2022/7/2放送
「世の光」の時間です。お元気でお過ごしでしょうか? 関根弘興です。
日本の昔話に、兎と亀の話がありますねえ。向こうのお山の麓までどちらが先に着くか、競争しよう、というお話です。
でもこれは誰が考えても常識的には兎が勝つに決まっていますよね。ところがこのお話は勝利したのは何と亀さんでした。どうしてそんなことになったのでしょうねえ。兎が怠け者であったからですか? 自己過信していためでしょうか。もちろんそういうこともあったでしょう。でもよく考えると、兎の敵は誰かといえば亀でした。兎にとって亀に勝つこと自体が目標でした。しかし亀にとっては兎と競争しても勝てるはずがありません。
ですから亀の目標はあくまで、「向こうのお山の麓まで」完走することだった訳です。
私はこの兎と亀の話を聞くと、どうも私たちはこの兎のような感覚を持ってしまうことが多いのではないかと思うんですねえ。周りの存在があまりにも気になるわけです。いつのまにかゴールを目指す生き方ではなくて、周りの存在が自分の目標にすり替わってしまい、一喜一憂しているということがとても多いように思います。
新約聖書のピリピ人への手紙3章13節~14節にはこのように書かれています。
「兄弟たち。私は、自分がすでに捕らえたなどと考えてはいません。ただ一つのこと、すなわち、うしろのものを忘れ、前のものに向かって身を伸ばし、キリスト・イエスにあって神が上に召してくださるという、その賞をいただくために、目標を目指して走っているのです。」
パウロという人が記したことばですが、パウロは自分の過去を振り返って生きるのではなく、前を見つめ一歩ずつ目標を目指して走っている、と彼は記しました。
私たちの人生はどうでしょうか。私たちは永遠の天の都をめざすランナーでありたいですね。過去に囚われ生きるのではなく、また周りと比べながら一喜一憂しながら歩むのもこれ疲れますね。せっかくの一度限りの人生なのですから、一歩ずつ前に前に、永遠のゴールを目指す人生でありたいものです。亀のように歩みがのろい、何と歩みの遅い人だ、と言われようが、いいではありませんか。気にしないことです。大切なのは、イエス・キリストがあなたの永遠を目指す人生のレースに同伴してくださっているということです。
「わたしは決してあなたを離れず、また、あなたを捨てない。」と約束されるイエス様とともに、焦らず、一歩ずつ進んでいくことにいたしましょう。
( PBA制作「世の光」 2022.7.2放送でのお話しより )
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