わせてみたのだが、アラハダカでよいとのことだ。

2枚ともアラハダカのSAO、2枚目はわかりやすく色をつけた

近縁のウスハダカも北海道~九州までの太平洋岸に分布しているが、アラハダカとウスハダカでは肛門上発光器(SAO)の様子が異なる。アラハダカのSAOは折れ曲がるのに対し、ウスハダカではそのようなことがなくまっすぐに近い配置になっている。また見た目もアラハダカのほうが幾分ほっそりとしている感じだ。ハダカイワシの仲間は基本的に発光器の配置や数、胸鰭や臀鰭の軟条数を合わせて同定するため、これらの形質が写っていない写真では同定ができない。最善の方法は自分で触って確かめることである。

アラハダカの鰓蓋上端付近

日本産ススキハダカ属魚類はほかにススキハダカ、ヒカリハダカ、イバラハダカ、ヒサハダカ、ヒシハダカの5種が知られている。鰓蓋上縁に特徴がある種が多く、ススキハダカは鰓蓋上縁がおもしろい形になっているし、ヒシハダカは鰓蓋上端が背方を向く。ヒカリハダカやイバラハダカ、あるいはヒサハダカという種は鰓蓋上端が鋸歯状になる。アラハダカとウスハダカの鰓蓋上端は鋸歯状になっていない。写真で鋸歯状になっているように見えるがこれは鱗である。

アラハダカなどのハダカイワシ類は一般的に深海魚とされているが、実際には浅いところと深いところを回遊している。昼は深海(400m以深)にその身をひそめるのだが、夜間は浅いところにまで上がってくる。この個体も夜間浅いところまで来てしまった個体なのだろうか。アラハダカの日本近海における分布域は千島列島から九州-パラオ海嶺までとかなり広い。海外では朝鮮半島、太平洋、インド洋、大西洋、メキシコ湾とかなり広い範囲に見られる。ハダカイワシと異なりやや小型で鱗もはがれにくく食用とはされていないようである。体長8cmほどになる。

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