魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

ネズミギス

2016年03月28日 19時58分44秒 | 魚紹介

 

この魚はネズミギスという種類。確かに見た目はキスやギスに似ているけれど、これらとは縁が遠い種類。見た目はサケに似ているともいわれるが解剖学的特徴からはそうはいえないようで、実はコイなどに近いともいわれている、謎に満ちた魚だ。ネズミギス目ネズミギス科。

ネズミギスの背鰭・臀鰭・腹鰭

ネズミギスの背鰭・臀鰭・腹鰭。腹鰭は体の後方にあり、臀鰭と近い位置にあるのはたしかにコイの仲間に似ている。背鰭は1基のみで軟条数は11前後と、ギスなどよりも少ない。また鰾を欠くのも特徴である。吻は細長く、英語では「Beaked salmon」(くちばしのあるサケ)と呼ばれるが、脂鰭はない。

ネズミギスの口

口はこんな感じ。サメの仲間にも似た口が特徴だが、肥厚した唇をもつものの、顎歯はない。そして口の前のほうに1本の「ひげ」があるのもネズミギスの特徴といえる。

ネズミギスはいまだに何の仲間なのかわかっていないところもある。コイに近い仲間といわれるのは、このネズミギスの脊椎骨の形がやや変わっており、それはウェーバー器官の原始的なものではないかといわれているのだ。ちなみに日本産のネズミギス科魚類はこの1種のみで、ほか、このネズミギス目の中にはフィリピンや台湾では重要食用種となっているサバヒーや、いずれもアフリカ大陸に生息する淡水魚であるクネリア科とプラクトラエムス科の4科が含まれている。このうちクネリア科を除く3つの科は単一の属で構成されていて、サバヒー科とプラクトラエムス科の種は1属1種である。

鰾はネズミギス科をのぞく3科にはあるようで、プラクトラエムス科はこれを使って空気呼吸もするらしい。なおこのプラクトラエムス科の魚は日本にも観賞魚として入ってくる。あまり大きくはならないが、古代魚的なフォルムはそそられる。飼育してみたい魚の一種だ。

なお、ネズミギスは中国福建において、この種を食べて食中毒になったという話をきく。食べるにあたっては覚悟が必要な種かもしれない。ただし本種は一般的にやや深海性の種とみなされていて、あまり出会うことはできない。底曳網で漁獲されるほか、定置網でもたまに漁獲される。

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