2025/4/9放送
「世の光」の時間です。いかがお過ごしでしょうか? 大嶋重徳です。
聖書のルカ福音書8章には悪霊に憑(つ)かれた男性が出てきます。
「私に関わらないでくれ」と言う彼に、イエス様は「お前の名は何か」と聞かれました。
イエス様が相手の名前を聞くということは非常に珍しいことです。
ルカ福音書19章に出てくるザアカイという人が、自己紹介する前からイエス様は「ザアカイ!」と呼ばれました。ここでも「えーっと、君の名前はなんだったっけ?」と名前を忘れられた訳ではありません。
ここで大切なのは「名前を聞かれた」という意味です。聖書で名前は、その人の実体・本質を表します。「神の名を褒め称える」とは、神ご自身の実質を褒め称えるということを指しています。
そしてここでイエス様が「お前の名は何か」と名前を聞かれたのは、「あなたの本当の実体は何か。あなたの本当の姿は何ですか?」という意味なのです。
彼はここで自分のことを「レギオンです」と答えます。レギオンとは当時のローマの軍隊の名前で何千もの兵隊が属する部隊の名前です。彼の内側には大勢の悪霊が取り憑いていました。もはや自分で自分がわからないほど彼自身の中に大勢の何かがうごめいていたんです。「あなたの本当の姿は何ですか?」 彼は「大勢いるんです」と答えました。本当の自分がどこに居るのかも分からない。「いっぱいありすぎて分かりません」そんな自分自身のことが苦しくて彼は墓場で叫んでいたのです。
私たちも幾つも自分の顔を持っています。子どもたちも家に帰ると親の前では家族が求める顔、先生の前だと先生受けする顔。大人も職場で上司に向かってする顔と部下に向かってする顔がぜんぜん違う人がいます。それらの顔もその日その日の感情次第でうごめく。機嫌の悪い自分が止まらない。相手次第で言うことも変わる。自分が自分でバラバラだ。そんな自分が嫌いだ。そんな自分が苦しい。・・・
イエス様の「あなたの名前は何か?」「本当のあなたはどこにいるのか?」と聞くこの問いは、人の求める要求に疲れ果てて、神様の元から離れて、足かせや鎖を断ち切ってでも墓場へ向かいたくなるあなたの人生に、「本当の自分の姿」を取り戻すためのことばが掛けられているのです。
今日、あなたを疲れさせてしまっている幾つものあなたの姿にはどんなものがあるでしょうか?
( PBA制作「世の光」 2025.4.9放送でのお話しより )
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