今日から4月ですね。新年度最初のフィリピン魚、そしてブログ記事はイソギンポ科のヤエヤマギンポSalarias fasciatus (Bloch)です。
ヤエヤマギンポは琉球列島以南、インド・西太平洋のサンゴ礁や岩礁域に生息するイソギンポ科、ヤエヤマギンポ属の魚です。ヤエヤマギンポ属は日本からは3種、西部太平洋からは11種、 フィリピンからは8種が知られています。
その中でもヤエヤマギンポは大型になるもので、体長は12cmを超えます。この個体は雌で、お腹の中からは卵が多数出てきました。その上にある、緑色というか、茶色いものは消化器、胃か腸で、藻類のようなものが多数入っていました。
口を顕微鏡で見ますと、「くし」のような歯が並んでおり、これで岩や死サンゴなどにつく藻類を削り取るようにして捕食します。
ヤエヤマギンポは岩についたこけをよく食べてくれるので海水魚の水槽では有難がられる魚です。他の魚との協調性はありますが、同種では争うようです。
眼の上の方にまつげを彷彿とさせる皮弁がありかわいいものです。九州以北の磯遊びでは見られないものですが、奄美以南では磯採集でよく獲れます。