魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

ナミフエダイ

2023年12月24日 04時13分20秒 | 魚紹介

今年の高知県はフエダイ科が多かった。クロホシフエダイやオキフエダイなど「いつめん」ばかりではなく、久々の種もいた。以前このぶろぐにも掲載したバラフエダイは2007年以来の出会いだったのだが、こちらもお久しぶりでかつ、高知県ではお初の出会い。フエダイ科・フエダイ属のナミフエダイ。

ナミフエダイはフエダイ科の熱帯性種である。和歌山県以南にいるようだが、九州や奄美諸島以南に多い。一方よく似たフエダイも琉球列島で見られるが、こちらはどちらかと言えば温帯に多い種であり、九州以北に多く、とくに宮崎あたりだと「シブダイ」などと呼ばれ夜釣りの人気魚種である。そのフエダイは2008年にこのナミフエダイを釣った場所で釣れたほか、2021年には近隣の道の駅で購入している。ただ鱗が全部落とされていたり、内臓もなかったため、写真には撮影しなかった(耳石は採取している)。そして、そういえばこの「魚のぶろぐ」においては、フエダイ科魚類は色々紹介してきたものの、フエダイについては紹介してこなかった。よし、後日やろう。

2013年に宮崎県で釣れたナミフエダイ。また「ごんぐり」食べたい。

以前にナミフエダイを釣ったのは宮崎県の漁港で、宮崎県在住の「あらら」さんと県南に釣りめぐりをしたときに釣れた。小さくても青い線が輝き美しい魚であった。その個体は今回のよりも小さくて人差し指と同じくらいであった。今回の個体はそれよりは大きいのだが、リリースしている。

このナミフエダイが釣れたのは河川の流入がある場所。餌はキビナゴで、今回はキビナゴを餌にすることにより様々なフエダイやハタが釣れてにぎやかなものであった。ハリはサヨリを釣るための針であり、あまり大物は期待できない。この場所は以前からキテンハタだの、ヒメツバメウオだの様々な魚が獲れたり釣れたりするお気に入りのポイントである。キテンハタは神奈川県立生命の星・地球博物館の瀬能宏博士のもとに送ったし、ヒメツバメウオも高知大学に標本をおくった(はず)。高知に到着したらまずこのポイントを見るというのが私の習慣に。

さて、ナミフエダイにはどうやら2タイプあるようだ。インド洋の西部にはナミフエダイのように見えるが全身が黒っぽく、模様がより細かいものがいる。海洋水産資源開発センターの「インド洋の魚類」ではこのタイプは種内変異として扱われているが、そもそも当時はナミフエダイではなく標準和名は「フエダイ」であったし(1977年当時はナミフエダイとフエダイはまだ同種と考えられており、フエダイは1983年に宮崎県産の個体をもとに新種記載された)、分子分類もなかったであろうことから、再検討する価値はあるのかもしれない。ナミフエダイも全長50cmほどになり、フエダイ科でも特に美味しいものとされている。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« クマサカフグ | トップ | フエダイ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

魚紹介」カテゴリの最新記事