魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

ナツハリゴチ

2016年03月30日 17時31分07秒 | 魚紹介

以前コチの頭部を集めた画像を作っていたのですが、コチに近縁な(とされている)ハリゴチの仲間(スズキ目ハリゴチ科)も紹介できていなかった。ハリゴチの仲間は体に小棘のある骨板が多数並ぶのが特徴だ。

この種類はナツハリゴチという種類である。ハリゴチ科の魚は日本に6種が分布しているが、そのうちナツハリゴチち、ソコハリゴチの2種類がよく知られている。ナツハリゴチは吻がやや長く、体側の骨板の後方に向く強い棘が2本あることにより、それが1本しかなく吻もやや短いソコハリゴチと見分けることができる。

ナツハリゴチの背面。吻はやや長めであることがわかる。ソコハリゴチの吻については、以前のコチの頭部写真のほうを参考にしてほしい。色彩的にはナツハリゴチの色彩は灰色っぽく、派手というものではない。

胸鰭の軟条がホウボウの仲間のように下方が遊離するというのも特徴。ナツハリゴチの場合は多くが3本(3~4本)。ソコハリゴチでは2~4本と幅広い。ハリゴチは3本で、胸鰭遊離軟条が上部軟条の先端に達するのが特徴だが、ハリゴチのほうはめったにお目にかかれるものではない。確実な記録は1908年の鹿児島の記録だけだという。

ナツハリゴチとソコハリゴチは生息水深も異なる。ナツハリゴチは65~150mくらいの場所に生息するのに対し、ソコハリゴチはやや深めで90~400mほどの場所で採集されている。ナツハリゴチは100mくらいの場所で多く漁獲され、今回の個体は水深70mほどの場所を曳く小型底曳網漁業によって漁獲された。一方ソコハリゴチは水深150mより深い場所を曳く底曳網漁業で多く漁獲されている。ただし両種ともにほとんど利用されておらず、海上で投棄されてしまっているため、陸に住む私たちがこの種を見る機会は多くない。全長20cmくらいになる。

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