いしいひさいちさんの漫画も ほのぼのとしていて面白い。人柄の良さがよく出ています。“バイトくん”も笑えます。
平成5年の発刊 文春文庫ビジュアル版
出っ歯
ネコ屋敷
お茶で毒殺
忍法らっきょう頭
いしいひさいちさんの漫画も ほのぼのとしていて面白い。人柄の良さがよく出ています。“バイトくん”も笑えます。
平成5年の発刊 文春文庫ビジュアル版
出っ歯
ネコ屋敷
お茶で毒殺
忍法らっきょう頭
杉浦日向子さんは、平成17年に帰らぬ人となりました。江戸から明治初期の魅力と楽しさを教えていただき、葛飾北斎の“百日紅”、白虎隊を描いた“合葬“、忠臣蔵の“吉良供養”等、漫画から江戸の町を楽しませていただきました。
今年5月に、杉浦さんの作品やエッセイをぎゅっと詰め込んだ“お江戸暮らし”ちくま文庫 が出されましたので、その中から“呑々まんが”を紹介させていただきます。
青柳祐介さんの“いきぬき”(COM昭和42年9月号掲載)という漫画を紹介しようと思っていたのですが、70過ぎのジジイが見るには あまりにも甘っちょろすぎたので、谷岡ヤスジ氏の“メッタメタ ガキ道講座”を掲載いたします。これはもう 笑うしかございません。
ハチャメチャでゴザイマス “しょにょ に”は、ハナ血ぶーの炸裂でございまする
“少年サンデー” 昭和45~46年掲載
“いきぬき”のストーリーは・・・東京に出てきている浪人生(男)が、ある夜 高校時代の同級生(女)に出会い、家に寄っていかなかと誘われる(彼女の現職はホステス)。しばし歓談の後、雨でもあるので泊まっていってはみたいな雰囲気になるのだが「いくじなし!」と言われつつその家を去る。雨の中「お母さん 明日からはしっかり勉強するよ」と空を見上げて呟く・・・。間違いがなくてヨカッタ ヨカッタ ハナ血 ブー
楠勝平さんの作品をもう一つ“暮れ六つ”
夕暮れ迫る江戸市井の雰囲気がとてもよく出ています。冒頭 息せき切って走ってきた僧侶が、寺院の鐘をつきます。瘦せぎすの浪人が子供に家を聞いている。
ろくろ師の仕事場を訪ねる浪人 仕事場の様子が良く描けています
「ごめん!お尋ね申す」
弟子の八助は、急いで息子に知らせます。「親父さんの処へ ついに仇討ちがきた!」
息子は助太刀に駆け付けますが
江戸の下町は 何事もなかったかのように暮れていきます “ガロ”1970年9月号掲載
先天性の難病を抱えながら創作活動に打ち込んだ楠 勝平。30歳にして逝去するまで“ガロ”に作品を発表し続けました。
『楠勝平コレクション 山岸涼子と読む』ちくま文庫
70年代、日本中がどんどん豊かになっていく経済成長の時代でしたが、至る所に貧しさや厳しい現実も残り、それが実感として分かる世代の読者には、世の中の厳しい現実の只中でもがき、ひたむきに生きる人々へ向ける楠さんの眼差しの温かさが身に染みるのです。
大工の棟梁である安(やす)と、貧しい暮らしで焼き芋を売って生計を立てる おせん は、惹かれあう中になる。
楠さんが見つめた、やさしく、あたたかな世界は、不治の病との戦いの中で生まれたわけです。そうわかって読むと、どの作品にも楠さんの迫りくる死への怯えやそれでも生きていたいという願いが底に流れているのが分かります。
ある日 おせんは 安のおじさんの家へ招待される
楠さんは、白土三平さんの“赤目プロ”の中で活躍された作家ですが、
白土さんの、抑圧された民が歴史をかたちづくっていくという壮大な物語(カムイ伝)があの沸騰したような時代に押し上げられるのでなければマイナーにとどまっていたかも知れない世界だとしたら、むしろ楠作品はメジャーで普遍的な世界を描いていると今なら感じます。
時代を超えた普遍の真実が描かれているからで、白土作品とも異質の良さなのです。
初出 月間漫画ガロ 1966年12月号
山岸涼子 漫画家
永島慎二氏が、昭和42年3月号の雑誌「COM」に“青春裁判”を掲載している。学生時代大いに影響を受けた(甘い あまい アマ~イ)漫画の一つでゴザイマス。
夜のビルディングの長い階段を、サンドイッチマンが上っていく。階上の部屋では裁判が始まるところだった。被告の青年を真ん中に、裁判長と陪審員十人が廻りを囲んで座っている。
様々な人が集まっていた。サラリーマン、土建屋、少年、衆議院議員、医者、バーのマダム・・・。それぞれが事件に関する事柄を話す。
事件は16歳の少女の自殺に関すること・・・。相思相愛のふたりだったが、やがて青年は待ち合わせ場所に現れなくなる。悲しみに暮れた少女は死の道を選ぶ。
少女を死に追いやったことで死刑を判決される。(訂正:判決は“一生 人を愛してはならない”でした)
審議が終わり、サンドイッチマンは裁判長に尋ねる。
血を流さない青春なんて あるんでしょうか?
大人にとっては“青春とは 美しく 尊いもの・・・”でなければならないものなのです。
「ガロ」の昭和42年6月号掲載の“李さん一家”つげ義春 画より(“大人のロマンと子供の科学”赤瀬川源平著)
どんなものかというと、僕が郊外の一軒家に引っ越しをする。
僕は二階家へ引っ越しをする
小さな庭もあるので気に入って草むしりなどしていると、鳥の声が聞き分けられるとかいう男がふらりと紛れ込んできて、話すうちにいつの間にか僕の二階に引っ越して住むことになる。
李さんがやってきて二階に家族で住み始める
それが奥さんと子供もいる李さん一家で。住み始めると僕の生活にいろいろリズムが違い、ドタバタと小さな事件が起こって閉口したりする。
奥さんはカジメ取りの経験があり ドラム缶で実演をするという
そんなこともあって何か月かが過ぎ、その後その李さん一家がどうしたかというと・・・最後のページには・・・・・。
はじめに “マンガ黄金時代”文芸春秋社編集部より
こんなエピソードを覚えていますか。大学紛争華やかなりし1960年代後半、全国の大学では学生たちのバリケードストが相次いでいた。体制の変革を目指しバリケードで解放区を構築しようとしていた彼らが愛読していたのは、難解な思想書、そして、なんとマンガだった。
マンガと学生運動活動家との結びつきは、当時を象徴する風俗現象のひとつとして、大いに世間の注目を集めたものです。
“大人のロマンと子供の科学”赤瀬川源平著より
すごいと言えば平田弘史の剣豪マンガも際立っていた。絵がうまいし残酷な悲愴美がすごい。その残酷の描写が微に入り細にわたって、殺された武士のうめき声なども「ムグフフー」という臨床的か あほらしいというか 生々しい発音文字がコマからはみ出してインクがほとばしったりしている。
もう一つちょっと気持ちの悪いのがあって、どこかの山の手みたいな邸宅を背景に、子供や先生やお母さんやお姉さんが出てきて、なにか暗い雰囲気がじめじめと続く、その絵が粘っこく丁寧だけどどことなく下手で、そのところが何かしら本当みたいで気味悪い、何冊も読むうちにはどうしてもその何冊かが際立ってきて、マンガ家の名前は“楳図かずお”だった。それからちょっとして月刊漫画の「ガロ」が出たのだと思う。
二十歳の頃、少し大人になった気持ちで買った漫画雑誌が「ガロ」だった。そこに掲載されていたのが“李さん一家”(昭和42年6月号)でした。後年、作者のつげ義春氏は高野慎二氏に話している。「今風にいえば、落ちこぼれというか、世の中外れちゃった方が生きやすいんじゃないかっていう気分がありました」「これは当時連作する気分でいたんです」
“李さん一家””つげ義春 冒頭 以降 つづく
昭和45年1月『現代コミック』に、“李さん一家”の続編と思える“蟹”を発表している。 “つげ義春コレクション”高野慎二著
“大人のロマンと子供の科学”赤瀬川原平 著より
1960年代(昭和35年以降)、つまり 団塊の世代が成人に近づく頃です(私達・・・)、大学生が電車で漫画を読んでいるといった時代がありました。大学生というと最高学府に行くという印象が残っている頃です。漫画の代表は、白土三平の「忍者武芸帖」でした。60年代アンポを経てきた当時は、学生運動が盛んで、アメリカ支配をひっくり返してあわよくば革命でも起こしてやろうという風潮が渦巻いていた。「忍者武芸帖」はその期待に応えた漫画でした。噛みしめた濃厚な味は ほとんど小説であり、その展開するスピードは ほとんど映画であり、にもかかわらずその実態は 身軽なマンガであることによって、その脳髄による消化能力はいずれをも凌いでいました。しかもそのドラマの中には60年代アンポ闘争にくすぶる反権力のエネルギーがそっくりそのまま格納されていたのです。(短いけれども・・・つづく)
ナショナル・キッド 作・貴瀬川 実 画・一峰大二
「ぼくら」講談社(昭和35年7月~36年12月連載)
◆NETテレビ(現 テレビ朝日)昭和35年8月4日~36年4月27日木曜日午後6時15分より30分間 太地喜和子も出演していた。提供はもちろんナショナル(パナソニック)。それならブッダン・キッドが居ても良いと思うが・・・ま、金銭次第ですか・・・
(27) Nacional KID Abertura - YouTube
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猿飛佐助 作・画 杉浦 茂
「おもしろぶっく」集英社(昭和29年3月~30年12月)
昭和28年12月出版の単行本が大ヒットし、翌年から連載が始まった。楽観的で明るいマンガだった。小学生の頃、布団をかぶって「ねるよりらくは なかりけり」という言葉を覚えた。
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怪傑ハリマオ 作・山田克郎 画・石ノ森章太郎
「少年マガジン」講談社 (昭和35年4月17日~36年3月頃)
◆日本テレビ 昭和35年4月5日~36年6月27日火曜日午後7時30分より30分間 悪役のキャプテンKKに 牧冬吉が演じていた。
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鉄腕アトム 作・画 手塚治虫
「少年」光文社 (昭和26年4月~43年3月連載)
◆KRテレビ(現 TBS)<紙人形劇>昭和32年4月13日~9月28日土曜日午後6時より15分間
フジテレビ<実写版>昭和34年3月7日~35年5月28日土曜日午後6時15分より30分間
フジテレビ<アニメ版>昭和38年1月1日~41年12月31日火曜日7時より30分間