「不景気、いつまで続くンでしょうか・・・?」
行きつけの床屋での話。
私の頭を整えながら、若奥さんに質問された。ありがたいことに、彼女は私の係。
「さあ、私も聞きたいねえ」
私に分かる訳がない。いかに年寄りでも、こんな経験は滅多にない。
「床屋さんの商売、あまり不景気の影響はないでしょう?」 失礼な質問だったかもしれない。
「そう言われればそうですねえ。バブル崩壊以来、ずーっと悪かったですから・・・」
「でも、多少懐が淋しくても、調髪はするでしょうから・・・」
「そう思われるでしょうが、ところがそうでもないのですよ。以前は、余分なご注文もいただきましたし・・・」
どうやらそのようなものらしい。髪が少ない私としては、もとより細工のしようがない。つまり、贅沢をしたくても、私にはできなかったのだ。
妙なところで納得できた。
何処へ行っても、誰と会っても、現在は景気の話に尽きる。その挙げ句は政治批判だ。
眼が肥えてきたはずの国民なのだが、政治を変える動きには繋がらない。諦めている。
そう言って嘆いている私も同じだ。行動を起こす気力がない。
「どうせ・・・」
このような淡泊さは、日本人の悪い美徳かもしれない。
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