“心を豊かにする菜根譚”興福寺貫首 多川俊映 祥伝社黄金文庫
洪自誠の著した“菜根譚”はいつ読んでも自らの背筋を正してくれます。
念頭起こる処、纔(わずか)に欲 路上に向かって去るを覚(さと)らば、便(すなわ)ち挽(ひ)きて理 路上より来たせ。一たび起こりて便(すなわ)ち覚り、一たび覚りて便(すなわ)ち転ず。此れは是れ禍を転じて福と為し、死を起こして生を回(かえ)すの関頭なり。切に軽易に放過することなかれ。
訳
心が動いたとき、我欲の方へ行きそうだと気がついたら、それこそすぐに正しい道の方へ引き戻せ。一念迷ったときにはすぐに気付いて、気付いたらすぐさま改めるようにする。これこそ禍を福に転じ、死を生にひるがえすきっかけである。決して軽くみて見逃してしまうようなことがあってはならない。
私たちが頻繁に繰り返すミスや間違い。「まあ 大したことではない」と解決を後回しにしていると、やがて大きな問題になる。手当は即、早めに対処しておくべきだと教えています。毎日を気持ちよく生きる秘訣だと思いますが、如何?