冬至です。このところ宇和島もめっきり冷え込み、あとは正月を迎えるだけになりました。
このころになるとブリSeriola quinqueradiata Temminck and Schlegelも脂がちょうどよくのり、美味しくなるころでしょう。ブリはアジの仲間ではあるのですが、稜鱗、いわゆる「ぜんご」がありません。この鱗をもつのはアジ科の中でもアジ亜科のグループのみといいます。
ブリと同属のものにはヒラマサ、カンパチ、ヒレナガカンパチがいますがこのカンパチSeriola dumerili (Risso)が一番多いように思います。このあたりではネイリ、ネリゴとか言ったりします。これもやはりブリ属ですから、稜鱗はありません。背鰭棘は大きく、鰭膜があります。
このツムブリElagatis bipinnulata (Quoy and Gaimard)はブリやカンパチとは別のツムブリ属に属するものです。ツムブリ属は世界でも本種1種のみ、レインボーライナーとも呼ばれます。これも秋以降、時々お目にかかれます。背鰭が立っていないですが、背鰭棘は小さく、鰭膜があります。
このミナミイケカツオScomberoides tol (Cuvier)は上の3種とはまた異なるグループのアジですが、やはり稜鱗はありません。背鰭棘は鰭膜がなく、互い違いにつきますが、これには毒がある(FishbaseでVenomousとの表記が・・・)そうですので、注意しないといけません。
最近ではこのほかにもさまざまなアジ科魚類が漁獲されています。定置網ではマアジ、クサヤモロ、メアジ、カンパチの幼魚あたりがよく漁獲されていますが、だんだん魚類層もかわりつつあるのか・・・。他地域の定置網の漁獲物と比較するのも面白いかもしれません。