今日のフィリピン魚はチョウチョウウオ科のセグロチョウチョウウオChaetodon ephippium Cuvierです。
チョウチョウウオ属の魚はフィリピンにも36種ほどが分布しています。本種は灰色っぽい体色で、体側に網目状の模様がなく、体側の後方背部に大きな暗色域があるのが特徴です。成魚になると、背鰭の後ろ端がやや伸びますが、体色により、この伸長の特徴を持つトゲチョウチョウウオ、レモンチョウチョウウオと区別できます。
セグロチョウチョウウオは我が国でもごく普通にみられる魚です。千葉県以南の防波堤などで夏から秋に採集することができます。他のチョウチョウウオ属魚類と比較して内湾に多いためか、あまり磯で出会う機会が多いとは言えず、むしろ小さな漁港などで遭遇することが多いです。私は、底が泥の濁った湾内で数度出会えました。一度は高知、もう一度は奄美で、奄美の個体はやや大きく、成魚と同じような色彩の個体でした。
チョウチョウウオ科魚類は、フィリピンでは食用とされています。チョウチョウウオなど一部の種は日本でも食用とされていますが、あまり市場に出回らないのに対し、フィリピンでは市場でも売られています。また、フィリピンをはじめ、東南アジアの国々ではチョウチョウウオの仲間は観賞魚として漁獲され、日本や欧米などに輸出されています。
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