魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

ナメラハゼ

2016年05月22日 11時29分26秒 | 魚紹介

ナメラハゼはスズキ目・ハゼ科・オキナワハゼ属の魚である。オキナワハゼ属のハゼは種標準和名がついているものが10種おり、そのほかの複数の「オキナワハゼ属の一種」というものがいる、つまりこれからもまだ種類が増える可能性があるグループなのだ。

その生息場所は多くの種類がサンゴ礁域の岩の下であり、ナメラハゼもそのような場所に生息している。ただし、ナメラハゼの場合は、ほかのオキナワハゼ属魚類よりも生息水深が極めて浅く、タイドプールの中はもちろんのこと潮がひくと干上がってしまうような場所でも本種を見ることができる。

体色は灰褐色というか変な色。採集した時は灰褐色で、背中の斑紋がはっきり見えていたのだが、水槽に入れると一様に茶色くなり、背中の斑紋がわかりにくくなった。尾鰭の黒い斑紋は生時も死後も見られる。

頭部には褐色の放射状線が入っている。黒い線は孔器に沿って入っているように見える。

今回採集してきたが、ナメラハゼはあまり飼育しやすいハゼとはいえない。きわめておとなしい性格であり、水槽で飼育していてもあまり餌を食べなかった。おとなしい魚と一緒に飼育するのがよいだろう。以前に家の前の泥底域が青潮により酸欠になった際、ふわーっと水面に浮かんできた、ナメラハゼの近縁種タネハゼを採集し飼育していたが、この魚は餌付きがよくて長生きした。もしかしたらこの仲間は輸送にも弱いのかもしれない。この写真の個体は水槽に入れて3日後に死んでしまった。

こちらは2011年に採集してきた個体。この個体は外掛け式の隔離ケース「サテライト」で飼育していたが、あまり長生きしなかった。サテライトは便利ではあるのだが、結構維持が難しい。小さな貝が穴に入るだけで水槽に酸素がいきわたらなくなってしまう。

分布域は屋久島、種子島、琉球列島。海外ではベトナムからマーシャル諸島までの海域で本種を見ることができる。ただし本種の学名および英語名(Okinawa flap-headed goby)には「Okinawa」の文字が入る。タイプ標本も沖縄から得られている。まさしく沖縄のハゼなのだ。

喜界島でも潮だまりの浅瀬に本種を見ることができる。しかしながら同所的に生息するクモハゼと比べると数は極めて少ない。また喜界島ではこれまでにオキナワハゼ属の魚はこの種しか見たことがない。

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